俳句への道

高浜虚子




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おやをもり俳諧はいかいをもりもりたけ忌  虚子きょし






もりたけ(荒木田あらきだ守武)
室町末期の俳人・連歌師 天文十八年八月八日没




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昭和二十九年十月二日
鎌倉草庵そうあんにて
高浜虚子
[#改丁]






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 退退()()()()()()()
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 西西西西()()()()()()()()()()()()()()()()()()西()()()()
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露の世に          Dans un monde de ros※(アキュートアクセント付きE小文字)e
ぼたんの花の下で       Sous la fleur de pivoine
お目にかかったひと時(意訳) rencontre d'un instant.
ポール・ルイ・クウシュウ   Paul Louis Couchoud
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 ()西()
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 西西西()()西
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(『玉藻』、二九、九)
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 調





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宿   




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 宿宿
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 姿()()()()






 この頃『俳句とはどんなものか』『俳句の作りよう』をあわせて一冊として重版するという事になって、それを校正しながら読んで見た。その二冊の外に「俳諧談」ととなえる小篇も添附てんぷされているのであるが、その「俳諧談」の中にこういう意味の事がいってある。
俳句を知らんと欲すれば俳諧以外の文学を知らねばならぬ、俳諧以外の文学を知る事によって俳句の性質が明らかになって来る。
稿
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文壇の表面には立たない
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俳句になっていない
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俳句の範囲内での新しい仕事
 俳句の範囲内で新しい仕事をしようと思えば出来んことはない。労働問題を取上とりあげることのみが新しい俳句ではない。

新しい言葉に陶酔する
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やわらか味
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自然と共に自由
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その人の現れ
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いい作家でなくては俳句論をする資格はない
 

もののあわれ 一
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 西調
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もののあわれ 二
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寡黙の力
 
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俳句を侮る俳人
 
 西調()()()()()()()()調()調
 
 ()鹿
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選句について
 
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花鳥諷詠
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客観写生
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諸法実相
 

古壺新酒
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深は新なり
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客観写生(又)
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写生文
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ただ俳句を研究せよ
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健康なる俳句を作れ
 
 


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 便
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乙州おとくに東武行
梅若菜まりこの宿しゅくのとろゝじる   芭蕉

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狂句こがらしの身は竹斎ちくさいに似たるかな   芭蕉

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とびの羽もかいつくろひぬ初しぐれ   去来きょらい

   

 
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市中いちなかは物のにほひや夏の月   凡兆ぼんちょう

あつし/\と門/\かどかどの声   芭蕉


「暑い夏の夜市中を通っておるとむくむくと物のにおいが鼻をく、肴屋さかなや果物屋くだものやも酢屋もまたごみための匂いも交って鼻を衝く。空にはうん気につつまれた夏の月が出ております。」
と凡兆が言うと、
「本当にそうだ。あれ御覧。門ごとに人が出ていて、暑い晩だと口々に言っているではないか。」
と声に応じて芭蕉が答えたのであった。これもその景色に同感し合って互に心の挨拶を交したのである。

灰汁桶あくおけしずくやみけりきり/″\す   凡兆

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乙州東武行
梅若菜まりこの宿のとろゝ汁   芭蕉

   

()宿
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 稿






 
 
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 私は昭和十一年『句日記』の冊子を出版する時にこういう序を書いた。
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 私はこの間札幌で簡単なお話をした時分に、
俳句は私の生活の波のその上に立つあわの如きものである。

 



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しかも風雅におけるもの造化にしたがひて四時を友とす。見る処花にあらずといふ事なし。おもふ所月にあらずといふ事なし。
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宿
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 ()調()調
 沿
 宿()宿()()
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花鳥諷詠真骨頂しんこっちょう

       
 


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(『玉藻』、二九、一一)





