First updated 02/24/2003(ver.1-1) Last updated 04/19/2022(ver.3-1) 帚木︻凡例︼ 1．﹃源氏物語︵明融本︶�T﹄︵東海大学出版会　1990年6月︶に拠って漢字仮名字母翻字した。 2．漢字は漢字のまま翻字し、他の変体仮名字母と区別するために太字で表示した。 3．通行の平仮名の字母はそのまま平仮名で翻字した。 4．変体仮名はその字母で翻字した。 5．片仮名はそのまま片仮名で翻字した。 6．仮名や字母の崩し方が複数ある文字については、一般的な字形を基準にして、それより元の漢字に近い字形には﹁1﹂と付記し、また一般的な字形とも異なった別の崩し字形には﹁2﹂と付記した。 7．本行本文は普通字体で表示し、書入注記や付箋等は小字体で表示した。 8．行頭に同字が並ぶ場合、異なる字母字形は茶色、同じ字母字形が並ぶ場合は緑色で表示した。﹁はゝ木々﹂︵題箋︶﹁上冷泉殿為和卿御息明融　琴山︵印︶﹂︵見返貼紙︶　　飛かる源氏名の1みこと〳〵しう・い飛遣多れ給と可 0001︻名のみこと〳〵しう︼―＼<合点>　名ノミコト〳〵シウハヨキ事也 0002︻いひけたれ︼―＼<合点>　イヒケタレタルハワロキ也　　お1ほ可︵可＋1ンナル︶なる︵る＄2カ︶尓いとゝかゝる春きこ2とゝも1を春ゑの1 0003︻すきこと︼―＼<合点>　スキ〳〵シキ事也　　世尓もきゝ徒多へてかろ飛多る名をやな1可さむと 0004︻かろひたる︼―＼<合点>　カロ〳〵シキ也　　志の1ひ給个るかくろへことを佐へか多り徒多へ个ん 0005︻かくろへこと︼―＼<合点>　カクシ事也　　ひとのも1のいひ佐可な1さよ佐る者いとい堂く世を者ゝ　　か里満免多ち堂万ひ个るほとな1よひ︵ひ＝0ヒ︶可尓お1可しき 0006︻まめたち︼―＼<合点>　マコトタツ也 0007︻おかしき︼―＼<合点>　コレハ物ノヲカシキニハアラス面白クヨキ事ヲ云ホメタル心也　又口フヒタル所モアルヘシ　　こ2と者な1くてか多の1ゝ少将尓者わら者れ給个む 0008︻かたのゝ少将︼―＼<合点>　業平ヲ云ト云説アリ　心ヲ云説アリ　業平ノ中将カタノニトマリタル事アリ　是ヲ交野ノ少将ト云ヘシ　　かし・ま多中将な2と尓も1の1し多まひし時者内 0009︻また中将なとに︼―＼<合点>　十六　　尓の1み佐布らひよう志多万ひて大殿尓は﹂︵1オ・35�E︶ 0010︻さふらひ︼―＼<合点>　内リニ侍カヨキト云心也 0011︻よう︼―イヨキト也<左> 0012︻大殿︼―オホイトノ　　堂え〳〵万可て給しのふの1み多れやとう 0013︻しのふのみたれ︼―＼<合点> 　　多可ひきこゆる事も1あ里し可とさしも1 　　あ堂免き免な1れ多るうちつ1遣の1春き〳〵　　しさなとはこの1まし可らぬ御本上尓て 0014︻御本上︼―＼<合点>　モトノ心也　ムマレツキノ心　性　　万れ尓者あ那可ち尓ひき多可へ心つくしなる　　こ2と越御心尓お1ほしとゝむるくせなむあや 0015︻くせ︼―＼<合点>　人ノクセヲ云 0016︻あやにくにて︼―ワリナキ　　尓く尓1てさるましきおほむ布るまひも　　うちまし里个累・な可あ免者れまなき 0017︻なかあめ︼―＼<合点>　三日ニ過ル雨ヲハ長雨ト云　五月雨ノ事　　ころうち能御物いみさしつ1ゝきていとゝな﹂︵1ウ・35�I︶ 0018︻御物いみ︼―＼<合点>　ツヽシム日ヲ云　神鬼ノ名也　　可ゐさ布らひ給を大殿尓はお1ほつ可な2く　　うら免しくお1ほし堂れとよろつ1の1御よ 0019︻御よそひ︼―＼<合点>　御シヤウソクノ事也　　そひな2尓くれと免つ1らしき佐ま尓てうし 0020︻なにくれと︼―＼<合点>　ナニヤカヤト云詞也　　いて給つゝ御むすこの1きみ多ち堂ゝこの1 　　御との井とこ2ろの宮つ可へをつ1と免給宮者　　らの1中将者中尓し多しくな1れきこえ給て　　あそ2ひ多者ふれをも人よりハ心や春くな2れ〳〵　　しくふる万ひ堂り・右の1おとゝのい多者り 0021︻右のおとゝのいたはり︼―二条大臣四君　　かしつき給春み可はこの1きみも1いと物う﹂︵2オ・36�@︶ 0022︻すみか︼―＼<合点>　人ノメヲ云　　くして春き可満しきあ多人也佐と尓ても 0023︻あた人なり︼―＼<合点>　△△︵△△＃2︶　　我可多の1しつらひま者ゆくしてきみのい　　ていりし給尓うちつれきこえ給つゝよるひ累　　可くもんをもあそ2ひをも1ゝろとも1尓して　　お1さ〳〵堂ち越くれすいつ1く尓ても万つ1者 0024︻おさ〳〵︼―＼<合点>　ヤウヤクト云心也　又スコブルナト云心也　ヲサ〳〵シキト云アリケレハ心カハル也 0025︻まつはれ︼―＼<合点>　ナレムツブルヽヲ云　　れきこえ給本と尓をの1つ1可らかしこ万りも1え 0026︻かしこまり︼―インキンナラサル也　　を可す心のうち尓お1もふこ2と越も1可くしあへ須　　なむゝつ1れきこえ給遣る・つれ〳〵とふりくら　　して志免や可なるよひのあめ尓殿上尓も﹂︵2ウ・36�E︶　　お1さ〳〵人春く那尓御とのゐ所も1れいより者 0027︻御とのゐ所︼―桐壺也　　の1とや可なる心ち春る尓お1ほとな1ふらち可　　くて文ともなとみ多まふ︵＋0次ニ︶ち可きみつ1し 0028︻文︼―書　　なるいろ〳〵の1可みなる布ミとも1をひきいてゝ　　中将わ里那くゆ可し可れハさ里ぬへき春こ 0029︻さりぬへき︼―源氏　　しはみせ2む可多わ︵わ＝0ハ︶なるへきも1こそ2とゆるし 0030︻かたわなる︼―＼<合点>　ミクルシキヲ云　　給ハね者・そ2のうちと遣て可堂者らい多しとお1ほ 0031︻そのうちとけて︼―中将ノ詞 0032︻かたはらいたしと︼―真実ノヲ　　されむこそ2ゆ可し遣れをしなへ堂るお1ほ可　　多の1者可春那らねと本と〳〵尓つ1遣て可き可ハ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　しつゝも1﹂︵3オ・36�J︶　　み者へりなむをの1可しゝうら免しきお1り〳〵 0033︻をのかしゝ︼―＼<合点>　ヲノレカ心ザシ也　　万ち可本ならむゆふくれなとのこ2そ2・みところ者　　あら免とゑんすれ者やむこ2と那くせち尓可く 0034︻ゑんすれは︼―＼<合点>　ウラムル心也　　し給へきな1と者可やう尓お1ほそうなるみつ 0035︻おほそうなる︼―＼<合点>　ウチハナレタルタル也 0036︻みつし︼―△△△ノコト　　しなと尓うち越きちらし給へくも1あら春　　ふ可くとりをき給へ可免れハ︵＋1コレハ︶二の1まちの1心や 0037︻二のまち︼―＼<合点>　ニ　ツギト云心也　　春きなるへし可多者しつ1ゝみる尓可く　　佐ま〳〵なる物ともこそ2者へり遣れとてこゝろあ 0038︻こゝろあてに︼―ヲシアテ也　　て尓そ2れ可かれ可なとゝふな1可尓いひあつ1るも1﹂︵3ウ・37�A︶　　あ里もて者那れ堂るこ2と越も1思日よ勢て　　う多可ふも1越︵越＝0お1︶可しとお1ほ勢とこ2と春く那　　尓てと可く万きらはしつ1ゝとり可くし給つ1・そこ 0039︻そこにこそ︼―中将ヲ云　　尓こ2そ2お1ほくつ1とへ給ら免春こしみハや・さて　　なむこの1つ1しも1心き︵き＃1︶よくひらくへきとの　　給へはこ︵こ＝0御︶らむし所あらむこ2そ2可多く者へら免 0040︻こらむし所あらむこそ︼―中将詞　　なときこえ給つ1いて尓・女の1これ者しも1とな2ん 0041︻女のこれは︼―中将雨夜品定事<右>　第一段<左> 　　つく満しき者可堂くも1ある可那とやう〳〵な2む　　み給へしる・多ゝう者へ者可りの1な2さ遣尓て者﹂︵4オ・37�F︶ 0042︻はしりかき︼―＼<合点>　サウニ文カクヲ云　　し里可きお1里ふしの1いらへ心えてうちし 0043︻おりふしのいらへ︼―哥ヨムコト也　　なと者可りはすいふん尓よろしきも1お1ほ可り　　とみ給ふれとそ2も1万こ2と尓そ2能可多越とりいてむ　　えらひ尓可な2ら須もるましき者いと可多しや　　・我心え︵え＝0エ︶多るこ2とハ可り越ゝの1可しゝ心越や里て人　　をはお1とし免なと可多者らい多きこ2とお1ほ可り　　・お1やなと堂ちそ2ひも1てあ可免てお1ひさきこ 0044︻おやなと︼―玉カツラノ内侍ノカミ当此品︵玉カツラノ内侍ノカミ当此品＄3︶　不用 0045︻おひさきこもれるまとのうち︼―＼<合点>　草ナトノオヒ出タルハシメノヤウニ人ノイトケナキ時ヲ云　窓ノ内トハ親ノ家ニアル程ヲ云　生尖　　もれるまとのうちなる本とは堂ゝ可多可と越 0046︻まとのうちなるほと︼―＼<合点> 0047︻かたかと︼―＼<合点>　一ノカド也　　きゝつ1堂へて心越うこ可す事も1あ︵＋0ン︶免り可﹂︵4ウ・37�K︶　　多ちお1可しくうちお1ほときわ可や可尓てまき 0048︻おほとき︼―＼<合点>　大ヤウニ長楽ナル也 0049︻まきるゝことなき︼―カサラスアリノマヽナル也　　るゝこ2となき本と者可那き春万︵万＃1さ︶ひをも人まね 0050︻すさひ︼―ナヲサリ事也尓心をいるゝ事も1ある尓をの1つ可らひとつ1ゆへ 0051︻ゆへつけて︼―無用ナルコト也　　つ1遣てしいつ1ることも1あ里みる人をくれ堂　　る可多越者いひ可くしさてあ里ぬへき可多　　越はつ1くろひて万ね日い多春尓そ2れ志可　　あらしとそ2らにい可ゝ者をしハ可り思日くたさ 0052︻思ひくたさむ︼―＼<合点>　思ヒマヘル也　又心ニクタス也　　む万こ2と可とみもてゆく尓み越とりせ2ぬやう者　　な2くなむあるへきとう免き堂る遣しきも1﹂︵5オ・38�B︶ 0053︻うめきたる︼―＼<合点>　ウソブキタル心也　　者つ可し遣な2れハ・いとな2へて者あらねと我︵＋1モ︶お1ほし 0054︻いとなへては︼―源氏<右>　第二段<左> 　　あ者春るこ2とやあらむうち本お1︵お1＝0本︶ゑみてそ2能可多 0055︻かたかと︼―片廉　　可とも1なき人ハあらむやとの1給へ者いとさ者可 0056︻いとさはかりならむあたりには︼―中将　第三段　　りな2らむあ堂り尓者堂れ可ハ春可されより侍　　らむとる可多な2く具ち越︵越＝0お︶しきゝ者というな2 　　りとお1ほゆ者可りすくれ堂るとハ可春ひとし　　くこ2そ2ハへらめ人の1しな多可くむまれぬれハ　　人尓もて可しつ1可れて可くるゝ事お1ほくしねん　　尓そ2の1遣者ひこよな可るへし中の1しな2尓﹂︵5ウ・38�H︶ 0057︻中のしな︼―中品<次丁表﹁お﹂の右側> 　　な2む人の心〳〵をの1可しゝ能堂て多累お1も　　むきも1みえてわ可るへきこと可多〳〵お1ほ可る　　へき志も1のきさみといふき者尓なれハこと尓 0058︻しものきさみ︼―下品<左> 　　みゝ堂ゝす可志とていとくま那遣那る个し　　きなるも1ゆ可しくて・そ能しな2〳〵やい可に 0059︻そのしな〳〵やいかに︼―源氏　第四段　　いつ1れ越みつ1の1しな尓をきて可わくへき　　もとのしな多可くむまれな可ら身ハし　　つ1みくら井みし可くて人遣那き・又な越 0060︻なを人︼―＼<合点>　イタク上ラフニテモナキシナノ人也　　人の1かむ堂ち免なとまてまて︵まて＄2︶なりの本り我﹂︵6オ・38�L︶ 0061︻かむたちめなと︼―上達部殿上人也<左> 　　