支那人の文弱と保守

桑原隲蔵




         

 
 

          

 
 
 使
 
 
 
 ※(「(楫−木)+戈」、第3水準1-84-66)
 
 
 
※(「てへん+掌」、第4水準2-13-47)※(「てへん+主」、第3水準1-84-73)
とあるのは、唐の杜甫の兵車行に、

とあると同樣、男子は兵役に就かねばならぬから、出生せぬ方が、若くば成長させぬ方が望ましい。女子にはかかる苦勞がないから、男子を生むよりは、むしろ女子を生む方が、利益であると云ふ思想を、露骨に述べたものである。その兵車行に出征の士卒の一族が別を惜しむ有樣を敍して、
()※(「てへん+闌」、第4水準2-13-61)
とあるが、衣を牽き袖に縋つて哭泣するなど、隨分女々しきことではないか。唐の王翰の涼州詞に、
醉臥沙場君莫笑。古來征戰幾人囘。

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 使滿
 
 西※(二の字点、1-2-22)


 
 西
 
 西

          

 西
 ※(「けものへん+熏」、第4水準2-80-53)※(「けものへん+僉」、第4水準2-80-49)※(「けものへん+允」、第4水準2-80-30)※(「糸+乞」、第3水準1-89-89)滿
滿滿
と憤慨の辭を連ねてあるが、この事實は決して清朝時代に限つた譯でない。支那は往古から、北狄の寶藏金庫たるべき運命をもつて居る。南北朝の末に出た突厥の他鉢可汗は、
但使我在南兩兒(北齊と北周)常孝。何憂於貧

 西西※(「至+おおざと」、第3水準1-92-67)西
 ※(「赤+おおざと」、第3水準1-92-70)※(二の字点、1-2-22)※(「王へん+景」、第3水準1-88-27)※(「赤+おおざと」、第3水準1-92-70)※(「赤+おおざと」、第3水準1-92-70)
 
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と申して〔居り、また清初に支那に布教したスペインのナヴァレットも、
支那人は學問を修め、商業を營み、美術骨董品を作るには適當であるが、戰爭をなし得る柄でない。

 西
 ※(二の字点、1-2-22)滿
 

          

 
 
 
 
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滿
 
 
 西

とて反對した。併し杜預は群臣の反對にも拘らず、殷・周の聖賢すら着手せなかつた、黄河の舟橋を見事成功して、叡感に預かつたことがある。
 それより四百年程以前に、西漢の孝武帝の時代に、匈奴征伐に苦心したことがあるが、その時齊人の延年といふ者が上奏して、黄河の流を北に移し、匈奴と中國との國境を經て、東海に注がしめたならば、一は以て中國の水災を避くべく、一は以て水軍に不得手な匈奴の侵入を防止し得べく、誠に一擧兩得の良策であると申出でたが、豪傑でも孝武帝は矢張り支那人である。
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 ※(「こざとへん+是」、第3水準1-93-60)
※(「こざとへん+是」、第3水準1-93-60)
※(「こざとへん+是」、第3水準1-93-60)※(「田+犬」、第4水準2-81-26)483-2
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 簿調簿
 西西西()()
 西※(「にんべん+繆のつくり」、第4水準2-1-85)
使便

 


 
 西稿鹿
 使()()()()※(「あしへん+(榻−木)」、第4水準2-89-44)使※(「あしへん+(榻−木)」、第4水準2-89-44)※(「あしへん+(榻−木)」、第4水準2-89-44)※(二の字点、1-2-22)使
 ※(「音+欠」、第3水準1-86-32)※(「火+玄」、第3水準1-87-39)

          

 
 
 使使()()
 
私は自分の母親に手紙を差出さうと思ふから、御前は一つ代作してくれ。飛脚は間もなく出發する筈故、今から至急認めてくれ。
と命令した。側に聞いて居つたユックはその教師に、
彼の學生は君の親類でもあるのか。それとも君の母親に面識でもあるのか。
と尋ねると、その教師は、
否彼は一面識もない。勿論我が母親の年齡も住所も知る筈がない。
と答へた。ユックは一面識もない學生が、いかにして君の代作が出來るかと尋ねると、支那人の教師はさも不思議相な顏付をして、
私は彼の學生に一年以上文章の作製法を教へた。最早書式や熟語を可なり知つて居る筈である。子から母へ差出す手紙の代作位は容易なことである。

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 調
 
 
 
 ()()使使
『日本國志』は約二十年前の書物である。日本の十年間の進歩は、支那の百年以上に當る。『日本國志』で日本の今日を忖度するのは、丁度『明史』に據つて支那の現状を論ずると同樣、事實を距ること遠い。
使
 西西調
 西調調







  
   196843213

   19272510
  使


2002225
2004220

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JIS X 0213

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「さんずい+會」、読みは「かい」    483-2