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 ()()綿
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 穿()()()()()()
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狂句こがらしの身は竹斎に似たるかな   芭蕉
たそやとばしる笠の山茶花さざんか   野水
有明ありあけ主水もんどに酒屋つくらせて   荷兮かけい
かしらのをふるふ赤馬   重五じゅうご
朝鮮のほそりすゝきのにほひなき   杜国とこく
日のちり/″\に野にを刈る   正平
わがいほはさぎにやどかすあたりにて   野水
髪はやすまをしのぶ身のほど   芭蕉
いつはりのつらしと乳をしぼりすて   重五
きえぬ卒都婆そとばにすご/\となく   荷兮
影法かげぼうのあかつきさむく火をたきて   芭蕉
あるじは貧にたえしから家   杜国
田中なるこまんがおつころ   荷兮
にふねひく人はちんばか   野水
たそがれを横にながむるほそし   杜国
となりさかしき町にる   重五
二の尼に近衛このえのさかりきく   野水
はむぐらにとばかり鼻かむ   芭蕉
のり物にすだれ透く顔おぼろなる   重五
いまぞうらみの矢をはなつ声   荷兮
ぬす人の形見の松の吹折ふきおれて   芭蕉
しばし宗祇の名を付けし水   杜国
笠ぬぎて無理にもぬるゝ北時雨   荷兮
冬かれわけてひとり唐苣とうちさ   野水
しら/\と砕けしは人の骨か何   杜国
烏賊いかはゑびすの国のうらかた   重五
あはれさのなぞにもとけし郭公ほととぎす   野水
秋水一斗もりつくす夜ぞ   芭蕉
日東じっとう李白りはくが坊にを見て   重五
きん木槿むくげをはさむ琵琶打びわうち  荷兮
うしの跡とぶらふ草の夕ぐれに   芭蕉
このしろうおをいたゞき  杜国
わがいのりあけがたの星はらむべく   荷兮
けふはいもとのまゆかきにゆき   野水
あやひとへ居湯おりゆに志賀のこして   杜国

廊下はのかげつたふなり   重五


木のもとに汁もなますかな   翁
西日のどかによき天気なり   珍碩ちんせき
旅人のしらみかき行くくれて   曲水
はきも習はぬ太刀たちひきはだ[#「革+背」、150-8]   翁
まちて仮の内裏だいり司召つかさめし   碩
もみうすつくるそまがはやわざ   水
鞍置くらおける三歳ごまの来て   翁
名はさま/″\に降替ふりかわる雨   碩
入込いりこみ諏訪すわ涌湯いでゆゆうぐれ   水
中にもせいの高き山伏やまぶし   翁
いふ事を唯一方へ落しけり   碩
ほそき筋より恋つのりつゝ   水
物おもふ身にものへとせつかれて   翁
見る顔のそでおもき露   碩
秋風の船をこはがる波の音   水
かりゆくかたや白子しろこ若松   翁
千部読むさかり一身田いっしんでん   碩
巡礼死ぬる道のかげろふ   水
何よりもうつつぞあはれなる   翁
ふみかくほどの力さへなき   碩
うすものに日をいとはるゝおんかたち   水
熊野みたきと泣給なきたまひけり   翁
手束弓たづかゆみ紀の関守せきもりかたくなに   碩
酒ではげたるあたまなるらん   水
双六すごろくの目をのぞくまでくれかゝり   翁
仮の持仏じぶつにむかふ念仏   碩
中/\なかなか土間どまにすわればのみもなし   水
我名は里のなぶりものなり   翁
にくまれていらぬきもいり   碩
月夜/\に明渡る   水
花薄はなすすきあまりまねけばうらがれて   翁
唯四方なる草庵そうあん   碩
一貫の銭むつかしと返しけり   水
医者のくすりは飲まぬ分別ふんべつ   翁
咲けば芳野よしのあたりをかけまわり   水