者可本尓ていゑのうち越可さり人尓お1とらしと　　お1もへるそ2の1遣ちめをはい可ゝわくへきとゝひ　　給本と尓・ひ多りのむ万の可み藤しきふの1せ 0062︻藤しきふのせう︼―藤式部丞　蔵人也　　う御物いみ尓こもらむとて万いれりよの春き　　もの尓てもの1よくいひと本︵本＝0を︶れる越中将ま 0063︻中将︼―頭　　ちとりてこの1しな2〳〵をわき万へさ多免あらそ2 　　ふいときゝ尓くき事お1ほ可り・な里の本れと 0064︻なりのほれとも︼―コレヨリ馬頭ノ詞　第一段　　も1もとよりさるへき春ち那らぬ者よ︵よ＝0世ノ︶人の1お1 　　もへる事も1さ者いへ登なをこ2と也・ま多︵ま多＝又︶本﹂︵6ウ・39�C︶ 0065︻さはいへと︼―世上ニヨシトハオモハネトモ官タカキナレハ申也<左> 0066︻本︼―性也　　者やむこ2と那き春ちな1れとよ尓ふる多つ1 0067︻たつき︼―＼<合点>　タヨリ也　　き春く那くときよ︵よ＝0世︶尓︵尓＄2︶うつ1ろひてお1ほえ 0068︻たつきすくなく︼―末摘花当此品　　おとろへぬれ者心は心としてこ2と堂ら須わろ　　ひ堂ることゝも1いてくるわさな2免れ者とり〳〵　　尓こ2と者りて中のしな尓そ2をくへき・春 0069︻す両︼―受領　リヤウ歟　領　　両といひて人の1く尓の事尓可ゝつらひいとな2 　　みてしな2さ多まり多る中こ︵こ＄2尓1︶も又︵又＄2︶きさみ〳〵　あ里てな可のしな1能遣しう者あらぬえりい 0070︻けしうはあらぬ︼―＼<合点>　ケスシクハアラヌ心也　　てつ1へきこ2ろほひ也・な2ま〳〵の可む多ち免﹂︵7オ・39�H︶ 0071︻なま〳〵のかむたちめよりも︼―ナミ〳〵也　ナマキンダチナトノヤウナル心也　空蝉夕顔当此品　　よりも1非参議の四位とものよのお1ほえくち越︵越＝0お︶ 0072︻参議︼―サンキ　　し可ら須も1との1ねさしいやし可らぬ︵ぬ＋1可︶や春ら 0073︻もとのねさし︼―＼<合点>　其人ノ本ノホンジヤウ也　　可尓身越もてな1し布る万ひ多るいと可はら可 0074︻かはらかなり︼―＼<合点>　サハヤカナル也　　な2りやいゑの1うち尓堂らぬ事なと者多な2可 0075︻いゑのうちにたらぬ事なと︼―明石上当此品　　めるまゝ尓者ふ可すま者ゆき万ても1て可しつ　　遣るむす免なとの1お1としめ可多くお1ひいつ1 　　るも1あま多あるへし・宮つ可へ尓いて多ちて　　思可个ぬさい者ひ︵ひ＝0ゐ︶とりいつ1る堂免しとも1 　　お1ほ可り可しなといへハ・すへて尓き者ゝしき﹂︵7ウ・39�M︶ 0076︻すへてにきはゝしき︼―源氏　第二段 0077︻にきはゝしき︼―＼<合点>　タノシキヲ云　　尓1よるへきな2︵＋1ん︶ゝりとてわらひ給を・こ2と人のい者む 0078︻こと人のいはむやうに︼―中将　　やう尓心えすお1ほせ2らると︵＋1て︶中将尓くむ・もと能 0079︻もとのしな時よのおほえ︼―馬頭　第三段　上ノ品女三宮当此品<右>　第八段︵第八段＄3︶<左> 　　し那時よのお1ほえうちあ日(日＝0ひ︶やむ事な1きあ　　堂りの1うち〳〵能もてなし个者ひをくれ　　堂らむ者さらにもい者須な尓越して可く 0080︻なにをして︼―無能ノコト也　　お1ひいて个むといふ可ひなくお1ほゆへし・う　　ちあひて春くれ堂らむもこ2と者里これこ　　そ2者︵者＄2︶さるへき事とお1ほえてめつら可なるこ　　とゝ心もおとろくまし・な尓可し可をよふへき﹂︵8オ・40�D︶　　本と那らねハ可み可ゝみ尓︵＋1うち︶をき侍ぬ・さてよ︵よ＝0世︶ 0081︻さてよにありと︼―下品也　　尓あ里と人尓しられす︵＋0さ︶ひしくあ者れ堂ら　　むゝくらの可と尓思の本可尓らう多遣ならむひ　　との1とちられ多らむこ2そ2可きり那く免つ1らし　　く者お1ほえめ・い可て者多可ゝり遣むとお1もふ　　より堂可へるこ2となむあやしく心とまる　　わさなる・ちゝの1としお1い物むつ可し遣尓1布　　とり春きせうとの可本尓く个尓思やりこと那 0082︻せうと︼―兄弟也　　る事な2きねやのうち尓いとい堂く思あ﹂︵8ウ・40�I︶　　可り者可那くしいて多るこ2とわさもゆへな可 0083︻ゆへなからす︼―ヨキ也　　らすみえ堂らむ可多可と尓てもい可ゝ思の本可　　尓お1可し可らさらむ春くれてき春那き可多　　の1えらひ尓こ2そ2をよはさら免さる可多尓て　　すて可多きものを者とて式部をみやれ者・わ可　　いもうとゝも能よろしきゝこえあるをおもひて　　の給尓やとや心うらむ物もい者す・いてや可みの 0084︻かみのしな︼―上々ノニモ上品ナキ也　　しな1とお1もしつ︵しつ＄2婦︶尓多尓可多遣なるよをときみ　　者お1ほすへし・志ろ支御そ2とも1の1なよ︵よ＋1ら<右>、よ<左>︶かな﹂︵9オ・41�@︶　　る尓なお1し者可り越しと遣な2くきなし給て　　ひもな1とも1そ2︵そ2＄1う︶ちすてゝそ2ひ布し多まへる　　御本可遣いと免て多く女尓てみ多てまつらま本 0085︻御ほかけ︼―＼<合点>　火ノ影也　　しこの1御堂め尓者可み可ゝみをえりいてゝも　　な越あくましくみえ給・さま〳〵の1人のうへと　　もを可多りあ者せつ1ゝ・お1ほ可多の1よ尓つ1遣て 0086︻おほかたのよに︼―第五段　　みる尓はと可なきもわ可ものとうち多のむへ　　き越えらむ︵む＝0ん︶にお1ほ可る中尓もえなむ思さ　　多むまし可り遣る・をのこの1お1ほや遣尓つ可う﹂︵9ウ・41�E︶　　まつり者可〳〵しき世の可多免となるへきも万こと　　のうつ者物とな累へき越とりい多さむニ者︵ニ者＝0に1ハ︶可多 0087︻うつは物︼―器也　　　可るへしかし・されと可しこ志とてもひとり布多　　りよの中を万つりこちしるへきな2らね者可み者　　しも1尓堂す遣られしも1者可み尓なひきて　　事日ろき尓ゆつろふらむせ者きいゑのうち　　のあるしとすへき人ひとり越思めくら春尓堂　　ら者てあし可るへき大事ともなむ可多〳〵　　お1ほ可る・とあれ者可ゝりあふさきるさ尓て﹂︵10オ・41�K︶ 0088︻あふさきるさにて︼―＼<合点>　アフサマクルサマ也　又トスルモカクスルモト云心モ有ヘシ　　なのめ尓さてもありぬへき人の1すく那き越 0089︻なのめに︼―十分ナラヌコト也　　すき〳〵しき心の1春さひ尓て人のあ里さま　　をあま多みあ者せむの1このみならねとひと　　へ尓思さ多むへきよるへと春者可り尓お1那し 0090︻よるへ︼―＼<合点>　ヨル所也　　くはわ可ち可らい里をしなお︵お＝0を︶しひきつくろふ　　へきところなく心尓可那布やう尓もやとえり　　そ2免つ1る人の1さ堂まり可多きなるへし・可な　　らすしもわ可お1もふ尓可な者ねとみそめつる　　ちきり者可り越春て可多くお1もひと万る人者物﹂︵10ウ・42�B︶　　まめや可なりとみえさて多も1堂るゝ女の1多免　　も心尓くし︵し＝0く︶をし者可らるゝ也・されとな尓可よ 0091︻なにかよの︼―ナニカシカト云也　　の1あ里さ万をみ給へあつむるまゝ尓心尓をよ　　者すいとゆ可しき事も1なしやきむ堂ちの可　　みな2支御えらひ尓者ましてい可者可りの1ひと可　　ハ堂ら︵ら＝0く︶ひ多ま者む︵む＋1所せく思日給へぬ尓多尓1︶可多ちき堂那遣な2くわ可　　や可なる本とのをの可志ゝ者ちりも1つ1可しと身越　　もて那し布ミ越可遣とお1ほと可尓こ2とえりを 0092︻ことえりをし︼―＼<合点>　文ヲカクニ詞ヲエラビテ書ヲ云　　し春みつ1き本の可尓心もと那く思者せつ1ゝ又﹂︵11オ・42�G︶　　さや可尓2もみてし可なと春へなくま多せわつ可 0093︻すへなく︼―＼<合点>　ヒンナキヲ云　　なるこゑきく者可りいひよれといきのし堂尓ひ　　きいれこ2とすく那なる可いとよくもてかくす也 0094︻もてかくす也︼―ツカロウ体也　　个りなよひ可尓女しとみれ者あまり那さ遣尓 0095︻女しとみれは︼―ヲンナ　源内侍当此品　　ひきこ免られてとりな1せ者あ多免くこれを者し 0096︻これをはしめのなん︼―第一ノナン也　　免のなんと春へし・こ2と可那可尓な1の免なるまし 0097︻ことかなかに︼―＼<合点>　コトナルカ中ニト云心也　　き人のうしろみの可多者物のあ者れし里春く　　し者可な2きついての1なさ遣あ里越︵越＝0お1︶可しき尓 0098︻をかしきに︼―善　　すゝめる可多なくても1よ可るへしとみえ多る尓・﹂︵11ウ・42�L︶ 0099︻よかるへし︼―セタイカタヨリミヘタル也　　又万め〳〵しきすち越堂てゝみゝ者さみ可ち尓1 0100︻まめ〳〵しき︼―直也 0101︻みゝはさみかち︼―カヒ〳〵シキスカタ　　ひさうなきいゑとうしのひとへ尓うちとけ多 0102︻ひさうなき︼―＼<合点>　ヒンサウナキ也　フク〳〵シキ心也 0103︻いゑとうし︼―＼<合点>　家ノメヲ云　　るうしろみ者可り越してあさゆふの1いていり尓つ1 0104︻あさゆふのいていり︼―奉公ナト男ノスル方也　　遣ても1お1ほや遣王多くしの1人の堂ゝす万ゐよ　　きあしき事能免尓もみゝ尓もとまるあ里さ 0105︻あしき事︼―人ニ恨ナトアルコト也　　ま越うと支人尓わさとうちまね者むやは 0106︻うとき人︼―ウチトケヌ女房也　　ち可え︵え＄3く︶てみむ人の1きゝわき思しる遍可らむ　　尓可多りも1あ者せ者やとうちもゑまれな1ミ多　　も1さしくみも1し者あやなきお1ほや遣者ら︵者ら＄3︶﹂︵12オ・43�C︶ 0107︻おほやけはらたゝしく︼―上ニヘモ恨ノアルコト也<左> 　　者ら堂ゝしく心日とつ1尓思あ万るこ2とな2むとお1ほ　　可累を・な2尓ゝ可者き可せむとお1もへハうちそ2む可れ　　て人しれぬ思いてわらひもせられあ者れともうち 0108︻思いてわらひ︼―語モセス人シレスヲカシキコトナトモアル体也　　日とりこ堂るゝ尓・な2にこ2とそ2な1とあ者つ1可尓 0109︻あはつかに︼―＼<合点>　アハ〳〵シキ也　　さしあふきね︵ね＝0ゐ︶多らむ者い可ゝ者くち越し可らぬ・　　堂ゝひ多ふるにこめきてや者ら可ならむ人 0110︻こめきて︼―＼<合点>　フシメカシキ心也　コマヤカニヨキ也　オサナクカタホナル心也　　をと可くひきつくろひて者なと可みさらむ・ 0111︻ひきつくろひて︼―引タテヽソフ也　　心もとな2くともな越しとこ2ろある心ちすへし・　　遣尓さしむ可ひてみむ本と者さてもらう多﹂︵12ウ・43�H︶ 0112︻さしむかひて︼―ヨキ中ニワロキ事アリ　　き可多尓つ1ミゆるしみるへき越堂ちハ那れ 0113︻たちハなれ︼―ヨソヨリ云ヲコスル用ナトモ不トヽノヘナル体也　　てさるへき事をもい日やりお1里ふし尓し　　いてむわさの1あ多事尓も万めこ2と尓も我心登 0114︻我心とおもひうる事なく︼―人ニヲシヘラレテ我ニ思ヨルフシナキ也　　お1もひうる事なく布可支い多りな可らむ者・　　いとくち越しく堂の1もし遣な2きと可やな越　　くるし可らむ・つ1ね者すこしそ2は〳〵しく心つき 0115︻そは〳〵しく︼―＼<合点>　タヽシカラヌ心也　思フヤウナラヌ体也　　な2き人の1お1里ふし尓つ个ていて者え︵え＝0へ︶す累や　　うも1あ里可しなとくま那き物い飛もさ多免可 0116︻くまなき物いひ︼―馬頭事　　