猿の図

三好十郎




        1


 
 姿
 稿


 調    
 
 
 
 
 
 
 
 
  
 
  
 
 
 
 
 
 
 
 
  
 
 
 
 
 殿
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 姿
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 稿
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
  調
  
 
 
 
 
 
   
 
 稿 
(そこへツヤ子が、から手でもどって来る。薄田と大野がニヤニヤしているし、三芳がヘドモドしているので、入口に立ち止ってチョット三人を見ていてから、入って来る)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
(間――ションボリして椅子にかけている三芳。それをツヤ子が立ってだまって見ている。くめ八は相変らず行儀よく椅子の中央に坐っている)
 
 
 
 
 
 
   
 
 
 
 
   
 
     
 
   
 
 
 
 
 
  
   使
 
 
 
(そこへビールびんを四五本両手にさげた大野と薄田がもどって来る)
 
 
 
 
 
  
 
 
 
 
 
 
 
  
 
 
 
 使
 
  
 
 
 
 
    
 
 
 
 
  
    
  
    
    
  
 
  
 
   
  殿   
 
 
  使殿
姿
 
 調        
     
(間。……その静けさの中に、だしぬけに、遠くから空襲警報のサイレンが鳴りひびいてくる)
  
 
 
 
 調西西西

 
      
 


姿


        2


 
 調
 


     
 
 
 
 
  
 
 
 調
 使  
 
  
 使
  
 
 
   
 
 便
 
     
  
    
  
 
  
 
  
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
     
 
 
 
 
  
 
  
 
 
 
   
 
  
 
 
 
 
 
 
 
  
 
 
  
  
 
 
 
 
 
  
 使
 
 簿
  
 
  
 使 
 
   
 
 
 
 
 
 
  
  
  
 
  
 
 
  
 
 
  使
 
 使
  
 
 
 
  
 
  
 
  
 
 
  
 
 
 
 
 
 
 
 
 
  
 
 
  
 
 
   
 
 
 
 
  
 
 
 

三芳 ……どうしたの?
久子 来たのよ、あんた!
三芳 え? 誰が?
久子 「群民新聞」の記者! 例のそら、ホラサ、こないだ、あなたが講演[#「講演」は底本では「講満」]したでしょう――あの事で記事にしたいから、チョットお目にかかりたい。つまり、インタアヴューよ!
大野 へえ、そりゃ――
(言っているところへ二人の新聞記者が入って来る。一人はカメラをさげている)
 
 
 
 
 
 
  
 
  
  
  
  
   稿
 姿
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
  調便
 
 
 
 
 
 
  
 
       調    
(その時、写真班の記者がパンとマグネシウムをたく)
 
 
 
 
 
 
   退
(ツヤ子の嘔吐の声とトンコのほえ声とを伴奏として、三芳の熱弁はつづく)

(幕)






 
   1968439301

   1947229

 
200915

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