測量船

三好達治

















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※(「車+隣のつくり」、第3水準1-92-48)()

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鹿












蜥蜴。――どの石の上にのぼつてみても、まだ私の腹は冷めたい。
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 鹿()鹿椿
 
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 ()()××
 
 
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 ※(「敬/手」、第3水準1-84-92)()姿()窿()()()※(「火+(麈−鹿)」、第3水準1-87-40)
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 宿()()




 また時ありて山雨のわづかにたばしり去るを前庭のひろきに知りぬ。

楠天の葉うらも白き月夜かな






 

飴売りや風吹く秋の女竹



 




 そして私も、自らの微恙の篤からんことを怖れて、あわただしく故郷へ帰つた。そこにも同じ果実が熟してゐた。

海の藍柘榴日に日に割るるのみ

冬浅き軍鶏のけづめのよごれかな


 二三度母のお小言を聞いて、そして全く冬になつた。或は家居し、或は海辺をさ迷ひながら。

冬といふ壁にしづもる棕櫚の影

冬といふ日向に鶏の坐りけり


落葉やんで鶏の眼に海うつるらし
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 姿




 




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 おお、今こそ私は啼くであらう。

――啼け!



 

――ああ、ああ、ああ、ああ、



 






 ()U+7D9E45-5()
 






 ()沿

 姿()
 






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()()※(「需+頁」、第3水準1-94-6)

 谿※(「需+頁」、第3水準1-94-6)

 






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 西J'ai tu※(アキュートアクセント付きE小文字) 
  J'ai tu※(アキュートアクセント付きE小文字)  le temps 

 

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 穿

  J'ai tu※(アキュートアクセント付きE小文字) J'ai tu※(アキュートアクセント付きE小文字)  J'ai tu※(アキュートアクセント付きE小文字) 

      ()()
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 沿







 
 
  
 
 
 
 
 
 
 
 




鹿



 ()()()
 椿()()()沿便鹿
 ()()()()()姿谿

 
 
 
 

 

 ()

 
 
 
 

 






 
 
 沿()() 




MEMOIRE



 




Enfance finie



 椿









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僕は、さあ僕よ、僕は遠い旅に出ようね。
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 そして旅に出れば、知らない人ばかりを見、知らない海の音を聞くだらう。そしてもう誰にも会はないだらう。
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西


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 沿()()

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   宿 

  宿






 
 穿

 
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 ()()() 使西






 ()()使()()()姿()()()()  ()   ()  漿






パンをつれて、愛犬のパンザをつれて
私は曇り日の海へ行く

パン、脚の短い私のサンチョパンザよ
どうしたんだ、どうしてそんなにくさめをするんだ

パン、これが海だ
海がお前に楽しいか、それとも情けないのか

パン、海と私とはてゐるか
肖てゐると思ふなら、もう一度嚏をしてみろ

パンはあちらへ行つた、そして首をふつて嚏をした
木立の中の扶養院から、ラディオの喘息持ちのお談議が聞える

私は崖に立つて、候兵ものみのやうにぼんやりしてゐた
海、古い小さな海よ、人はお前に身を投げる、私はお前を眺めてゐる

追憶は帰つてくるか、雲と雲との間から
恐らくは万事休矣、かうして歌も種切れだ

汽船が滑つてゆく、汽船が流れてゆく
ともを見せて、それは私の帽子のやうだ

私は帽子をま深にする
さあ帰らう、パン

私のサンチョパンザよ、お前のその短い脚で、もつと貴族的に歩くのだ
さうだ首をあげて、さう尻尾もあげて

あわてものの蟹が、運河の水門から滑つて落ちた
その水音が気に入つた、――腹をたてるな、パン、あれが批評だよ






   199689101
   200416232
 
   1964391015
kompass

201511
2015820

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JIS X 0213



JIS X 0213-


「糸+垂」、U+7D9E    45-5


●図書カード