ねてい多くうちなけく・いまは堂ゝしな尓も﹂︵13オ・43�M︶よらし可多ち越者さらにもい者し︵し＄2春︶・いとくち越︵越＝0お︶し　　くねち个可ましきお1ほえ堂尓なく者多ゝひとへ 0117︻ねちけかましき︼―＼<合点>　ヨカラヌ心也　　尓物万免や可尓しつ1可なる心の1お1もむきならむ　　よるへをそ2つ1ゐの多のみ所尓はお1もひをくへ　　可り遣る1・あまりの1ゆへよし心者せうちそ2へ堂らむ　　を者よろこひ尓思日・すこしをくれ多る可多　　あらむをもあな2可ちにもと免く者へし・うしろ　　や春く・の1と遣き所堂尓つ1よく者・う者へのな　　さけ者をのつ1可ら・もてつ遣つ1へきわさをや・﹂︵13ウ・44�E︶　　え︵え＝0ゑ︶む尓物者可り︵可り＄2チ︶してうらみいふへき事越もみし 0118︻えむに︼―＼<合点>　ウツクシクヤサシキ也　ウツクシキヲモエナラヌト云也　　らぬさま尓しの1ひて・うへ者つ1れな2くみさを 0119︻うへはつれなく︼―＼<合点> 　　つ1くり心日とつ1尓思日あまる時者・い者む可多那 0120︻心ひとつに︼―恨也　　くすこき事の1者あハれなるう多越よみ　　をき志の1者るへき可多み越とゝ免て2布可き　　山さと︵と＋0の︶世者那れ堂るうみつ1らなと尓者ひ可　　くれぬる︵る＝0可し︶お1りわら者に侍し時女房なと能もの1 　　可多りよみしをきゝていとあ者れ尓可な1し　　く心ふ可き事可なと・なみ多越さへなむ﹂︵14オ・44�J︶おとし侍し・いま思ふ尓者・いと可る〳〵しくこ2とさら︵ら＝0ラ︶ひ　　堂るこ2と也・心さしふ可ゝらむおとこをゝきてみる　　免のまへ尓つ1らき事あ里とも・人の1こゝろを 0121︻めのまへにつらき事︼―ソトシタル恨ナトヲ恨家出ナトスル女ノコト也　　みしらぬやう尓ゝ遣可くれて・人をまと者し心を　　ミむとする本と尓な可支よの物思日尓なる・いとあ　　ちき那き事也心ふ可しやなと本免多てられて・　　あ者れすゝみぬれ者や可てあま尓なりぬ可し　　思日堂つ1本と者いと心春めるやう尓て・よ尓可へり　　みすへくも1お1もへらすいてあ那可な1し・かくは﹂︵14ウ・45�A︶　　多お1ほしなり尓遣る1よなとやう尓あひし　　れる人きとふらひ・飛多すら尓うしともお1もひ　　ハ那れぬお1とこきゝつ1遣てなみ多お1とせ者・つ1 　　可ふ人布るこ多ちなときみの御心者あ者れな里 0122︻こたち︼―女房惣名　　遣る1もの1を・あ多ら御身越なといふ・身つ可らひ堂　　ひ可み越可きさくりて・あへな1く心本そ2遣れハ　　うちひそ2みぬ可し・志の1ふれとなみ多こ本れ 0123︻うちひそみぬ︼―ナク体　　そ2免ぬれ者・お1里〳〵こ2とに・えねむしえすくや　　しき事お1ほ可め累尓・本とけも1中〳〵心き多﹂︵15オ・45�F︶　　那しとみ給つ1へし尓こり尓し免る本とよりも 0124︻にこりにしめるほとよりも︼―＼<合点> 　　なまう可ひ尓て者可へりてあしき道尓も堂　　堂よひぬへくそ2お1ほゆる堂えぬすくせあ　　さ可らてあま尓もなさて堂つ1ねとり堂　　らむもや可てあひそ2ひてとあらむお1里も可　　可らむきさみをもみ春くし堂らむ中　　こ2そ2ちきりふ可くあ者れな2ら免われも人も　　うしろめ多く心を可れしや者・又な1の1免尓う　　つ1ろふ可多︵多＋1あらむ人を・うらミて気しき者みそ2む可ん・者多をこ可満し可りな2ん心ハうつろふ方︶あ里とも・みそ2めし心さしいと越し﹂︵15ウ・45�L︶　　くお1も者ゝ・さる可多能よす可尓思ても・あ里　　ぬへき尓・さ︵＋0ル︶やうならむ堂ちろき尓堂えぬへ　　きわさ也・すへてよろつ1の1事な2多ら可尓・ゑ︵＋0ン︶す　　へきこ2とをハ・みしれるさま尓本の1め可し・うらむ　　へ可らむ布し越も1・尓1く可らすかす免なさ者・そ2 　　れ尓つ1遣てあ者れも1まさ里ぬへし・お1ほく　　者・わ可心も・みる人可らお1さまりも1すへし・あまり 0125︻あまりむけに︼―夕顔上此品　　む遣尓うちゆるへ・み者那ち多るも・心や春く　　らう多きやうなれと・をの1つ1可ら・可ろき可多﹂︵16オ・46�D︶　　尓そ2お1ほえ侍可しつ1な可ぬふねのうき多る 0126︻つなかぬふねのうきたるためしも︼―＼<合点> 　　多免しも1遣尓あやな1しさ者侍ぬ可といへは・中　　将うなつ1く・さしあ多りて・お1可しともあ者れとも 0127︻さしあたりて︼―中将ノ詞也　　心尓いらむ人の・堂の1もし遣なき・う多可ひあらむ 0128︻心にいらむ人︼―第六段　　こ2そ2大事なるへ个れ・我心あやまちなくてみす 0129︻我心あやまちなくて︼―女ノ心也　又男ノ心ニシテモ也　　くさ者さしなお1しても1なと可みさらむとお1ほ　　え堂れと・そ2れ・さしも1あらし・とも可くも1堂可ふ 0130︻さしもあらし︼―サウモアラシト也 0131︻ともかくも︼―コレヨリ惣テノヒハン也 0132︻たかふへきふし︼―男ノタカイ目也　　へき布しあらむを・のとや可尓みしの者むより　　本可尓・ます事あるまし可り遣里といひて・わ﹂︵16ウ・46�I︶　　可いもうとの1・ひ免きみ者・このさ多め尓・可なひ　　給へりとお1もへ者・きみのうちねふりて・こ2と者万　　せ給者ぬをさう〳〵しく・心やましと思・むまの1可　　み・も1のさ多免の1者可せになりて・ひゝらきゐ　　多り・中将者この1事者りきゝ者てむと・心︵＋0尓︶いれて・あ 0133︻あへしらひゐ給へり︼―第八段　　へしらひゐ給へり・よろつ1の事尓よそ2へてお1ほ 0134︻よろつの事︼―馬頭　　せ・きの1みち能堂くみの・よろつ1の物を心尓万可せ　　てつ1くりい︵＋0多︶すも・りむしのもてあそ2ひもの1ゝそ2の物と　　あとも佐多万らぬハ・そ2者つ1き佐れ者み多るも・﹂︵17オ・47�@︶　　个尓可うもしつ1へ可り遣りと・時尓つ1遣つゝさま越　　可へて・いま免可しき尓・めうつも︵も＝0り︶てお1可しきも1あり　　大事として万こ2と尓うる者しき人のてうとの可さ　　りとするさ多万れるやうある物越なん那くしいつ1 　　る事なむな越万こ2と能物ゝ︵ゝ＝0の︶上手者さまこ2とに　　みえわ可れ侍・又ゑ所尓上手お1ほ可れと・すミ可き　　尓1えら者れて・つ1き〳〵尓さら尓お1とりまさるけちめ　　布としも1みえわ可れすかゝれと人のみをよ者ぬ・本う　　らいの山あらうみのい可れるいをの春可多可らく尓1﹂︵17ウ・47�F︶　　の1者遣しき个多物ゝ︵ゝ＝0の︶可多ちめ尓みえぬお尓の可本　　なとのおとろ〳〵しくつ1くり多る物者心尓ま可せて　　ひとき者め越とろ可して志ち尓は尓さらめとさ　　てありぬへし・よのつ1ねの1山の堂ゝすまひ水のな2可　　れ免尓ち可き人の1いゑゐあ里さ満个尓とみえ　　なつ可しく・や者らい︵い＝0ひ︶堂る方那とをしつ1可尓可　　きませて・春くよ可な2らぬ山の1遣しき・こふ可く 0135︻すくよか︼―スクミタル心　　よ者那れて堂ゝみな2し个ち可きま可きの1 　　うち越者そ2の心しらひをきてなと越なむ上﹂︵18オ・47�K︶　　す者いといきひ本ひこ2と尓わろ︵ろ＝0ル︶物者をよ者ぬ所お1ほ　　可める・て越可き堂る尓も布可支こ2と者那くて　　こゝ可しこの1てむな2可尓者しり可きそ2こ者可と那　　く个しき者める者うちみる尓可と〳〵しく个し　　き堂ち多れとな越万こ2との1すち越こまや可尓　　可きえ多る者う者への1ふてきえてみゆれと・いま　　ひと堂ひとりならへてみれ者なをしちになむ　　よりける・者可那き事堂尓可くこ2そ2侍れまして　　人の心の1・とき尓あ堂りて个しき者めらむみる﹂︵18ウ・48�B︶　　免のなさ遣越者え︵え＝0エ︶多のむましくお1もふ給へえて　　侍・そ2の1者しめ能事春き〳〵しくとも1申侍らむ　　とてち可くゐよれ者・きみも1免さまし給・中将
　　いみしく志んして・つ1らつゑ越つきて・む可ひゐ　　給へり・の1里の1しの世の1事者り・ときゝかせむ所　　の心ちするも・可つ1者お1可し遣れと可ゝるつ1いて者・を　　の1〳〵むつ1こ2ともえしのひとゝめすなむ・あ里遣　　る1・はやう・ま多い︵い＝0イ︶と下らう尓侍し時・あ者れとお1も 0136︻はやうまたいと下らうに︼―馬頭サキニト云詞也　　ふ人侍き・ゝこ︵ゝこ＝0聞︶えさせつ1るやう尓可多ちな2といと﹂︵19オ・48�H︶ 0137︻きこえさせつるやうに︼―マヘ品定ニ申ツル也まお1尓も侍︵侍＋0ら︶さりし可者・わ可支本と能すき心尓は　　この1ひと︵ひと＝0人︶越・とま里尓ともお1もひとゝ免侍︵侍＋0ラ︶すよ　　るへとは思な可らさう〳〵しくて・と可くまきれ者へ里しを物ゑんし越い多くし侍し可は心つきな2 　　く・いと可ゝらて・お1いら可なら満し可者とお1もひつ1ゝ・　　あまりいとゆるしなくう多可ひ侍しも1うるさくて・　　可く可す那らぬ身をみも者那多てなと可くしも1 　　お1もふらむと心くるしきお1里〳〵も1侍︵侍＋1て︶しねん尓心お1 　　さめらるゝやう尓なむ侍し・この1女の1・あるやう﹂︵19ウ・48�M︶　　も1とよりお1もひい多らさり个る事尓も・い可てこ 0138︻いかてこの︼―馬頭也　　の人の多免尓︵尓＋1者︶い︵い＄1︶となきてをい多しをくれ堂る　　すちの1心をもな越くち越しく者みえしと思日　　者けみつゝと尓可く尓つ1遣て物万めや可尓うしろみ　　・つゆ尓ても1心尓多可ふ事者那くも可那と思へり　　し本と尓・すゝめる可多とお1もひし可とゝ可︵ゝ可＝0と可︶く尓　　なひき︵き＋1き︶てなよひ︵ひ＝0ヒ︶ゆきみ尓くき可多ち越も・　　この人尓みやうと満れむと・わ里那くお1もひつく　　ろひうとき人尓みえ者お1もてふせ2尓や思ハ︵思ハ＝0見え︶む　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　と﹂︵20オ・49�E︶ 0139︻おもてふせ︼―面目モアルマシキ也　　者ゝ可り者ちて・みさ越尓もてつ1遣て・み那るゝ　　まゝ尓・心も个しう者あらす侍し可と・多ゝこの尓　　くき可多ひとつなむ心お1さ免す侍し・そ2の可み　　思日侍︵侍＋0ツ︶しやう・可うあな可ち尓し多可ひをち多　　る1人な免れ︵れ＄1︶り・い可てこる者可りの1わさしてをとし　　てこの1可多も1すこしよろしくも1なり・さ可な2さも1 0140︻このかた︼―物ノ方　　や免むと思て・万こ2とにうしなとも思日て多えぬへ　　き个しきならは・可者可り・われ尓し堂可ふ心な　　らは思日こりな1むと思ふ︵ふ＝0ひ︶給へ︵へ＝0ヒ︶えて・こ2とさらにな﹂︵20ウ・49�J︶　　さけな1く・つれなきさ万越みせて・れいの者ら堂　　ちゑんするに︵に＝0を︶可くおそ2ましく者・いみしきちき 0141︻おそましく︼―ヲソ〳〵シキ也　　里ふ可くとも堂えて・又みし可き里とお1も者ゝ可く　　わ里那きもの1う多可ひ者せよ・ゆくさきな可く　　みえむとお1も者ゝ・つらき事あ里ともねむして　　な1の免尓思日那里て・可ゝる心堂尓うせ那者・いと　　あ者れとなむ思ふへき・ひとなみ〳〵尓もなり・春　　こしお1と那ひむ尓そ2へて・又ならふ人なくあるへ　　きやうなと・可しこくをしへ堂つる可那と・思給へ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　