プレスの操作に手工業を加味

――豐田常務の苦心談――

豊田喜一郎




 乘用車を製作するに當つて最も苦心を要するのはボデーのプレスの問題である。自動車製造工業は最近政府の製造事業法の制定を見る等漸次政策的には確立を見つゝあるのであるが、技術的にはまだまだ萠芽期を出でない。然るにも拘らず自動車の需要は産業上、國防上相當程度の大量生産を要求してゐるのであるから、ボデーの製作には何うしてもプレスを用ゐねばならぬし、又國産車のコストを低下せしめる爲にも之を必要とするのである。要するに搖籃期の技術を以て國策上の要求を如何にして充足するかといふ點に製作者としては重大な考慮を要さねばならぬのであるがプレスの問題を中心に、右問題の解決に關し、常務豐田喜一郎氏は初夏のさる日左の如き興味ある談話をなした。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
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sogo

201538

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