「鐡集」

堀辰雄




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 殿





「鐡集」の詩人は齒をくひしばつて目のあたりに煤だらけの山を睨んでゐる。
 しかし、かう云ふ好戰的な詩はこの詩人にとつて或はこの集をもつて最後のものとなるかも知れぬ。
 僕はこの詩人が若し數年後にふたたび詩集を出すやうなことがあつたら、それは遠くにかがよふ雪の山のやうに沈痛な感じのするものになるのではないかと思つてゐる。






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   195126615
tatsuki

20101115

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