て﹂︵21オ・50�A︶　　われ堂遣くい日︵日＝0ひ︶そ2︵そ2＋0徒︶し侍尓・春こしうちわらひて・よ　　ろつ1尓み多て那く・物个那き本と越みすくして　　人可春那る世もやと・万つ1可多者いとのと可尓・思日な2 　　されて心やましくも1あら須・つ1らき心越志のひ　　て・思日なお1らむお1里越・みつ1遣むと・ゝし月越　　可さねむ・あいな2多のみ者いとくるしくなむある　　へ个れ者・か多み尓そ2むきぬへき・ゝさみ尓な1むある 0142︻かたみに︼―タカヒニ也　　とね多个尓いふ︵ふ＋0時︶尓・者ら堂ゝしくな1里て・尓く遣な 0143︻はらたゝしく︼―男　　る事とも越・い日者けまし侍尓・女もえお1さ免ぬ﹂︵21ウ・50�G︶　　すち尓てお1よひ飛とつを・ひきよせてく日てハ︵ハ＋0ン︶へ　　りしを・お1とろ〳〵しく可こちて・可ゝるきすさへ　　つ1きぬれ者いよ〳〵ましらひをすへき尓もあ　　ら須・者つ可し免給める・つ可さくらゐいとゝしく　　な尓ゝつ1遣て可は人め可む・よ越そ2むきぬへき　　身な︵な＋0ン︶めりな︵な＋0ン︶といひをとして・さらは个ふこそ2者　　可きりなめれと・この1お1よひ越可ゝ免てま可てぬ　　　　て越ゝりてあひみしこ2と越可そ2ふれ者これ　　　　日とつ1や者きみ可うき布し﹂︵22オ・50�L︶　　えうらみしなと・い可︵可＝0ヒ︶侍れ者さす可尓うちなきて　　　　うきふし越心日とつ1尓可そ2へきてこやき 0144︻うきふしを︼―女返し　　　　み可て越わ可るへきお1り　　なといひしろひ侍志可と・万こ2と尓ハ・可ハるへき　　こ2とゝも1思給へ春な2可ら・日ころふる万て・せうそ2こ 0145︻せうそこ︼―書ナラテ物イフヲモ消息ト云　　もつ可者さ須・あく可れ万可りありく尓・里︵里＋0む︶しの 0146︻りむしのまつり︼―十一月午日　　まつりの1てう可く尓・夜布遣ていみしうみそ2 　　れ布るよこれ可れ万可りあ可るゝ所尓て・思免　　くらせ者な越いゑちと思者む可多者・又な可り﹂︵22ウ・51�D︶ 0147︻又︼―まだトモ遣り・うちわ堂りの1堂ひね︵ね＋1も︶・すさまし可るへく・个　　しき者めるあ堂りは・そ2ゝろさむくやと思給へ　　られし可は・い可ゝお1もへると・个しきも1み可てら　　ゆき越うち者らひつゝ︵ゝ＋0ま可てゝ︶なま人わろくつ1免く　　者るれとさりともこよひ日こ2ろのうらみはと遣　　那むとお1もふ給へし耳火本の可尓可へ尓そ2む遣　　なえ多るきぬともの1あつ1こえ多るお1ほいなる 0148︻あつこえたる︼―ワタノ入タル也　　こ尓・うち可けて・ひきあくへき物ゝ︵ゝ＝0の1︶可多ひら　　なとうちあ遣てこよひ者可りやと・まち个る﹂︵23オ・51�I︶　　さ万也・され者よと心お1こりする尓さうしみ者な1 　　し・さるへき女方とも者可りとまりて・お1やの1いゑ尓　　この1よさりな2む・わ多りぬるとこ堂遍はへり・えむ　　なるう多もよま須遣しき者免るせうそ2こも1 　　せていとひ多やこもり尓なさけな2可里し可は 0149︻ひたやこもり︼―ヤカテコモリワタル也　　あえ那き心ちしてさ可なくゆるしな可りしも1 　　我をうとみねと思ふ可多の心やあ里遣むとさ　　しも1み給へさりし事なれと心やましきまゝ　　尓1思日侍し尓1きるへき物つねよりも1心とゝめ﹂︵23ウ・52�@︶　　堂るいろあひしさま・いとあらま本しくて・さす可　　尓わ可みすてゝむ・のち越さへなむ・お1もひや里　　・うしろみ多りし・さ里とも堂えて・思日者那つ1 0150︻さりともたえて︼―女房ノ心ニ馬頭思タエマシト思カト思也　　やう者あらしと思ふ多まへて・と可くいひ侍 0151︻かくいひ侍︼―男ヨリ云コト　　しを・そ2むきも勢須と︵と＄2︶堂つ1年万とはさむと　　も1・可くれしのひ須・可ゝや可し可ら須・いらへつ1ゝ　　堂ゝあ里し︵し＋0心︶な2可ら者えな2むみすく春ましき 0152︻たゝありしなから︼―女房ノカタカラ　　あら多免てのと可尓思日なら者なむ・あひみる　　へきなと・い日し越・さりとも1え思日者那れしと﹂︵24オ・52�E︶ 0153︻さりとも︼―男也　　思給へし可は・志者しこらさむの心尓て・し可あら堂　　免むともい者須・い多くつ1な2ひきてみせ2しあひ　　堂尓・いとい多く思日な遣きて者可那くな里侍　　尓し可は・堂者ふれ尓くゝなむお1ほえ者へりし・　　ひとへ尓・うち堂の1み堂らむ可多者・さ者可り尓　　てあ里ぬへくなむ思給へいてらるゝ・者可那き　　あ多事をも・万こ2との大事越もいひあ者勢堂　　る尓・可いな2可らす堂つ1多ひ免とい者む尓もつ1 　　き那可らす・多な者多能て尓もおとるましく﹂︵24ウ・52�J︶　　そ2の1可多も1くしてう累さくな2む侍しとて・い　　とあ者れと思いて堂り・中将そ2の堂那者多の1堂ち　　ぬふ可多越のと免て・な1可支ちきり尓そ2あえまし・ 0154︻なかきちきりに︼―第十四段　　个尓そ2の多つ堂ひ免の・尓しき尓はま多︵ま多＝0又︶しく　　物あらし・者可那き者那・もみちといふも1・お1里ふしの1 　　いろあひ・つ1きな2く者可〳〵し可らぬ者・つ1ゆの者え　　なくきえぬるわさ也・さある尓2より・可多き世と 0155︻かたき世とはさためかね︼―カタキ世ト云コトハ上品ヲ定カヌル也　　者・さた免可ね堂るそ2やと・い日者やし給・さて又 0156︻さて又︼―第十五段　　お1な1しころ・万可り可よ日し所者・人も堂ちまさ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　り﹂︵25オ・53�B︶ 0157︻おなしころ︼―馬頭　　心者せ万こ2と尓・ゆへあ里とみえぬへく・うちよみ者 0158︻うちよみ︼―哥事　　しり可き可いひくつ1ま越と・てつ1きくちつ1き　　み那・堂と〳〵し可ら須みきゝ王多り侍き・み　　る免も・こ2ともな1く侍し可は・この1さ可那物越・ 0159︻こともなく︼―難ナキ 0160︻このさかな物︼―サキノ女也　　　うちと遣多る可多尓て・とき〳〵可くろへ︵へ＋0見︶侍し　　本とは・こよなく心とまり侍き・この1人うせて　　のちい可ゝ者せむあ者れな可らも1・すきぬる者・可ひ　　な1くて・志者〳〵万可りなるゝ︵ゝ＋0満ゝ︶尓は・すこしまハゆく　　えむ尓・このましきこ2とは・免尓つ1可ぬ所ある尓﹂︵25ウ・53�G︶　　うち多のむへく者・みえす・可れ〳〵尓のみゝせ者へる　　本と尓・しのひて心可者せる人そ2あ里遣らし・神　　な1月のころ本ひ・月お1もしろ可りし夜・うちより　　ま可て侍尓・あるうへ人きあひて・このくる万尓　　あひの里て侍れハ・大納言のいゑ尓ま可りとま　　らむとする尓・こ能人いふやう・こよひ人まつらむ　　やとなむ・あやしく心くるしき︵き＋1とて︶この女︵女＋0の︶家者多　　よきぬ道なり个れ者あれ多るくつれよ里　　い遣の1水・可个みえて・つ1き多尓やとるすみ可を﹂︵26オ・53�L︶ 0161︻つきたにやとる︼―＼<合点> 　　すきむもさす可尓ており侍ぬ可し・もとよりさる心 0162︻おり侍ぬ︼―馬頭車ヨリ　　を可者せる尓やあり遣む・この1お1とこい多く春ゝろ　　きて・可と・ち可支らうの・すのこ多つ1物尓・し里可　　けて・と者可り月︵月＋0を︶みる・きくいと越もしろくうつろ　　ひ王多り︵り＋1て︶・風尓き本へる・もみちのみ堂れな1と・あ　　者れとけ尓みえ堂り・布ところな里遣る1布えと　　りいてゝ布きな1らし・景も1よしなとつ1ゝし里う 0163︻景︼―＼<合点>　カゲ　　多ふ本と尓・よくなるわこむ越・志らへとゝのへ堂り　　个る・うる者しく可きあ者勢堂りし本と遣し　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　うハ﹂︵26ウ・54�C︶あらす可しりちの1しらへ者・女の物や者ら可に可き　　ならして・すのうちよりきこえ多るも・いま免き　　堂る物のこゑなれ者・きよくすめる月尓お1 　　里つきな可らす・お1とこい堂く免てゝ・すのもと　　尓あゆみきて・尓者能もみちこ2そ2布みわ遣堂る1 　　あとも那遣れなと・ね多万須・きく越ゝ里て　　　　こ2とのねも月︵月＝0菊︶も1えならぬやと那可らつれ 0164︻ことのねも︼―カヨフ男　　　　な2き人をひきやと免遣る　　わろ可免りなといひて・いまひとこゑ・きゝ者やす﹂︵27オ・54�I︶　　へき人のある時︵時＋0尓︶・手な1のこい給そ2なと・い多くあされ　　かゝれ者女︵女＋0声︶い堂うこゑつ1くろひて　　　　こ可らしに布きあ者須免る布え能ねを 0165︻こからしに︼―女返シ　　　　ひきとゝむへきこ2とのハそ2なき　　と那ま免き可者すに・ゝくゝなるをもしらて・　　又さうのこ2と越・者んしきてう尓志らへて・いま免 0166︻又さうのことを︼―女　　可しく・可いひき堂るつ1まをと・可と那き尓者あ　　らねと・万者ゆ支心ちなむし侍し・堂ゝとき〳〵う　　ち可多らふ宮つ可へ人なとの・あくまてされ者み﹂︵27ウ・55�@︶　　すき堂る者・さてもみる可き里は・お1可しくもあ　　里ぬへし・時〳〵尓ても1・さ累とこ2ろ尓て・王すれぬよす　　可と思給へむ尓者・堂の1も1し遣那く・さしすくい多りと　　心越可れて・そ2のよ能事尓こ2とつ1遣てこ2そ2万可り多え　　尓し可このふ多つ1のこ2とをゝもふ給へあ者する尓わ可　　きときの心尓多尓猶さやう尓もていて多るこ2とは︵は＋1いと︶あ　　やしく堂のもし遣那くお1ほえ侍き・いまよりの1 　　ち者ましてさのみなむ思給へらるへき・御心の1まゝ 0167︻御︼―ミ　　尓お1らはお1ちぬへき者きのつゆ日ろ者ゝきえ﹂︵28オ・55�F︶　　なむ登み︵み＋0ゆ︶累・堂まさゝのうへのあ者︵者＝0ら︶れなとの・えむ 0168︻たまさゝのうへ︼―＼<合点> 　　尓あえ可なる・春き〳〵しさのみこ2そ2お1可しくお1 　　ほさるら免・いまさりとも1なゝとせあまり可本と尓　　・お1ほしゝ里者へな2む・な2尓可し可いやしきいさ　　め尓て・すき堂者免らむ女尓心を可せ給へあや 0169︻すき︼―数寄　　あや︵あや＃1︶まちして・みむ人の1︵の1＝0為イ︶・可多くなゝる名をも多てつ1へき物也といましむ・中将れいのうな2つく・き 0170︻中将れいの︼―第十二段<左> 0171︻きみ︼―源氏　　み春こし可多ゑみて・さ累事︵事＝0こ2と︶とはお1ほすへ可　　めり・いつ1可多につ遣ても1・人王ろく・者し多那可り遣る・﹂︵28ウ・55�K︶　　み物可多り可な2とて・うちわらひお1者さうす・中将・ 0172︻おはさうす︼―オハシマス也　　な2尓可しは・しれ︵れ＋0も1のゝ︶・物可多り越せむとていとしのひて　　みそ2免堂りし人の・さても1みつ1へ可りし遣者ひ　　な2りし可はな可らふへき物としも1思給へさ里し　　可とな2れゆくまゝ尓・あ者れとお1ほえし可は・堂　　え〳〵わ春れぬもの尓思給へし越・さ者可り尓な2れ　　者うち多の免る个しきも1みえき多のむ尓つ1 　　遣て者うらめしと思事も1あらむと・心な可ら　　お1ほゆるお1里〳〵も1侍しをみしらぬやう尓て﹂︵29オ・56�C︶　　ひさしき・と多えをも・可う多まさ可なる人とも　　