あぶにさゝるゝ春の山中   碩


市中いちなかは物のにほひや夏の月   凡兆ぼんちょう
あつし/\と門/\かどかどの声   芭蕉
二番ぐさ取りも果さず穂にいでて  去来きょらい
灰うちたゝくうるめ一枚  兆
此筋このすじかねも見しらず不自由さよ   蕉
たゞとひやうしに長き脇指わきざし  来
草村にこはがる夕まぐれ   兆
ふきの芽とりに行燈あんどゆりけす   蕉
道心のおこりはのつぼむ時   来
能登のと七尾ななおすみうき   兆
うおの骨しはぶるまでおいを見て   蕉
待人まちびといれ小御門こみかどかぎ   来
たちかゝり屏風びょうぶを倒す女子共おなごども   兆
湯殿ゆどのは竹の簀子すのこわびしき   蕉
茴香ういきょうの実を吹落ふきおと夕嵐ゆうあらし   来
やゝさむく寺にかへるか   兆
さるひきの猿と世を秋の月   蕉
年に一斗の地子じしはかる也   来
五六本生木なまきつけたるみずたまり   兆
足袋たびふみよごす黒ぼこの道   蕉
追たてゝ早き御馬の刀持かたなもち   来
でつちがになふ水こぼしたり   兆
戸障子としょうじもむしろがこひの売屋敷   蕉
てんじやうまもりいつか色づく   来
こそ/\と草鞋わらじを作る夜ざし   兆
蚤をふるひにおき初秋   蕉
そのまゝにころびおちたる舛落ますおとし   来
ゆがみてふたのあはぬ半櫃はんびつ   兆
草庵にしばらく居ては打やぶり   蕉
いのちうれしき撰集せんじゅうのさた   来
さま/″\に品かはりたる恋をして   兆
浮世のはては皆小町なり   蕉
なにゆえかゆすゝるにも涙ぐみ   来
御留主おるすとなれば広き板敷いたじき   兆
手のひらに虱はするのかげ   蕉
かすみうごかぬ昼のねむたさ   来
とびの羽もかいつくろひぬ初しぐれ   去来
一ふき風の木の葉しづまる   芭蕉
股引ももひきの朝からぬるゝ川こえて   凡兆
たぬきをおどす篠張しのはりの弓   史邦ふみくに
まいら戸につた這ひかゝる宵の   蕉
人にもくれず名物のなし   来
かきなぐる墨絵おかしくくれて   邦
はきごゝろよきめりやすの足袋   兆
何事も無言の内はしづかなり   来
里見えそめうまの貝吹く   蕉
ほつれたる去年こぞねござのしたゝるく   兆
芙蓉ふようのはなのはら/\とちる   邦
吸物すいもの出来でかされし水前寺   蕉
三里あまりの道かゝへける   来
この廬同ろどうが男なりにて   邦
さしきつきたる月の朧夜おぼろよ   兆
こけながらに並ぶる手水鉢ちょうずばち   蕉
ひとりなおり今朝けさの腹たち   来
いちどきに二日の物もくうて置き   兆
げにさむき島の北風   邦
火ともしにくるれば登る峰の寺   来
ほとゝぎす鳴仕舞なきしまいたり   蕉
痩骨やせぼねのまだ起直おきなおる力なき   邦
隣をかりて車引きこむ   兆
うき人を枳殻垣きこくがきよりくゞらせん   蕉
いまや別れの刀さし出す   来
せはしげにくしでかしらをかきちらし   兆
おもひ切つたるしにぐるひ見よ   邦
青天に有明月の朝ぼらけ   来
湖水の比良ひらのはつ霜   蕉
しばの戸や蕎麦そばぬすまれて歌をよむ   邦
ぬのこ着習ふ風の夕ぐれ   兆
押合おしおうてはまた立つかりまくら   蕉
たゝらの雲のまだ赤き空   来
一構ひとかまえしりがいつくる窓のはな   兆

枇杷びわの古葉に木の芽もえたつ   邦


乙州東武行
若菜まりこの宿のとろゝ汁   芭蕉
かさあたらしき春の曙   乙州おとくに
雲雀ひばりなく小田おだに土持つころなれや   珍碩
しとぎ祝ふて下されにけり   素男
片隅かたすみに虫歯かゝえて暮の   州
二階の客はたゝれたるあき   蕉
放ちやるうづらの跡は見えもせず   男
の葉延びの力なきかぜ   碩
ほつしんのはじめにこゆる鈴鹿山すずかやま   蕉
内蔵頭くらのかみかとよぶ声はたれ   州
の刻の箕手みのてに並ぶ小西方こにしがた   碩
すみきる松のしづかなりけり   男
はぎふだすゝきの札によみなして   州
すずめかたよる百舌鳥もずの一声   智月ちげつ
ふところに手をあたゝむる秋の月   凡兆
しおさだまらぬ外の海づら   州
やりたちすがりたるのくれ   去来
灰まきちらすからしなの跡   兆
春の日に仕舞ひてかへる経机きょうづくえ   正秀まさひで
店屋物てんやものくふ供の手がはり   来
汗ぬぐひ端のしるしの紺の糸   半残はんざん
わかれせはしき※(「奚+隹」、第3水準1-93-66)にわとりの下   士芳とほう
大胆におもひくづれぬ恋をして   残
身はぬれ紙の取所とりどころなき   芳
小刀の蛤刃はまぐりばなる細工ばこ   残
たなに火ともす大年おおどしの夜   園風
こゝもとはおもふ便たより須磨すまの浦   猿雖えんすい
むね打合せ着たるかたぎぬ   残
もかなめをくゝる破扇やれおうぎ   風
醤油しょうゆねさせてしばし月見る   雖
しわぶきの隣はちかき縁づたひ   芳
添へばそふほどこくめんな顔   風
形なき絵を習ひたる会津盆あいづぼん   嵐蘭らんらん
うす雪かゝる竹の割下駄わりげた   史邦
に又ことしのつれもさだまらず  野水
ひなたもとそむるはるかぜ   羽紅うこう

(二九、九 稿)







   199791161

   195530120

   195227691954299
   
   1952271
   
   1952272
   
   1952273
   
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   1952275
   
   1952277
   
   1952278
   
   1952279
   
   19522710
   
   19522711
   
   19522712
   
   1953281
   
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   1953285
   
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   1954291
   
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   19532811
   
   19532812
   
   1954291
   
   1954292
   
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   1954298
   
   1948237
   
   1948239
   
   1949247
   
   1949249
   
   19542910
   
   19542910
   
   19542910
   
   19542911


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2014227

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JIS X 0213



JIS X 0213-


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