妖怪学

井上円了






 ()()
 



 


 西
  ┌物理的妖怪
妖怪┤
  └心理的妖怪
 
 ()()()()()()()()()()()
     ┌物理学的妖怪(すなわち物理学の説明を要するもの)
     │化学的妖怪(すなわち化学の説明を要するもの)
     │天文学的妖怪(彗星すいせい、流星のごとき天文に属するもの)
物理的妖怪┤
     │地質学的妖怪(化石、結晶石のごとき地質に属するもの)
     │動物学的妖怪(熱田の鶏の類)
     └植物学的妖怪(下加茂の柊の類)
 
 
第一種、すなわち外界に現ずるもの
幽霊、狐狸こり天狗てんぐ、鬼神、その他諸怪物
第二種、すなわち他人の媒介によりて行うもの
巫覡ふげき、神降ろし、人相、墨色すみいろ九星きゅうせい、方位、卜筮ぼくぜい祈祷きとう、察心、催眠、その他諸幻術
第三種、すなわち自己の身心上に発するもの
夢、夜行、神感、神知、偶合、俗説、再生、妄想、癲狂てんきょう、その他諸精神病
 ()()()
 
  ┌外界(幽霊、狐狸こり等)
妖怪┤  ┌他人(巫覡ふげき、神降ろし等)
  └内界┤
     └自身(夢、夜行等)
 
 
 ()()()()()()()
 
 
 
第一は、万物各体の内に存する他体にその原因を帰すること
第二は、万物各体の外に存する鬼神にその原因を帰すること
第三は、天地自然の規則にその原因を帰すること
 
 
     ┌病理的(精神病に属するもの)
     │迷信的(宗教上の迷信、妄想より生ずるもの)
心理的妖怪┤
     │経験的(平常の経験上、事実の符合適中するの類)
     └超理的(理外の理にして人知以外にありと想定するもの)
 
 
 ()()
 
 ()()()()()()()()()()()()()()
 ()()()()()()()()()使使使
 



 使
()()()()()()()()()()()()調()()
 ()()()
 ()()()
 
 ()西西西()使()()()
 ()()()()()()
第一は、外界のみによりて起こる原因、すなわちコックリの装置自体より生ずる原因
第二は、内外両界の中間に起こる原因、すなわち人の手とコックリの装置と相触れたるときの事情より生ずる原因
第三は、内界のみにより起こる原因、すなわち人の精神作用より生ずる原因
 
 ()()()
 
 ()()調調
 便()()
 
 
 ()()()()()()()()()()()()()()()
 
 ()()()()()



 使()()()()()
 ()()()()
 にない棒を二本、左右の手に一本ずつ、四本の指に真中を載せ、てんびんに持ちて立つなり。その棒の木口こぐちに三の字を書いて、わが口の中にて「カエリコンズカエリコントハオモエドモ、サダメナキヨニサダメナケレバ」と三度読み、口の内にて「ヨレヨレ」といえば、棒の端が一所に寄ること奇妙なり。もし、寄りかぬるときはまた歌をよみ、手の指にて寄せるまねして「ヨレヨレ」といえば寄るなり。
 ()()()
 ()()
 
青山、葉山、羽黒の権現ならびに豊川大明神、あとさきは言わずに中はくぼんだおかまの神様
 調()()



  ()()()()()()()()
 宿()()
 ()
 ()()()()()()
 便
 湿
 
  ()
   (一)小児の疳の虫を取るマジナイ
 この法は、晴天のの時に、白胡麻ごまの油を手の甲、指、額に塗り、日輪に向かいてらしめ、手合わさしてわが口のうちにて、
小松かきわけ出づる月その下かげにとるぞかんの虫

 
 ()()()()()()
 ()()()
 ()()
 ()()便()()()()()()()()()
 ()()()
 
   
 ()()
   ()
 ()()()()
   ()
 ()
   
 ()()()()()()
   
 
 ()()
   

   
 ()()
   
 
   ()()
 ()()()
   
 
 ()()
   
 ()()
   
 ()
   
 ()()()
   
 ()
 
 
   ()()
 
 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()
   
 ()
   
 西
 西
   ()退
 ()()()()()
 
 ()
 
   

   ()()
 
   ()()
 ()()()()()
 ()()
 
 ()()調調
 調調()()()()調調()()
 ()()()()()()()()()()調調
 ()()()寿()()()()()
 ()()馬三つの文字鳥四つの文字()()()()()()()()()西
 西()()西()()()()()()()()()四神之御札の図
 ()()()
 ()()()
 
 寿使()()()()()()西西()()
 調
 



 ()西()()
 
 
 
物、生、心の図
 
内、心、外の図
 
 
 ()()
       ┌内科
  ┌生理療法┤
  │    └外科
  │             ┌自信法
療法┤         ┌第一法┤
  │         │   └他信法
  │    ┌自療法 ┤
  │    │    │   ┌自観法
  └心理療法┤    └第二法┤
       │        └他観法
       └他療法
 ()()
 便



 
 
 
 
       反射作用   意識作用  
  醒覚     有     有    
  夢      有     一部分  
  熟睡     有     無    
  死      無     無    
 使使()()
 
 
 
 ()
 ()()
 ()()()()
 
 ()
 ()()()()
 使
 ()()()
 
 
 
 
 
学問および事務上に関したる夢        十種
旅行に関したる夢             十二種
遊歩に関したる夢             十八種
病気に関したる夢              九種
訪問に関したる夢             十六種
世間のありさまおよび出来事に関したる夢   九種
会合および饗応に関したる夢        十三種
妖怪に関したる夢              二種
遊戯に関したる夢              六種
葬祭に関したる夢              五種
 