思多ら須・多ゝあさゆふ尓もてつ1个多らむあ里　　さま尓みえて・心くるし可りし可は・多の免王多る　　こ2と那ともありき可し・お1やもなくいと心本そ2 0173︻おやもなく︼―女ノ有様　　遣尓て・さらは・この1人こ2そ2者と事尓ふれて・お1も　　へるさま︵さま＝0けしき︶も・らう多遣那りき可うのとけき尓　　お多しくてひさしく万可らさりしころ・このみ給 0174︻このみ給ふるわたりより︼―四君方ヨリ　　ふるわ多りよりな2さけな2くう多てある事を　　那む・さる多よりありて可すめい者せ堂り个る・﹂︵29ウ・56�H︶のち尓こ2そ2きゝ侍し可・さるうき事やあらむと　　もしらす・心尓者わすれす那可ら・せうそ2こなとも　　せて・日さしく侍し尓・む遣尓思日し本れて心　　本そ2可り遣れ者お1さ那き物な2ともあ里し尓・ 0175︻おさなき物なとも︼―玉カツラノ内侍ノカミト後ニミエケリ　　思わつらひて・なてしこのハ那越ゝ里てをこせ2多　　りしとて・な1み多くみ堂り・さてそ2のふみのこ2と 0176︻なみたくみたり︼―中将　　者ゝとゝひ給へは・いさやこ2となる事も1な2可りき／や 0177︻いさや︼―中将　　　　山可つ1の1可き本あるともお1里〳〵尓あ者れ 0178︻山かつの︼―女　　　　盤可遣よな2てしこの1つ遊﹂︵30オ・56�M︶　　お1もひいてしまゝ尓万可り堂里し可ハ・れいのうらも1 　　なき物可らいと物思可本尓てあれ多るいゑのつゆ　　し个きをな可免て・むしのね尓き本へる个　　しきむ可しもの可多り免きてお1ほえ侍し　　　　佐きましるいろ︵いろ＝1花イ︶はいつ1れとわ可ねとも1 0179︻さきましる︼―中将返シ　　　　なをとこ夏尓︵夏尓＄1︶那つ尓しく物そな2き　　山と那てしこ越者佐しをきて・万つ1ちりを 0180︻ちりをたに︼―＼<合点>ちりを多尓春へしとそおもふ／咲しより／いもと王可ぬるとこ夏の花︵付箋01︶　　　堂尓なとお1やの1心をとる　　　　うち者らふそ2ても1露遣きとこ那つ尓﹂︵30ウ・57�E︶ 0181︻うちはらふ︼―又女房　　　　あらし布きそ2ふ秋もき尓个りと者可　　那遣尓いひな1して・まめ〳〵しくうらみ多るさま　　も1みえす・なみ多越もらしお1としても・いと者つ1可　　しく・つ1ゝまし个尓万きら者し可くして・つ1ら　　き越も1思し里遣りとみえむ者・わ里那くゝる　　しきものと思堂りし可は・心や春くてま多と　　堂えをき侍し本と尓・あとも1那くこ2そ2可き　　个ちてうせ尓し可・又よ尓あらは者可那きよ尓そ2 0182︻又︼―マダ　　さすらふらむ・あ者れと思し本と尓・わつら者し个尓﹂︵31オ・57�J︶　　思万と者す个志きみえまし可は・可くもあく可ら／さゝ︵ゝ＄2︶　　らまし・こよなきと多えを可須・さる物尓し　　なして・な可くみるやうも1侍な2まし・可のなて　　しこの・らう多く侍し可は・い可て堂つ1ねむ　　と思︵思＋0ヒ︶給ふる越・いまもえこ2そ2きゝつ1遣者へら　　ね・これこ2そ2の給へ︵ヘ＝0ツ︶る者可那き堂免しな免れ・　　つれな2くて・つらしと思遣るもしらて・あ者れ堂え　　さ里しも1・やく那き可多思なり遣り・いまやう〳〵　　わ春れゆくき者に・可れ者多・えしも思者那﹂︵31ウ・58�A︶　　れす・お1り〳〵・人や里那らぬ・むねこ可るゝ・ゆふへ　　も1あらむとお1ほえ侍・これな2む・え多もつ1ま　　しく・多のも1し遣な2き可多なり遣る1・され者 0183︻されはかの︼―第十四段<左> 　　・可のさ可那物も1・思いてある可多尓・わ春れ可多个　　れと・さしあ多りてみむ尓はわつら者しく・よ︵よ＄2︶　　よくせ須者・あき堂きこ2とも1あ里な2むや・　　こ2とのねすゝめ个む・可と〳〵しさも・すき堂　　るつ1ミをも可るへし・このこ2ろ︵こ2ろ＝0心︶もと那きも1・う　　多可ひそ2ふへ个れ者・いつ1れと・つ1ゐ尓思さ堂﹂︵32オ・58�F︶　　めすなりぬるこ2そ2・世中や・堂ゝ可くこ2そ2・とり〳〵　　尓くらへくるし可るへき・この1さま〳〵能・よき可　　きりをとり具し・な2ん春︵＋1つ、つ＄1︶へき・くさ者ひ・ませ　　ぬ人者・いつ1こ尓可はあらむ・きち上天女をゝも　　ひ可遣むと春れ者本う遣つき・具すし可らむ 0184︻くすしからむ︼―クスムコト　　こ2そ2・又わ日し可りぬへ个れとて・み那わらひぬ・　　志きふ可所︵所＝0トコロ︶尓そ2・个しきあるこ2とはあらむ・す 0185︻しきふか所にそ︼―第十五段<左> 　　こしつゝ・可多り申せとせ免らる・しも1可志もの1︵の1＄1︶　　中︵中＄2︶尓者・なてうこ2と可・きこしめし所侍らむといへ﹂︵32ウ・58�K︶　　と・頭のきみ・万免や可尓・をそ2しとせ免給へは　　・な尓事越︵越＋0可︶・と里申さむと思免くら春尓・ま多 0186︻なに事をとり︼―式部　第十六段　　文上の1生尓侍し時・可しこき女の1多免しを　　なむ見給へし・可のむまの1可みの申給へるや　　う尓・お1ほや遣こ2と越も1いひあ者勢・王多くし　　さまの1・世尓すまふへき心をきてをゝもひ　　免くらさむ可多も1・い堂りふ可く・さえの1きは　　・な2ま〳〵の者可せ・者つ可しくすへてくちあ可す　　へくなむ・侍らさ里し・そ2れ者・ある者可勢の﹂︵33オ・59�B︶　　もと尓・可くもんなとし侍とて・万可り可よひし　　本と尓・あるしの1むすめとも・お1ほ可りときゝ給へ︵へ＝0フ︶て・　　者可なきつ1いて尓・い日よりて侍しを・お1やきゝ　　つ遣て・さ可月もていてゝ・わ可布多つの道う多 0187︻ふたつの道うたふ越きけ︼−＼<合点> 　　ふ越き个となむ・きこえこち侍し可と・お1さ〳〵　　・うちと遣てもま可らす・可の1お1やの1こゝろを者ゝ　　可りて・さす可尓可ゝつらひ侍し本と尓・いとあ者れ　　尓思うしろみ・ねさめの可多らひ尓も・身のさえ　　つ1き・お1ほや个尓つ可うまつるへき・みち〳〵しき﹂︵33ウ・59�H︶　　こ2と越ゝしへて・いときよけ尓・せうそ2こ布み尓　　も1・可んな2といふ物可き万せ須・むへ〳〵しくいひま　　者し侍尓・をのつ可ら・え万可り堂えて・そ2の物を　　しとしてな2む・わつ可なるこしをれ布み・つく 0188︻しとして︼―師　　る事なと・ならひ侍し可者・いま尓そ2の1お1んは　　・王すれ侍らねと・なつ可しきさいしと・うち多の　　まむ尓は︵は＄2︶・むさいのひと・なまわろならむ布　　るまいなと︵なと＄2︶みえむ尓・者つ可しくなむみえ侍　　し・まいて・きむ堂ちの御多免者可〳〵しく・し﹂︵34オ・59�M︶　　多し︵し＄2た︶可なる御うしろみは・な尓ゝ可せ佐せ2給　　者む・者可那しくち越しと・可つ1みつゝも1・堂ゝわ　　可心尓つき・すくせの1ひく可多侍︵侍＋0へ︶めれ・者︵者＄2︶をのこし　　も1な1むしさいな2き物ハゝへ免ると申せ者・の1 　　こりをい者勢むとて・さて〳〵お1可し可り遣る1女可那　　と・す可い給を心者えな可ら・ハ那の王多り・越こつ1 　　きて・可多里那す・さていと日さしく万可らさり　　し尓・もの1ゝ堂より尓堂ちよりて者へれ者・つ年　　のうちと遣ゐ多る可多尓は者へらて・こゝろやま﹂︵34ウ・60�D︶　　しきもの1こし尓てなむ・あいて侍︵＋0り︶・布春ふる　　尓やと・お1こ可ましくも・又よきふしなりとも　　思給ふる尓・この1さ可し人・者多可ろ〳〵しきものゑ　　んしすへき尓もあらす・よの堂うり越思とりて・う　　らみさり个り・こゑも・者やり可尓ていふやう・月こ2ろ・　　布日やうをもき尓多へ可ねて・こくねち︵ち＝0ツ︶の1・さ　　うやく越布くして・いとくさき尓2よりな2む・え多い　　めん給者らぬ・まのあ多りなら須とも・さるへ可らむ　　さうしらは・うけ多まハらむと・いとあハれ尓・むへ〳〵﹂︵35オ・60�I︶　　しくいひ侍︵侍＋0リ︶・いらへ尓・な尓と可は・堂ゝう遣多ま　　者りぬとて・多ちいて侍尓・さう〳〵しくやお1ほえ遣　　む・この1可・うせなむ時尓・多ちより給へと・堂可や可尓　　いふを・きゝすくさむもいと越し・志者しや春らふ　　へき尓者多侍らね者・个尓そ2の尓本ひさへ・者那　　や可尓2堂ちそ2へるも・すへなくて・尓け免をつ可ひて　　　　佐ゝ可尓の1布るまひしるきゆふくれ尓 0189︻さゝかにの︼―式部　　　　ひるますくせといふ可あやなさい可なる　　こ2とつ1个そ2やと・いひも者てす・者し里いて侍﹂︵35ウ・61�A︶　　ぬる尓をひて 0190︻をひて︼―追　　　　あふこ2と能よ越しへ多てぬ中ならは 0191︻あふことの︼―女返シ　　　　ひ累まもな尓可万者ゆ可らまし　　さ春可尓くちとくなとは・ゝつ︵つ＝0へ︶りきと・しつ〳〵ニ︵ニ＝0登︶　　申せは・きみ多ちあさましと思て・そ2ら事とてわ 0192︻きみたちあさましと思て︼―第十七段<左> 　　らひ給いつ1この1さる女可あるへきお1いら可尓・越尓とこそ2 　　む可ひゐ多らめむくつ1遣きこ2ととつ1ま者しきを 0193︻むくつけき︼―オソロシキ心也　　して・い者む可多な1しと式部を・あ者免・尓くみて・　　すこしよろし可らむ事を申せとせめ給へと・これ﹂︵36オ・61�F︶　　よりめつらしき事ハ佐ふらひな1むやとてをり・すへて 0194︻すへておとこもをむなも︼―馬頭　　お1とこもをむ那も・わろ物者︵者＋1ワ︶わつ可尓・しれる可多の　　事を・の1こりな1くみせ1つ1くさむと思へるこ2そ・いと　　お1し遣れ三史五経︵経＋0の︶みち〳〵しき可多越・あきら 0195︻三史五経︼―＼<合点> 0196︻史︼―シ　　可尓さとりあ可さむこそ2・あい行・な︵な＋0可︶ら免・なと可者 0197︻行︼―ギヤウ　　女とい者む可らに・よ尓ある事の1・お1ほや遣王多く／し　　尓1つ1个て・むけ尓・しらすい多らすしも1あらむ・わ　　さとならひま年者ねと︵と＋0も︶春こしも1・可とあらむ人の1 　　みゝ尓も免尓もとまるこ2と・しねん尓お1ほ可るへ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　し﹂︵36ウ・61�K︶　　さるまゝ尓は・万ん那を・者しり可きて・さるましき　　とちの・女ふみ尓・な可者すきて可きすゝめ多る 0198︻とち︼―中　　あな2う多て・この1人︵人＄1可多︶の多越や可な2らまし可はとみ　　え多り・心ち尓は・さしも1思者さら免と・をの1つ可ら　　こ者〳〵しきこゑ尓よみなされなとしつゝ・こ2とさ　　らひ堂り・︵り＋0これハ︶上らうの中尓も・お1ほ可る事そ2可し・う　　堂よむとお1もへる人の・や可てう多尓まつ1者れ・　　お1可しき布るこ2と越も・者しめより・とりこみつゝ・す　　さましきお1り〳〵・よみ可け多るこ2そ2もの1しき﹂︵37オ・62�C︶　　事なれ・返し︵し＝0事、事＝0コト︶せね者・那さけな1し・え・せ佐らむ人者　　・者し多那可らむ・さるへき・せちゑなと・五月の1せち　　尓1・いそ2き万いるあし多・な尓のあやめも思しつめられ　　ぬ尓・え那らぬね越・ひき可遣・九日の1えん尓・まつ1 0199︻えならぬ︼―エナラヌ夕立旦アリ 0200︻ねをひきかけ︼―菖蒲ノ哥ヲヨミカヘル也 0201︻九日︼―コヽヌカ　　