雪国の春

柳田国男







 調
 
 穿()()
 
(昭和三年一月)
[#改丁]






 ()()()()()()
 ()()湿()
 調()()()()()()()()()調()()()()



 西
 ()()()()()()
 ()()()鹿西穿()()姿
 宿()()()()()()()()()()()()()()()()()()西()()



 ()()()()()()姿退
 
丹波たんば雪国つもらぬさきに
つれておでやれうす雪に
()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()宿
 谿()
黄昏たそがれや又ひとり行く雪の人
()()()()()()()()()()()
 ()()()()()()()()()()()()()()()宿()()()()



 ()使()()姿()
 ()()姿()()()()()調()



 ()()()()()()西便
 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()
 調()()()()
 調調西()()()



 ()()()()()()()()()西()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()
 ()()()()()()鹿()()()()
 姿()()()()
 ()()
 ()()()
(大正十五年一月「婦人の友」)[#「(大正十五年一月「婦人の友」)」は底本では「(大正十四年一月「婦人の友」)」]
[#改ページ]






 ()()()()()()()()歿
 ()()()姿()()



()
 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()西()()()()()()
 ()()()()()()()()



 ()()()()鹿()()()()()()()()
 



 ()()()()()()()
天に花さけ地にみのれ
福は内へ鬼は外へ
()()()()()()()()
 ()()()()鹿姿()()()()



 ()()()()
 ()()()()()()()()()()()()便
 便()()()
 ()()()()()()()()



 ()()()()()()()()()()()()()()()
 ()()()()()()()
此屋の四方のます鏡
いのれば神もいわいとどまる

春の初めにかせぎとりが参りた
西()()()()※(「木+八」、第3水準1-85-47)
正月のごいわいに
松の葉を手に取り持ちて、祝うなるものかな
これは誰がほうたんだ
えもとさえもがほうたんだ
一本植えればせんぼになる
かいとの早稲の種かな、ほい/\




 ()()()()()()()()沿宿()()()
豆のかわほんが/\
銭も金も飛んでこい
福の神も飛んでこい
 ()()
春の始めにそとめが参った
()()
朝鳥はより、夕鳥はより
長老どのゝかくちは
鳥は一羽も居ないかくちだは、より/\
 西()()()鹿()



 宿稿()()()
 鹿鹿()()鹿鹿鹿



 ()()
 ()()姿



()()()
 ()()()
 宿()()()()()
()()()()()()()()
 ()()
朝日さすこうかの山の柴かぢり耳が長くてをかしかりけり
 これを聴いて兎の返歌、
やぶ下のちり/\河のごみかぶり尻がよぢれてをかしかりけり
 
(昭和三年一月十六日記)[#「(昭和三年一月十六日記)」は底本では「(昭和三年一月十六日)」]
[#改ページ]






 調
 
 ()()
 ()沿
 
 
 



 
 退()()()()()()()()()
 ()()
 
 使



 
 ()()()
 ()
 
 ()()



 
 
 ()
 ()()()綿()綿



()()
 
 
 ()()
 
 



 
 ()()
 
 別を人の言ひ出せば泣く        里圃
こたつの火いけて勝手を静まらせ     馬※(「くさかんむり/見」、第3水準1-90-89)
 一石踏みしからうすの米        沾圃

 便使
 ()
 ()()便



 ()
 西使()()()()()()使
 
 



 
 殿
 ()()殿()
 ()()
むこが来てにつともせず物語り
()()()()
 



 便()()使()()便
 
 ()()



 ()()()()()()()()()()()()
 ()()() dear 
 ()()



 ()()()
 ()()
 西



 ()()
 
 穿()()
 
(昭和二年二月「東京朝日新聞」)
[#改ページ]






 
 ()()調
 



 ()()()()寿()
 



 調()()
 
 鹿()()()()()()()調
 



 ()()調
(昭和二年六月「週刊朝日」)
[#改ページ]






 宿
 ()()()
 



 姿()西()()()()()()
 
 



 
 ()()()()()調
 ()()西()()



 ()()()()()()()()
 ()()()()西()()()()()
 ()()調()



 
 西沿宿
 ()()()()()()()()沿鹿姿便()()



 ()()()()()()()
 ()()()()()姿
 ()()西()()()()()()()


※(「王+攵」、第3水準1-87-88)


 ※(「王+攵」、第3水準1-87-88)()()()()()()()()()()()()()()()沿
 ()()()()()()
 ()()()()()()姿()