東京にありし夢     四十二種(うち八種は大学にありしときの夢なり)
郷里にありし夢      十五種
西京にありし夢       二種
熱海にありし夢       十四種(うち七種は帰京の後の夢なり)
他の地方にありし夢     十種
諸方混同したるもの     四種
場所の不分明なるもの    五種
場所に関係なきもの     八種
 西西
 
前日中に経験したるものの夢                十二種
二日前ないし一月前に経験したるものの夢          十八種
一月前ないし一年前もしくは十年前に経験したるものの夢  二十七種
平常思想中に存せしもの、および想像上に存せしものの夢  二十五種
想像上に存せず経験上に現ぜざりしものの夢         十一種
 
 
イロハニホの五種の事実の図
 
 
 ()()
塵事堆中日月移  秋来未有一篇詩
却思去歳○○○  載酒孤舟棹月時
(塵事堆中日月移る     秋きたりいまだ一編の詩あらず
 かえって思う去歳○○○  酒を載せて孤舟月にさおさすとき)
 
甲乙丙丁の思想の図
 便
 
 便便
 便便()()
 
 



 
 ()()()
 
(一)空間上の偶合(遠方)
(二)時間上の偶合(未来)
 ()()()()()()()
夢見るは雨と日和の二つなり変らぬ時に見るはまれなり
鳥の声すみてかるきは日和なりおもく濁るを雨気とそ知る
小便のしけきは日和のむ水の腹にたもつを雨と知るへし
のみやのきわめてしけくくうならは雨のあかりと雨気つくころ
香の火の何よりはやくたちぬるは雨のあかりと雨気つくころ
ね心のあしき夜ならは雨としれさてはぬす人ゆたんはしすな
 俗に寒割ととなうるものありて、寒中三十日間の天気を見て、一年中の晴雨、豊凶を前定するなり。また、俗に雪は豊年の兆しなりと伝う。また、からすはその年の風水を知り、巣を樹木の高き枝に作るときは洪水あるの兆しとし、低き枝に作るときは大風あるの兆しとすという。
商家秘録しょうかひろく』中に、
四月三日、五月五日の天気よしあしをもって年の豊凶を知れ
柳の栄ゆる年は米よく熟す
 また、一首の歌に、
蛍火の少なき年は秋の田の刈穂も実のりよしと知るへし
 ()()
 ()()()()()()()()()()()()※(「登+おおざと」、第3水準1-92-80)()()()()()()()()()()()()()()西()()
 西()()()()
 ()()()()()()()()()()()()()()()()
 
 ()()()()()()
水生木  木生火  火生土  土生金  金生水
水剋火  火剋金  金剋木  木剋土  土剋水
 ()()()
 
 ()()()()()()()()()()()()()()()()
一白いっぱく  二黒じこく  三碧さんぺき  四緑しろく  五黄ごおう  六白ろっぱく  七赤しちせき  八白はっぱく 九紫きゅうし
 これを時に配し、日に配し、月に配し、年に配し、五行、相生、相剋の理に考えて吉凶を判ずるなり。毎年、その年に当たる星あり。明治二十三年の星は二黒、二十四年は一白、二十五年は九紫等と次第して、本年すなわち二十五年に生まれたるものは、その星を紫と定むるなり。しかして、九星おのおのその性質を異にするをもって、人の生来の気風を推量するなり。例えば、
二黒の年に生まるる人は、そのなすところの事業によく功をあらわし人に用いらるる。ゆえに、その事業についてますます勉強なさば立身すべし。
()()()()
()()
 これ、九星によりて人の性質を憶定する秘訣ひけつにして、これを年に配するときは、
明治元年六白 二年五黄 三年四緑 四年三碧 五年二黒 六年一白 七年九紫 八年八白 九年七赤 十年六白 十一年五黄 十二年四緑 十三年三碧 十四年二黒 十五年一白 十六年九紫 十七年八白 十八年七赤 十九年六白 二十年五黄 二十一年四緑 二十二年三碧 二十三年二黒 二十四年一白 二十五年九紫 二十六年八白 二十七年七赤 二十八年六白 二十九年五黄 三十年四緑 三十一年三碧 三十二年二黒 三十三年一白
 この割合となるをもって、幾年前に生まれたる人も、これによりて推算すれば、その人の星を知ることを得べし。ある書に、古人の九星生性を算定して、左のごとく示したるものあり。
神武天皇  一白  釈迦如来  五黄  応神天皇  九紫  仁徳天皇  三碧
聖徳太子  六白  弘法大師  二黒  菅原道真  三碧  円光大師  八白
親鸞聖人  八白  日蓮上人  五黄  一休和尚  三碧  役行者   八白
平清盛   八白  源頼朝   六白  源義経   四緑  弁慶    三碧
足利尊氏  二黒  平信長   七赤  秀吉    五黄  光秀    四緑
家康    八白  家光    九紫
 ()()
 
 方位凶殺の悪方を免れんとするときは、年月日時のその人の星に相生するの、吉星の巡る方の神仏の地より砂を取りきたり、その宅の殺方へまくべし。もし堂宮の吉方になきときは、清き所の水をくみて凶方へまくべし。必ず災いを免るること疑いなし。
 
 
 ()()()()()()()()()()()()()()
 西西西()()()
 ()()
 ()()
 






 





  6
   200113651
 
   1891241225189225125551585951510525




2013130

http://www.aozora.gr.jp/




●表記について


●図書カード