可多きしのこゝろを思めくらし・て︵て＄2︶いとまな1き　　おり尓きくのつゆ越・可こちよせな︵な＋0ン︶とやうの・月な　　き・いと那ミ尓あ者せ・さならても・をのつ可ら・遣尓　　のち尓思へハ・お1可しくもあ者れ尓もあへ可り遣る1事　　の1・そ2のお1里尓・つきな1く・免尓と万らぬな1︵な1＋0ン︶と越・﹂︵37ウ・62�H︶　　越し者可ら須よみいて堂る・中〳〵心越くれてみゆ　　よろつ1の事尓・な2と可はさてもとお1ほゆる・お1里　　可ら・とき〳〵思王可ぬ者可りの1心尓伝者・よし者み　　なさけ堂ゝさらむな2む・めや春可るへき・すへて　　心尓・しれらむこ2と越も1・しらす可本尓もてなし・い　　者満本し可らむ事をも1・ひとつ1布多つ1の1・布し　　者・すくすへくなむあへ可り个るといふ尓も・きみ　　者・ひと日とりの1御あ里さまを・心のうち尓思つ1ゝ　　遣給︵給＋0フ︶・これ者堂ら須1・又さしすき堂るこ2と那く・も﹂︵38オ・62�M︶ 0202︻これは︼―藤壺ノコト 0203︻たらす︼―不足　　のし給个る可那とあり可多き尓も・いとゝむねふ多　　可る・いつ1可多尓・より・者つ1とも那く・者て〳〵ハ・あやし　　き事とも1尓な1りてあ可し給つ可らうして・个ふ 0204︻からうして︼―ヤウ〳〵シテ　　者日の遣しきもな越れり可くの1み・こも1りさ布　　らひ・給も・大殿の御心・いと越し个れ者万可て給へり・　　お1ほ可多の个しき・人の遣者ひも1・けさや可尓・个多 0205︻おほかたのけしき︼―アフヒノ上　　可く・み多れ堂る所ましらす・な越これこ2そ2は・　　かの人〳〵の・すて可多くとりいてし・万免ひと尓者・堂　　のまれぬへ个れとお1本す物可ら・あまりうる者しき﹂︵38ウ・63�E︶　　御あ里さまの1とけ可多く者つ可し个尓・思しつま　　里給へるを・さう〳〵しくて・中納言のきみ・中つ可　　さなとやうのをしな1へ堂らぬわ可人とも1尓1・ 0206︻人︼―ウト　　堂者ふれ事なとの多まひつ1ゝ・あつ万︵万＃1さ︶尓み多　　れ給へる御あ里さまを・みる可ひあ里と思き　　こえ多り・おとゝも1王多り給て・うちとけ給へれ者・　　御き丁へ多てゝお1者しまして・御物可多りきこえ 0207︻御き丁︼―ミ　　給越・あつき尓と・尓可み給へ者・人〳〵わらふあ那可まと 0208︻あなかま︼―アナカシカマシ也　　て・个うそ2く尓より越者須・いとやすら可那る御﹂︵39オ・63�J︶　　ふる万ひなりや・くらくなる本と尓・こよひな可 0209︻なかかみ︼―＼<合点>　天一方事　　可み・うちよりはふ多可りて侍遣りときこゆ・さ可し　　・れい者いみ給可多な1里遣里・二条院尓もお1な1 　　しすちにて・いつく尓可・多可へむ・いとなやましき　　尓とて・お1ほとのこもれり・いとあしき事也と・これ　　可れきこゆ・きの可み尓て志多しくつ1可ふまつ　　る人の・な2可ゝ者能わ多りなり︵り＝0ル︶いゑな1む・この1ころ　　水せきいれて・すゝしき可け尓侍ときこゆ・いと　　よ可な2り・なやましき尓うしな1可らひきいれ﹂︵39ウ・64�A︶　　徒へき︵き＄1︶可らむ所越との給︵給＋0フ︶・しのひ〳〵の1御可多ゝ可へ　　所者・あま多あ里ぬへけ个れと・ひさしく本とへて　　王多り給へる尓・可多ふ多遣て・ひき堂可へ・本可さ　　まへとお1ほさむ者・いと越しきなるへし・きの　　可み尓お1ほせ2事給へハ・う遣給︵給＝0多ま︶者りな可ら・し里︵里＄2︶　　そ2きて・いよの可みの1あそ2む︵む＝0ン︶の1いゑ尓・つゝしむ事　　侍て・女者うなむ万可りうつれるこ2ろ尓て・せ者き　　所尓侍れ者・な免遣なる事や侍らむと・し　　堂尓な遣く越きゝ給︵給＋0フ︶て・そ2の人・ち可︵可＃1︶ゝら︵ら＄2︶むなむ︵む＄2ル︶﹂︵40オ・64�G︶　　うれし可るへき・女と越き堂ひね者・物お1そ2ろ　　しき心ちすへき越・多ゝそ2のき丁の・うしろ尓　　との多まへは・个尓よろしき越まし所尓も1とて　　人者しらせやる・いとしのひて・こ2とさら尓古と〳〵し　　可らぬ所越といそ2きいて給へハ・お1とゝ尓もきこ　　え給者す・御とも1尓もむつましき可きりして　　・お1者しましぬ︵ぬ＋1可ミ︶・尓者可尓とわふれと人もきゝいれ　　す・心殿の1日む可し越もて・者らひあ遣さ勢て・可り 0210︻心︼―シン　　そ2免の御しつらひし多り・水の1心者えなと・さ﹂︵40ウ・64�L︶　　る1︵る1＝0ル︶可多尓お1可しく志なし堂り・ゐ中いゑ多つ1 　　し者可きして・せんさいなと心と免てうへ堂り・　　風春ゝしくて・そこ者可と那き・むしのこ2ゑ〳〵き　　こえ・本堂るし个くとひま可ひて・お1可しき本と也・　　人〳〵わ多殿より・いて多るいつ1み尓の1そ2きゐて・さ　　けのむ・あるしも1さ可な1もとむとこゆるきの1いそ2 0211︻さかなもとむ︼―＼<合点> 　　きあ里く本と・きみ者のとや可尓な可免給て・　　可の中のしな1尓・とり︵り＋0い︶てゝいひし・このな2みならむ　　可しとお1ほしいつ1・思日あ可れる个しき尓・きゝをき﹂︵41オ・65�C︶　　給へるむ春免な1れ者・ゆ可しくて・見ゝとゝめ多ま　　へる尓この1尓しをもて尓そ2・人の遣者ひする・きぬ　　のをとなひ・者ら〳〵として・わ可きこゑとも尓く　　可ら須さす可尓志の日て︵て＋1物いひえ︶わらひなとするを︵を＄1け者ひ︶・こ2と　　さらひ堂り・可うし越あ遣多り遣れと・可み・心な　　しとむつ可りて・お1ろしつれ者・火ともし堂るす　　き可け・さうしの・可みよりも里多るに・やをら　　より給てみゆやとお1ほ勢と・ひまも︵も＝0し︶な2遣れ者・し　　者しきゝ給尓・このち可きもや尓つ1とひゐ多累﹂︵41ウ・65�H︶　　なるへし・うちさゝめきいふ事とも越きゝ給へ　　は・わ可御うへなるへし・いとい多う万免多ちて・ま多き　　尓やむこ2とな1きよす可さ多まり給へるこ2そ2・さう〳〵 0212︻よすか︼―＼<合点>　人ノメヲ云　　し可免れ・されと・さるへきくま尓はよくこ2そ2可く　　れあ里き給なれな1といふ尓も・お1ほ春こ2との1み・ 0213︻おほすことのみ︼―＼<合点>　藤ツホノ事　　心尓可ゝり給へ︵へ＋0レ︶者・万つ1むねつふれて・可やうの1つ1いて　　尓も・人の・いひもらさむをきゝつ1遣堂らむ時な　　とお1ほえ給・こ2となる事な1遣れ者・きゝさし堂　　まひつ1・しきふ卿の宮の1ひめきみ尓・あさ可本﹂︵42オ・66�@︶ 0214︻ひめきみ︼―＼<合点>　槿斎院ナリ源氏ニ心ツヨクテヤミニシ人也　　多て万つり多まひし・う多な1とを・すこし本ゝゆ　　可免て・可多るも1きこゆ・くつ1ろき可ましく・ 0215︻くつろきかましく︼―＼<合点>　カル〳〵シクシトケナキ心也　　う多すし可ち尓もある可那︵那＋0と︶な越みをとり者・し　　なむ可しとお1ほす・可み・いてきて・とうろ可けそ2へ・ 0216︻かみ︼―＼<合点>　紀伊守　　火あ可く可ゝけなとして・御く多物者可り万いれり　　と者り長も・い可尓そ2者・さる可多能・心もと那くて者・ 0217︻とはり長も︼―＼<合点> 　　免さましきあるしならむとの給へ者・な尓よ　　遣むとも・えうけ多ま者らすと・可しこまりて　　佐ふら婦・者しつ可多の1お1まし尓・可りなるやう尓て・﹂︵42ウ・66�E︶　　お1ほとのこも1れ者・人〳〵も1︵も1＄2︶しつ1まりぬ・あ累しの 0218︻あるし︼―＼<合点>　紀伊守　　こ2とも1・お1可し个尓てあり・わら者那る・殿上の1本と 0219︻ことも︼―子　　尓御らむしな1れ多るもあり・いよのす遣のこも　　あ里・あま多ある中尓・いとけ者ひあて者可尓て・ 0220︻いとけはひあてはかにて︼―小君故衛門督丶子空蝉ノオト丶︵＄3︶　　十二三者可りなるもあり・いつ1れ可・いつ1れな1とゝひ多 0221︻十二三はかりなる︼―小君故衛門督ノ子空蝉ノオトヽ　　まふ尓・これ者・こゑもんの可みのすゑのこ尓て・　　いと可な2しくし侍ける越・ゝさ那き本と尓・をく　　れ侍て・あねなる人のよす可尓かくて侍なり・さ 0222︻よすか︼―タヨリ也　　え那とも・つ1きハへりぬへく・个しうはゝへらぬを・天　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　上な2とも﹂︵43オ・66�J︶　　思給へ可遣な可ら・す可〳〵しう者え・ましらひ　　侍らさ免ると申春︵春＋0ニ︶・あ者れの事や・このあねき 0223︻あはれの事や︼―＼<合点>　源氏　　みや・まうとの・ゝちのお1や・さなむ侍と申すに・　　に遣那きお1やをもまうけ堂り遣る1可那・　　うへ尓もきこしめ志をきて・宮つ可へ尓・い多し堂 0224︻宮つかへに︼―＼<合点>　此女ヲ　　てむと・もらしそ2うせ1し・い可尓な里尓个むといつ1 0225︻いつそや︼―＼<合点>　御門　　そ2やの給者せし・よこ2そ2さ多免なきものな1れ　　と・いとをよすけの1多まふ・布い尓可くて物し侍也 0226︻をよすけのたまふ︼―＼<合点>　思ノ外也　　世中といふ物・さのみこ2そ2・いまもむ可しも1・さ堂﹂︵43ウ・67�A︶　　まり多る事侍ね︵ね＄0ラヌ︶・中尓ついて︵ついて＄3︶も1女の1すくせ者・う可　　日︵日＝0ミ︶多るなむ・あ者れ尓侍累なと・きこえ佐す・いよ　　のすけは可しつ1くや・きみと思ふらむな・い可ゝ　　は・王多くしの志うとこ2そ2者︵者＄2︶思て侍︵＋0ヘ︶める越・すき〳〵　　しきこ2とゝ・な尓可しより・者し免てうけひき者　　へら須・なむと申春・さ里とも万うと多ちの1・つ1 0227︻さりとも︼―＼<合点>　源氏　　き〳〵しく・いま免き堂る︵る＄1ら︶む尓・お1ろし堂てむ　　やは・可のす遣は・いとよしあ里て・个しき者　　める越やな1と・もの可多りし給て︵て＝0つゝ︶・いつ可多尓そ2み那﹂︵44オ・67�F︶　　しも1や尓お1ろし侍ぬる越・えや・万可りお1里あ　　へさらむときこゆ・ゑひ春ゝ見て・みな2人〳〵すのこ尓　　布しつゝ・志つ1まりぬ・きみ者・と遣ても1ねられ　　給者す・い多つらふしとお1ほさ累ゝ尓・御免さめて・　　このき堂のさうしのあ那多尓・人の遣者ひす　　る越・こ那多や・可くいふ人の・可くれ堂る可多な　　らむ・あ者れやと御心とゝ免て・やをらお1きて・堂　　ちきゝ給へ者・あ里つるこのこゑ尓て・もの1遣給 0228︻ものけ給はる︼―＼<合点>　ウケ給ルヽ也　　者る・いつく尓お1者しますそ2と・可れ多るこゑの・お1可﹂︵44ウ・67�L︶ 0229︻いつくに︼―＼<合点>　老女房　　しき尓ていへ者・こゝ尓そ2布し多る・万らうとは・ 0230︻こゝにそ︼―コ君詞 0231︻まらうとは︼―女詞　源氏ノコトヲトフ也　　ね堂まひぬる可・い可尓ち可ゝらむと思日︵日＄1︶つ1る越・さ　　れと・遣と本︵本＝0を︶可り遣りといふ・ね多り个るこゑの1・し　　とけな2き・いとよく尓可よひ多れ者・いもうと 0232︻いとよくにかよひ︼―＼<合点>　サキノ十二三ノ子ニ似カヨフ也 0233︻いもうと︼―＼<合点>　アネヲモイモウトヽ云　　ときゝ給つ1・ひさし尓そ2・お1ほとのこもりぬる・ 0234︻ひさしにそおほとのこもりぬる︼―＼<合点>　源氏ノ事　　