椿


 鹿()()()()()()()()
 ()()()()()()
 ()()()
 椿()椿()()()()椿椿椿椿()()()()()()()()椿()()椿



 ()
 ()()()()()
 ()()
 



 ()()()()
 調
 ()()()()西()
 ()()()()()()()
(大正十五年六月「太陽」)
[#改ページ]
豆手帖の旅の地図
[#改ページ]





 調
 使()()
 ()()()()
 ()()使
 ()()()()



 ()()
 婿
 
 ()()()()()()()()()
 ()



 
 
 ()()()()()宿
 ()()()()()()鹿()()()()()()()
 



 ()()使()()
 ()()便()使
 ()()()()()()()()覿()()
 ()()()()()()()()





鹿()
使()()使
()()()



()婿



()()()()鹿



 宿
 ()西
 ()()
 ()姿()()()()
 ()()
 ()



 
 宿
 ()()()
 便()()
 ()()調
 西



 ()()()()()()()()()()()()()()()
 ()()()()()()()
 ()()()()()()
竈神之由来
 ()()()()



 ()()使
 ()()()()
 ()()使()()
 ()()()()()()()()()
 ()()()()
 ()()()
 ()()()()
 ()()()()()()()



 宿()()()
 ()()()()
 ()
 
 ()便
 綿()()



 ()禿()()()宿
 ()()()()()()()()()()()便
 西沿()()
 ()()()
 ()()



 ()()()
 ()()
 
 ()()()()()()()
 ()
 ()()()西()()()()
 西
 沿()()()()



 宿
 ()()()()使
 ()()()()()()()()
 ()()()
()()()
  Initiation()()()()()()()()()()()()
 





 ()
 ()()()()
 ()()()姿()()()()()()()
 ()()()
 ()()
 



 ()()()()()()()()()
 ()()便()()()()()()()()
 ()()※(「厂+萬」、第3水準1-14-84)()()()()()()()
 ()()()()()()
 ()()()()()()()()



 ()()()()
 ()()()()()()
 ()()()()()()()()姿()()
 ()()使()()()()()()
 ()()()()
 ()()()
 ()()()()姿使



 ()()()()()
 ()()()()()
 便()()()
 ()調
 ()()()()()()()()
 
 ()()()()



 ()()穿()()()()()
 綿綿綿穿()()()
 ()()()()()
 ()()
 
 
 



 ()()()宿西()()()()()()()()
 ()()()
 
 
 ()()
 退
 ()()()
 鹿宿宿()()()()()()
(大正九年八月・九月「東京朝日新聞」)
[#改ページ]






 宿
 ()()()
 ()
 
 ()()()()
 
 



 
 
 ()()()()()()
 



 宿
 



 宿



 
 鹿
 
 
 退



 
 
 
なにヤとやーれ
なにヤとなされのう
 
 調
 ()()()()
はアどしよぞいな
といってみても、
あア何でもせい
調



 
 
(大正十五年九月「文藝春秋」)




 便()()()宿
 西()()
 西()()()西()()()()姿
 西
 ()()()()()鹿鹿
 ()()()()寿()()()()()()寿姿西()()
 ()()()()姿便
 ()()
 
(大正七年五月「同人」)[#「(大正七年五月「同人」)」はママ]
[#改ページ]


鹿




宿


 ()()()()()
 ()()()()()
 鹿鹿
 
男鹿半島遊跡の地図
 鹿
 鹿
 
 鹿
 鹿
 退



 鹿鹿()()
 姿
 ()()鹿
 西鹿
 鹿()()
 西鹿
 鹿



 鹿鹿
 椿()()()西鹿
 
 ()鹿
 鹿
 ()()鹿()鹿鹿鹿鹿



 
 鹿
 鹿
 鹿()
 
 鹿
 鹿



 鹿調
 
 姿
 鹿
 ()()殿
 
 鹿



 鹿鹿
 鹿
 ()()
 ()鹿姿
 
 西
 鹿()鹿



 鹿鹿鹿沿
 姿
 
 鹿寿()()
 鹿()姿
 鹿※(「けものへん+臈のつくり」、第3水準1-87-81)


椿


 鹿椿鹿
 椿退
 椿
 ()()()()()椿椿椿
 椿()()椿


鹿


 椿鹿
 鹿鹿鹿椿
鹿鹿鹿
 鹿鹿()
 鹿鹿鹿
 鹿鹿
 鹿鹿
 鹿



 鹿
 鹿
 ()()()()沿()()
 
