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加宮貴一君、﹁光明の文学の序曲﹂を拝見しました。君が中村武羅夫氏に対して云つてをられることは、当然、僕としても何とか云はなければならないことらしいが、君と僕とは、所謂﹁明るい文学﹂を提唱する動機も違ふやうだから、当分口は出さないことにします。
中村氏にも、そこを混同されないやうにお願ひして置く。︵岸田︶
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ただ、僕は僕として、中村氏にこれだけのことは云つて置きたい。僕が求めてゐるのは﹁明るい人生﹂ではない。﹁明るい文学﹂なのだ。その﹁明るさ﹂は、あなたがたの云ふ﹁人生﹂の何処にもある筈はない。それはただ、﹁あるがままの人生﹂を盲信しない人間の、少しばかり光つた眼の裡にあるのだ。︵岸田︶