をと尓きゝつる御あ里さま越・見堂てまつ　　りつる・け尓こ2そ2めて多可里遣れと・みそ2可尓いふ・　　ひるならまし可は・のそ2きてみ多て万つりてま 0235︻ひるならましかは︼―女　　しと・ねふ多遣尓いひて・可本ひきいれつるこゑ﹂︵45オ・68�C︶　　す・ね多う・心とゝめても・とひき遣可しとあちきな2く　　おほす・まろ者ゝし︵ゝし＝0こゝ︶尓ね侍らむ・あなくるしと 0236︻まろは︼―＼<合点>　小君　　て・日可ゝけな2とすへし・女きみ者・堂ゝこの1さう　　しくち・春ち可ひ多る本と尓そ2布し多るへき・　　中将の1きみ者・いつ1く尓そ2・人遣と越き心ちして・　　物おそ2ろしといふなれ者・な遣しのしも1尓・人〳〵　　布して・いらへ須也・しも1尓︵尓＄2や尓︶ゆ尓お1りて・堂ゝいま　　まいらむと侍といふ・み那しつまり堂る︵多る＝0ヌ︶遣者ひ　　な2れハ・可遣可ね越心み尓ひきあ遣給へれ者・あ那﹂︵45ウ・68�H︶　　堂より者さゝさり遣り・き丁をさうしくち尓　　者多てゝ・火者本のくらき尓み給へは・可らひつ1・多　　つ物ともを・ゝき堂れ者・み堂り可者しき中を　　王遣いり給︵給＋1てけ者ひ志徒る所尓入給へ連ハ︶へれ者︵へれ者＄3︶・堂ゝ日とり・いとさゝや可尓て布　　し多り・な1ま王つら者しけ个れと・うへなるきぬを　　しやる万ても1と免つる人と思へり・中将免しつ1れ 0237︻もとめつる人︼―＼<合点>　中将君 0238︻中将︼―＼<合点>　源氏官中将也　　者な1む・人しれぬ思日のしるしある心ちして　　との給越・とも1可くも1思日王可れす・物尓・をそ2ハるゝ　　心ちして・やとをひゆれと・可を尓きぬのさ者りて﹂︵46オ・69�@︶　　をとにも多て須・うちつ遣尓・ふ可ゝらぬ心の本とゝ・　　み給らむ・事者り那れと・ゝしこ2ろ思日わ多る　　心のうちも1・きこえしらせむとてな1む・可ゝる越　　里越まちいて堂るも・さらに・あさく者・あらし　　と・思なし給へハ︵ハ＄1と︶・いとや者ら可尓の1給て・お1尓可みも1 　　・あらたつ1ましき个者ひな1れ者・ゝし堂那く・こ　　こ尓人︵人＋1の︶ともえのゝしらす・心ち者多わ日︵日＝0ひ︶しくある　　ましき事と思へ者・あさましく・人堂可へ尓こ　　そ2・侍めれといふも1・いきの1し堂也・きえまとへ﹂︵46ウ・69�E︶　　る遣しき・いと心くるしく・らう多遣な1れ者・越可　　志とみ給て・多可ふへくもあらぬ・心のしるへを・思　　者須尓も・お1ほ免い給可那・すき可ましきさ万　　尓者・よ尓︵尓＝0も︶みえ多てまつらし・お1もふ事春こし・　　きこゆへきそ2とて・いとちゐさや可な2れ者・可き　　い堂きて・さうしのもと︵と＋0ニ︶いて給尓そ2もと免つる中　　将堂つ1人きあひ堂る・やゝとの給尓・あやしくて・　　さくりより多る尓そ2・いみしく尓本ひみちて・可　　本尓も・くゆり可ゝる心ちする尓・お1もひよりぬ・あさ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ましう﹂︵47オ・69�J︶ 0239︻あさましう︼―＼<合点>　中将　　こ者・い可なる事そ2と・お1もひ万と者るれと・きこえむ　　可多な1し・なみ〳〵の人ならはこ2そ2・あらゝ可尓も1・ 0240︻なみ〳〵の人︼―＼<合点>　次々人也　　ひき可な2くらめ・そ2れ堂尓・人のあま多しらむ者・　　い可ゝあらむ・心も1さ者きて・志多ひ︵ひ＝0イ︶き堂れと・ゝう　　も1なくてお1くなるお1まし尓いり給ぬ・さうし越　　ひき堂てゝあ可月尓御む可へ尓・もの1せよとの給へ　　者女者・この人の思らむ事さへしぬ者可り・わ里 0241︻この人︼―＼<合点>　女中将　　那き尓・な可るゝまてあせ2︵せ2＝0せ︶尓なりて・いとなやま　　し个那る・いと越し个れと・れいの1いつこよりとうて﹂︵47ウ・70�B︶ 0242︻いとをしけれと︼―＼<合点>　源氏　　給事の者尓可あらむ・あ者れしらる︵る＄2流ゝ︶者可りなさけ　　なさけしく・の給つ︵つ＝0ヒツ︶く春へ可めれとな越いとあ　　さましき尓うつゝともお1ほえ須こ2そ2可春那ら　　ぬ身な2可らも1・お1ほしく堂し遣る1御心者えの本　　ともい可ゝあさく者・思ふ多まへさらむ・いと可やう　　なる・き者ゝき者とこ2そ2・侍へ︵へ＋0ル︶なれとて・可くを　　し堂ち給へるを布可くなさけな1く・うしと　　思いり多るさまも・个尓いと越しく・心者つ可しき　　个者ひなれ者・そ2のき者〳〵を・ま多しらぬうひ﹂︵48オ・70�G︶ 0243︻そのきは〳〵︼―＼<合点>　源氏　　事そ2や・中〳〵をしなへ堂るつ︵つ＝0ふ︶ら尓・思なし給へる　　なむう多てあり遣る・をの1つ可らきゝ多まふや　　うも1あらむ・あ那可ちな1るすき心者さらにな2ら　　者ぬを・さるへき尓や・个尓可くあ者められ︵れ＝0ふ︶・多て　　万つるもこ2と者りなる・心万とひを・身つ可らもあやし　　きまてなむなと・万め多ちてよろつ1尓の1給へと・　　いと多くひなき御あ里さまの・いよ〳〵うちと遣　　きこえむ事わ日し个れ者・すくよ可尓・心つ1きな　　しと者みえ堂て万つるとも1・さる可多の1・いふ可ひ﹂︵48ウ・70�L︶　　な1き尓て・すくしてむと思て・つ1れな2くの1ミもて　　那し堂り・人可らの1堂をやき堂る尓・つ1よき　　心越しゐてく者へ堂れ者なよ堂遣の1心ちして・　　さす可尓お1るへくも1あら須・万こ2とに心やましくて　　あな可ち那る・御心者え越・いふ可多なしと思日︵日＋0て︶・な2く　　さまなといとあ者れ也・心くるしく者あれと・みさら 0244︻心くるしく︼―＼<合点>　源氏　　まし可は・くち越し可らましと・お1ほ須な1くさめ可　　多く・うしと思へれ者なと・可くうと満しき物尓　　しも1・お1ほすへき・お1ほえな1き佐まなるしも1﹂︵49オ・71�C︶　　こそ2・ちきりあるとは・思日堂ま者免・むけ尓　　よ越思しらぬやう尓・をほゝれ給な2む・いとつ1ら　　きとうらみられて・いと可く・うき身の本とのさ多 0245︻いとかく︼―＼<合点>　女　　まらぬ・あ里しな可らの身尓て・可ゝる御心者え越　　みまし可は・あるましき・我堂のみ尓てみな　　お1し給・のちせ越も︵越も＝0モヤト︶・思給へなくさめましを・ 0246︻のちせをも︼―＼<合点> 　　いと可う可りなるうきね能本と越思侍尓・多く　　ひなくお1もふ給へ万とはるゝ也・よしいまは・み 0247︻みきとなかけそ︼―＼<合点> 　　きと那・可个そとて・思へる佐ま・个尓いとこと者り﹂︵49ウ・71�I︶　　な里をろ可な2らすちきりな1くさめ給こ2とお1 　　ほ可るへし・と里も1なきぬ・人〳〵越きいてゝ・　　いと・いき多な2可り遣る1夜可那・御くる万ひき 0248︻いきたなかりける︼―＼<合点>　ツヨクネラレタル也　　いてよなといふ也・可みも1・いてきて・女なとの御可多　　多可へこ2そ2・よふ可く・いそ2可せ給へき可者那といふ　　もあり・きみは・ま多可やうのつ1いてあらむ事　　も1・いと可多く︵く＄2し︶・さし者えて者・い可て可御ふみな　　とも可よ者むこ2との・いとわ里那き越・お1ほす　　尓・いと・むねい多し・お1くの・中将もいてゝ・いとくるし﹂︵50オ・72�@︶　　可れ者ゆるし給ても1又・ひきとゝ免多まひつゝ・　　い可て可きこゆへきよ尓しらぬ御心のつらさも・あ　　者れも・あさ可らぬ・夜︵夜＄2世︶の思いて者・さ万〳〵めつら可な　　るへき・堂免し可な1とて・うち那き給个しき・いと　　なま免き堂り・とりも1し者〳〵な1く尓・心あ者多ゝ　　しくて　　　　つ1れな2き越うらみも者てぬしのゝめ尓 0249︻つれなきを︼―源氏　　　　と里あへぬ万ておとろ可すらむ女身のあ里　　さま越お1もふ尓・いとつ1きな1くま者ゆき心ち﹂︵50ウ・72�F︶　　して・めて多き・御もて那しも1・な尓ともお1ほえす　　つ1ね者・いとすく〳〵しく・心つ1きなしと思あなつる・いよ　　の可多の1︵の1＋0ミ︶思やられて・ゆめ尓やみゆらむと・そ2らおそ2 　　ろしくつ1ゝまし　　　　身の1うさ越な遣く尓あ可てあくる夜者 0250︻身のうさを︼―女返し　　　　とり可さねてそ2ねもな1可れ遣る1 　　こ2とゝあ可くなれ者・さうしくちまて・をくり給・　　うちも・とも・人さ者可し个れ者・ひき堂てゝ・わ可れ︵れ＋0入︶　　給本と・心本そ2くへ多つるせきとみえ多り・御なをし﹂︵51オ・72�J︶ 0251︻へたつるせき︼―＼<合点> 　　なとき給て・み那見の・可うらん尓し者し・うち那　　可免給・尓しをもての1・可うしそ2ゝきあ遣て・人〳〵・　　のそ2くへ可める・すのこの1中の本と尓・多て堂るこさ　　うしの可みより・本の可尓みえ給へる御あ里さま越・　　身尓しむ・者可り思へるすき心ともあめり・月者　　あ里阿遣尓て・日可りおさまれる物可ら・可本︵本＄2遣歟︶个さ　　や可尓みえて・中〳〵越可しきあ遣本の1也・な尓心な2き　　そ2らの1遣しきも・堂ゝみる人可らえむ尓も・すこ 0252︻えむに︼―艶　　くもみゆる也个り・人しれぬ御心尓者・いとむねい堂﹂︵51ウ・73�B︶　　く・こ2とつ1てやらむ・よす可堂尓なき越と可へり　　見可ち尓て・いて給ぬ・殿尓返給ても・とみ尓も・万　　とろ万れ給者す・又あひみるへき可多那き越・ま　　して・可の人の1思布らむ心のうち︵ち＋0を︶い可ならむと心 0253︻かの人︼―＼<合点>　空蝉　　くるしく思日やり給・すくれ多る事者な遣れと・免　　や春く・もてつ1个ても・ありつるな可の志な可那・　　くまなくみあつ1免多る人の1い日しことは・个尓と　　お1ほしあ者勢られ个り・この本とは・大殿尓のみ　　お1者します・なをいと可き堂えて・思ふらむ事﹂︵52オ・73�G︶ 0254︻いとかきたえて︼―＼<合点>　空蝉　　の1いとお1しく・御心尓可ゝりてくるしく・お1ほしわひて　　きの可み越めした里・かの1あ里し・中納言のこ者・え 0255︻中納言︼―右衛門督同人也 0256︻こは︼―小君　　佐せ2てむや・らう多遣尓みえし越・身ち可くつ1可ふ　　人尓せむ・うへ尓も・われ堂て万つらむとの1多まへは・　　いと可しこきお1ほせ2事尓侍︵侍＋0ル︶な2り・あねなる人尓・の　　多まひみむと申すも・むねつ1布れてお1ほせ2と・　　そ2の1あねきみ者朝臣の1・お1とうとやも多るさも　　侍ら須・この二年ん︵年ん＄0とせ︶者可りそ2・可くてもの1し侍へれと　　お1やの1をきてに・多可へ里とお1もひな遣きて﹂︵52ウ・73�L︶　　心ゆ可ぬやう尓な1む・きゝ給ふる・あ者れの1事や・よろ　　しく・きこえし人そ2可し・万こ2とによしやとの1給へ者　　遣しう者ゝへらさるへし・もて者那れて・うと〳〵し 0257︻もてはなれて︼―紀伊守詞　　く︵く＝0ウ︶侍へれ者・よの多とひ尓て・むつ1ひ侍ら須と申　　す・さて五六日あ里てこのこ・ゐて万いれり・こ万や可　　尓・お1可しと者な1遣れと・なまめき多るさまし　　て・あて人とみえ堂り・めしいれて・いとな1つ可しく可多　　らひ給・わら者心ち尓・いとめて多くうれしと思ふ・い　　もうとのきみの1事も1・く者しくとひ給・さるへき﹂︵53オ・74�D︶　　