 鹿鹿



 鹿
 ()
 殿鹿
 
 姿
 調



 鹿鹿
 ()
 鹿()()
 ()()
 鹿



 鹿
 ()()
 調鹿
 
 鹿()



 鹿
 
 鹿鹿
 
 便
 鹿
(昭和二年六月「東京朝日新聞 秋田版」)
[#改ページ]









 ()西
 ()()
 ()()



 ()()()()()()
 

 
 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()
 ()()



『義経記』の今ある本は、始めから読み本であった。盲でなくとも一人の語り手が、これを管轄するには余りに込みいっている。しかもその部分について見ると、たとえば石山寺の紫式部のように、ある才人が紙を伸べ筆を捻って書き出したものとは、いかにしても考えられない。しからばこれもまた一種の結集であって、誰かが物好きにまたは辛苦をして、これを中央へは持ち寄ってきたのである。京都大番の組織が改まって、おいおいに上ってくる国々の武人団が、仮屋を構えてともに住むこととなってから、地方風俗の都の生活を動かしたものは、ひとり二、三の歌や語り物のみでなかったが、ことに徒然つれづれなる旅宿の伴侶はんりょとして、遠い国元から取り寄せる品としては、これほど手軽なものはまず他にはなかったので、いわゆる座頭の京登りのごときも、本人にはまた別途の目的があったにしても、少なくともこれが最初の手引きにはなったのである。
 地方には盲人の数が、今よりは遥かに多く、その生存の便宜の得にくかったことも、また後世の比ではなかったらしい。そうして金をためていわゆる京登りをするという習慣も、また決して江戸時代以後に始まったことでなかった。備後の神石じんせき郡の古風の田植唄には、
おん坊は上るなァら
びや箱なんぞは置いて行け
あとでつるりやつんつるりや
弾いてなり慰まう
()()()()()()便
 ()()()()()()宿()()()()西()()()()()()()()()
 ()()使鹿()()()()
 



 
 ()()
 ()()()()()()()()()()()()()
 
 ()()



 姿()()()()()沿()()()便
 西()()
 殿
 



 ()()
 
 







()()()()()()()
 姿()()()()()()()()
 西()()()()()
 
無し無しといふはいつはり来て見れば有ればこそあれ元の姿で
無し無しといふもことわり我姿あるこそ無きのはじめ也けり
こんなおかしな禅問答の歌までが、よくは解らぬために疑いの種にかぞえられたらしい。また福仙という鏡磨きが時々このお寺の近くにきた。それを見て和尚がある時、あいつは義経公の旗持ちであったといった。それを聞いて福仙も負けぬ気になり、和尚さまこそ常陸坊海尊なのだといったとかで、すっかり土地の人が信じてしまうことになったのである。近くはまた天明年中にも、上州伊香保の木樵で下駄灸というまじないをしていた親爺が、やはり義経の旗指しであって、海尊からこの名灸の伝授を受けたために、長命しているように評判された。いずれも本人はたいてい白状せず、世間がだんだんにそうしてしまうのには、何かいわくのあったことらしいのである。つまりは早くから常陸坊は高館で死なず、そうしてまだ生きているという風説がなかったら、とうていつぎつぎにこんなでき事も起こらず、一方にはまたいつまでもこの種のでき事が続くために、どうでもこの人を生かしておかぬと、昔話が成立たぬから困るというような事情が、古い昔からつい近年まで、どこかの隅に隠れてあったのではないかと思われるのである。



 ()()
 
 ()()()殿
 ()
 



 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()退()()()
 ()()



 ()()
 ()()()
 駿
 ()



 穿()()寿
()()
 ()()()()()()()()()()()()()()寿寿
 ()()()()
 ()()()()()()()()()()()



 ()()()()西調
 ()()寿西()()()()()()
 ()()()()()使使
 ()()()()()()()()()
 



 ()()
 寿()()()()
 ()鹿
 姿寿



 ()()
 調
 
 ()()()
 西()()
 ()()調



 
 
 
 
 
 退()()()()()()()()()()()



 ()
 便
 
 
 
 ()()
 ()()()※(「藹」の「言」に代えて「月」、第3水準1-91-26)西








   195631730
   2011231125

   19283210
    
   19261511
   
   19283210
   
   192722
    
   19272615
    
   192615615
   
   19209815922
    
   192615101
    
   1918761
   鹿 
   192726
    
   192615101111
5-86

194015320194116655
Nana ohbe

2014827

http://www.aozora.gr.jp/







 W3C  XHTML1.1 



JIS X 0213



●図書カード