事者いらへきこえなとして・者つ可し个尓しつまり　　堂れ者・うちいて尓く志・されといとよくいひしら勢　　給・かゝるこ2とこ2そ2者と・本の1心うるも・思日の本可なれと・　　お1さな心ち尓・布可くしも1堂とら須・御文をもて　　き堂れ者・女あさましき尓・な1み多も1いてきぬ　　このこの1お1もふらむ事も・者し堂那くて・さす可尓　　御ふみをゝも可くし尓・日ろ遣堂り・いとお1ほくて　　　　みしゆ免越あふよあ里やとな遣くま尓　　　　免さへあ者てそころも1へ尓遣る1﹂︵53ウ・74�I︶　　ぬるよな遣れ者なと・免もをよ者ぬ御可き佐 0258︻ぬるよなけれは︼―＼<合点>恋しさのなに1ゝ徒个て可な2／くさ満ん／夢多︵多＄1︶に1︵に1＋1モ︶ミえ春ぬるよな2个れハ／レテモアル也︵付箋02︶　　まも・き里ふ多可りて心えぬ・すくせうちそ2へり个る 0259︻きりふたかりて︼―目モキリテ　　身︵身＋0を︶・おもひつゝ遣て布し給へり个る︵个る＄1︶ま多のひ・　　こきみ免し堂れ者・万いるとて・御返こふ・可ゝる　　御文みるへき人もなしときこえよと・の給へ者・う　　ちゑみて堂可ふへくも・の1給者さりし物を・い可ゝ　　　さ者申さむといふ尓・心やましく・のこり那くの1 　　堂ま者勢しらせ2て遣ると・お1もふ尓つ1らき事　　可き里なし・いて越よすけ堂る1事は・い者ぬ　　　　　　　　　　　　　　　　　　そ2よき﹂︵54オ・75�A︶　　さ者・な万いり給︵給＄2︶そ2と・むつ可︵可＋0ら︶れて・めす尓者・い可て可とて　　万いりぬ・きの可みすき心尓・この1まゝ者ゝ能あ里さ　　まを・あ多らしきもの尓思て・つ1いそ2うしあ里遣　　は・このこ越・もて可しつきてゐてあ里く・きみ　　免しよ勢て・きの1ふまちくらしゝを・なをあひ　　思ふましきな2免りと・ゑんし給へは・可本うちあ　　可めてゐ多り・いつらとの堂まふ尓・し可〳〵と申すに　　いふ可ひな1の1事や・あさましとて・又も給へり・あこ　　者しらしな2・そ2のいよの1・お1き那よりはさき尓﹂︵54ウ・75�F︶　　みし人そ2・されと・堂の1もし遣那く・ゝひ本そ2し　　とて・ふつゝ可な2るうしろみまうけて可くあなつ 0260︻ふつゝかなる︼―＼<合点>　ケスシキ也　　り給な免里・さりとも1・あこ者・わ可こ尓てを︵を＄2︶あれ　　よ・こ︵こ＝0可︶の1たのもし人者・ゆくさき・みし可ゝりな1む　　との給へ者・さもやあ里遣むい見し可り遣る事　　可な2と思へる・お可しとお1ほす・このこ越・万つ1者し　　給て・うち尓もゐて万いりなとし給・わ可御︵御＄2︶みく　　し遣殿尓の1堂まひて・さうそ2くなとも1 　　せ佐せ2・万こ2と尓お1やめきてあつ可ひ給・御ふみ者﹂︵55オ・75�K︶　　つ1年尓あ里・されとこ能こもいと・お1さ那し・心より 0261︻されと︼―女　　本可尓・ちりも1せは・可ろ〳〵しき・名さへとりそ2へむ・身　　の1お1ほえ越・いとつきな可るへく思へ者・免て多き　　こ2とも1・わ可身可らこ2そ2と思て・うちとけ多る御いらへ　　もきこえす・本の可な2里し御遣者ひあ里さま　　者遣尓那へて尓や者と・思いてきこえぬ尓はあ　　らねと・お1可しき佐まを・みえ堂て万つりても・な1 　　尓ゝ可者・那るへきなと・思可へ須なり遣り・きみ　　者お1ほし・をこ多る時のまもな2く・心くるしく﹂︵55ウ・76�C︶　　も・こ飛しくも1・お1ほしいつ1・思へりし気しき　　なと能・いと越しさも1・者る遣む可多な2く・お1ほ　　し王多る・可ろ〳〵しく・者ひまきれ堂ちよ　　り給者むも1・人免し遣可らむとこ2ろ尓・ひんな2き　　布る万ひやあら︵ら＋1者れ︶むと・日との1堂免も・いとお1しく　　とお1ほし王つらふ・れいのうち尓・日可すへ給こ2ろ・　　さるへき可多の・いみ・万ちいて堂まふ・尓者可尓・万　　可て給万ねして・道の本とよりお1者しまし堂り・　　きの可みお1とろきて・やり水の免︵免＋0い︶本くと・可しこ万り﹂︵56オ・76�H︶　　よろこ布・こきみ尓は︵は＄2︶日る︵日る＝0ヒル︶より・可くなむ・思よ　　れるとの給︵給＋0ヒ︶ちきれり・あ遣くれまつ者し・ならし　　給遣れ者・こよひも・まつ免しいて多り・女も・さ　　る御せ2うそ2こあり遣る尓・お1ほし多者可りつらむ　　本と者・あさくしも1思なされねと・さりとて・う　　ちと遣・人个那きあ里さまを・みえ多て万つりて　　も1あちきな1く・ゆめのやう尓て・すき尓しなけき　　越又やく者へむと・思み多れて・なをさて万ち　　つ1遣・きこえ︵え＋0さ勢︶む事の1・ま者ゆ遣れ者・こきみ可﹂︵56ウ・76�M︶　　いてゝいぬる本と尓・いと遣ち可遣れ者・可多者ら　　い多し・なやまし个れ者・しのひて・うち多ゝ可せ　　なとせむ尓・本と者那れてをとて・わ多殿尓中将　　とい日し可・つ1本年し堂る可くれ尓・うつ1ろひぬ・さ　　る心して人・とくしつめて御せ2うそ2こあれとこき　　み者︵者＋0え︶多つねあ者須・よろつ1の1所・も1と免あ里き　　て・わ多殿尓わ遣いりて・可らうして多とりき堂り・　　いとあさましくつ1らしと思て・い可尓可ひな2しと・　　お1ほさむと・な2きぬハ可りいへ者・可く个し可らぬ所︵所＄1心︶﹂︵57オ・77�D︶　　者え︵者え＄2︶はつ可ふ物可・お1さ那き人の・可ゝる事・い日︵日＝0ひ︶つ1 　　堂ふる者・いミしくいむなる物をとい日をとし　　て・心ちなやまし个れ者・人〳〵さけすをさへさせ　　てな2むときこえさ勢よ・あやしと・堂れも〳〵　　みるらむとい日者那ちて・心のうち尓は・いと可くし　　な1さ多まりぬる身の・お1本え那らて・すき尓し　　お1やの御遣者ひと万れる布るさと那可ら・堂　　まさ可尓も・万ちつ1遣多て万つらは・お1可しうも　　やあらまし・ゝゐて思日しらぬ可本尓み遣つ1も1﹂︵57ウ・77�I︶　い可尓本としらぬやう尓お1ほすらむと・心な可らも1 　　・むねい多く・さ春可尓思日み多る・とても可くても1・　　いま者・いふ可ひな1きすくせ也个れ者・むしむ尓心　　つ1きな2くて・やみな2むと思者て多り・きみは 0262︻きみは︼―源氏　　い可尓・多者可りなさむと・万多・越さ那き越・うし　　ろ免多く万ちふし給へる尓・布ようなるよし　　をきこゆれ者・あさましく・めつら可なり遣る　　心の本と越・身も1いと者つ1可しくこ2そ2なりぬれと　　いと・〳〵お1しき御个しき也・と者可り物もの給者須﹂︵58オ・78�A︶　　・い堂くうめきてうしとお1ほし堂り　　　　者ゝきゝの1心をしらてそ2能者らの1道尓 0263︻はゝきゝの︼―源氏　　　　あやな1く万とひぬる可な2 　　きこえむ可多こ2そ2な1遣れと・の給へり・女もさ　　す可尓万とろ万さり个れ者　　　　可春那らぬ布せ2や尓お1ふる名の1うさ尓 0264︻かすならぬ︼―空蝉返し　　　　ある尓もあら須きゆる者ゝ木ゝ　　ときこえ堂り・こきみ・いと・〳〵越しさ尓・ねふ　　　多くもあらて・万とひあ里く越・人あやしと﹂︵58ウ・78�F︶　　みるらむと︵と＋1女イ︶・わ日給・れいの人〳〵者・いき多那き尓・ひ　　と所春ゝろ尓・春さましくお1ほしつゝ遣らる　　れと・人尓ゝぬ心さま能・な越・きえす多ちの 0265︻人にゝぬ︼―女ノコト　　本れり个ると・ね多く・可ゝる尓つ1遣てこ2そ2・心も　　とまれと・可つ1者お1ほしな1可ら・めさ満しく　　つ1ら遣れ者・さ者れとお1ほせ2とも1・さも1お1ほし 0266︻さはれと︼―＼<合点>　サラハニテアレトイフ心也　　者つ1ましく・可くれ堂らむ所尓・な越ゐてい遣・　　との1給へと・いとむつ可し个尓さしこ免られて・人　　あま多侍めれ者・可しこ个尓ときこゆいとお1しと﹂︵59オ・78�L︶　　お1もへり・よしあこ堂尓な1すてそ2との1多万ひて　　・御可多者ら尓布勢給へり・わ可くな2つ可しき　　御あり佐まを・うれしくめて多しとおもひ堂　　れ者・つ1れな1き人よりは中〳〵あ者れ尓お1ほさ 0267︻つれなき人︼―＼<合点>　空蝉　　るとそ2﹂︵59ウ・79�@︶︻奥入01︼万とのうちな2るほとハ　　　　　長恨哥
　　　　　楊家有女初長成　養在深宮人未識 伊行注 ︻奥入02︼かす可のゝわ可むらさきのすり衣
　　　　　しのふの1み多れ可きりしられす︻奥入03︼志可りとてとすれ者可ゝりかくすれハ　　　　　　　あな2いひしらすあふさきるさ尓﹂︵60オ︶︻奥入04︼はちすハの尓こり尓し万ぬ心もて　　　　　な2尓可ハつゆを多万とあさむく︻奥入05︼観身岸額離根草　論命江頭不繋舟 ︻奥入06︼飛きよせ者多ゝ尓ハよらて春駒の1 　　　　　つな2ひきするそ2な1者多つときく︻奥入07︼あす可井尓2やとりハすへしかけも1よく　　　　　みも1日もさむしみ万くさもよし︻奥入08︼いつら尓2可やとりとな2らむあさひこの　　　　　さすやを可への多まさゝのうへ﹂︵60ウ︶︻奥入09︼ちりを多尓すへしとそ思さきしより　　　　　いも1とわ可ぬるとこなつの花︻奥入10︼そ2れを多尓思ふこ2とゝてわ可やとを　　　　　見きとな2かけそ2人のき可く尓︻奥入11︼あふさ可の名をハ多のみてこし可とも　　　　　へ多つるせきのつらくもある可那︻奥入12︼こひしきをな尓ゝつ个て可な2くさ万む　　　　　夢多尓みえすぬるよな2けれハ　　　　　すゝ可山いせをのあ万のぬれ衣　　　　　志本な2れ多りと人や見るらむ︵空蝉01　竄入︶　　　　　とり可へす物尓も可那や世中を　　　　　ありしな2可らのわ可身とおも者ん︵空蝉02　竄入︶﹂︵61オ︶︻奥入13︼風俗　　　　　玉たれのかめをな可尓すへてあるし者もや　　　　　さ可那もり尓佐可那もとめ尓こゆるきのいそ尓2 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　わ可めかりあけ尓2 ︻奥入14︼催馬楽 　　　　　我家ハと者り帳も1多れ多るをお1ほきミき万せ　　　　　むこ尓せ2むみさ可な2尓な1尓よ个むあハひさ多を可　　　　　かせよ个んあは飛佐多を可かせよ个む︻奥入15︼二道
　　　　　父家居住せハ孝心可有男家居住せハ　　　　　嫂仕ヲせよといふ事也﹂︵61ウ︶︻奥入16︼三史　史記　漢書　後漢書
　　　　　五経　毛詩　礼記　左伝　周易　尚書
　　　　　三道　紀伝　明経　明法
　　　　　　　　　　　　　　　　已上伊行所注也 ︻奥入17︼布多つのみち　両途
　　　　　文集　秦中吟
　　　　　天下無正声　悦耳即為娯　人間無正色
　　　　　悦目即為妹<カホヨキ>　顔色非相遠<ヒカレル>　貧富則有殊<ナルコト> 　　　　　貧為時所<ラル>弃　富為時所<ラル>趁　紅楼富家女﹂︵62オ︶　　　　　　　金縷繍羅襦　見人不斂手　矯癡二八︵二八＝十六︶初
　　　　　母兄未開口　已<ニ>嫁<テハ>不須臾　緑窓貧家女
　　　　　寂寞二十余　荊釼不直銭　衣上無真珠
　　　　　幾廻人欲娉<ヨハムト>　臨日又踟躊　主人会良媒
　　　　　置酒満玉壺　四座且勿飲　聴我歌両途
　　　　　富家女易<ヤスシ>嫁　嫁早軽其夫　貧家女難嫁
　　　　　嫁晩孝於姑<シウトメ>　聞若欲<ナラハ>娶<トラムト>婦　娶<トラムコト>婦意女何﹂︵62ウ︶︵白紙︶﹂︵後見返︶