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若菜上
︻概要︼
・明融臨模本﹁若菜上﹂︵東海大学桃園文庫蔵︶は全文非定家筆本﹁若菜上﹂を臨模した写本であると考えられる。
・引き歌を注記した付箋が6枚貼付されているが、その筆跡は本文筆写とは別の筆跡と見受けられる書体である。また定家の筆跡とも別書体である。
・本行本文中の引き歌箇所に朱筆による合点︵掛け点︶はない。
・奥入が存在するが、その筆跡は定家筆ではない。
・和歌の書写様式は、﹁若菜下﹂とほぼ同様で、Ⅰ類A型﹁地の文から改行して、約2字下げて和歌を書き出し、上句と下句との間で改行をして、和歌の末尾に地の文を直接続けて書く﹂という形式︵①︶は1例のみ、Ⅲ類G型﹁地の文から改行して、約2字下げて和歌を書き出し、上句・下句の境以外の所で改行をして、和歌の末尾に地の文を直接続けて書く﹂という形式︵②③④⑤⑥⑦⑧⑨⑩⑪⑫⑭⑮⑯⑰⑱⑲⑳21222324︶が最も多く、﹁若菜下﹂には見られないⅣ類H型﹁地の文から改行して、約2字下げて和歌を書き出し、上句・下句の境以外の所で改行し、和歌の末尾を余白にする﹂という形式︵⑬︶もある。
・﹁若菜上﹂では、行頭に同字が並んだ場合に、書き分けている場合︵1オ8﹁佐﹂・9﹁さ﹂、6オ9﹁者﹂・10﹁ハ﹂・11﹁者﹂、6ウ9﹁を﹂・10﹁越﹂、7ウ10﹁あ﹂・11﹁阿﹂、9オ10﹁こ﹂・11﹁古﹂、20ウ5﹁堂﹂・6﹁た﹂、26ウ7﹁者﹂・8﹁は﹂、27オ7﹁可﹂・8﹁か﹂、30オ3﹁可﹂・4﹁か﹂、36ウ1﹁可﹂・2﹁か﹂、44オ6﹁を﹂・7﹁越﹂、48オ6﹁あ﹂・7﹁阿﹂、58オ4﹁多﹂・5﹁堂﹂、61ウ3﹁能﹂・4﹁の﹂、72ウ1﹁ひ﹂・2﹁飛﹂、73オ2﹁お﹂・3﹁お1﹂、78オ1﹁か﹂・2﹁可﹂、94オ4﹁な﹂・5﹁な2﹂、95オ6﹁ひ﹂・7﹁飛﹂、102ウ6﹁み﹂・7﹁見﹂、104オ﹁者﹂・2﹁は﹂、106ウ6﹁万﹂・7﹁満﹂︶と、そうではない場合︵3ウ3・4﹁し﹂、9オ1・2﹁し﹂、13ウ4・5﹁む﹂、33ウ7・8﹁む﹂、45ウ2・3﹁な2﹂、55ウ9・10﹁へ﹂、65ウ1・2﹁き﹂、72オ2・3﹁こ﹂、79オ7・8﹁い﹂、79ウ3・4﹁こ﹂、93オ3・4﹁も1﹂、108ウ4・5﹁き﹂、109オ5・6﹁こ﹂︶とが見られる。
︻凡例︼
1.漢字は漢字のまま翻字し、他の変体仮名字母と区別するために太字で表示した。
2.通行の平仮名の字母はそのまま平仮名で翻字した。
3.変体仮名はその字母で翻字した。
4.片仮名はそのまま片仮名で翻字した。
5.仮名や字母の崩し方が複数ある文字については、一般的な字形を基準にして、それより元の漢字に近い字形には﹁1﹂と付記し、また一般的な字形とも異なった別の崩し字形には﹁2﹂と付記した。
6.本行本文は10.5ポイントで表示し、書入注記や付箋等は9ポイントで表示した。
﹁わ可な2 上/三十四﹂︵題箋︶
﹁這表一枚明融御筆 琴山︵印︶﹂︵遊紙表貼紙︶
朱雀院のみ可とありしみゆきのゝちそのころを
飛よりれいな2らすなやミわ多らせ給も1とよりあ
徒しくお1者し万春うち尓この1多ひ者物心本
そ具お1ほしめされて年ころをこな2ひの本い布
かきをきさいの宮お1者しましつる本と者よろ徒
0001︻きさいの宮︼-弘徽殿
者ゝかりきこ江させ給てい万ゝてお1ほしとゝこ本り
徒るを猶その方尓も1よお1す尓やあらん世尓飛
佐しかる万しき心地な2ん春るな1との1多ま者せて
さ累へき御心まうけともせさせ給みこ多ちハ﹂︵1オ・1025⑥︶
春宮を越きて︵て$1︶多てまつりて女宮多ちな2
むよところお1者しまし个るそ能中尓ふち
つ本ときこ江しハ先帝の1源氏尓そお1ハし万
し遣る万多者うときこ江させし時万いり給
て堂可きくら井尓も1さ多万里た万︵+1う︶へ可りし
人のとり多て堂る御うしろみも1お1者せすハゝ
か多も1そ能春ちとな2くものハ可那き可うい者ら
にてものし多万飛个れハお1ほんましらひの本と
も1心本そ个尓ておほきさきのな2いしの可ミ越﹂︵1ウ・1025⑩︶
まいら勢多てまつり給て可多ハらにな2らふ人な1く
もてな2しきこえ給な2とせし本とに个をされてみ
0002︻みかと︼-朱雀院
可とも御心の1うちにいと越しきも能尓ハお1もひきこ
えさせ給な2可らお1りさせたまひ尓し可は可ひな2くゝ
ち越しく1てよのな可越うらみ多るやう尓てうせ
給尓しそ能御ハらの女三宮越あ万多の御中に
寿くれて可な2しきもの尓お1もひ可しつきゝこえ
多満ふそ能本と御とし十三四者可り︵+0尓︶お1者寿い万者
0003︻三︼-サウ
とそむきすて山こもりしな2むのちのよに多ちと
ま里て多れを多のむ可遣尓てものし多万者む
と﹂︵2オ・1026②︶
寿らむと堂ゝこの御ことをうしろ免多くお1ほ
しな2个く尓しや万な2る御てらつくり者てゝう
つ1ろ者せ給者ん本との御いそき越せ1させ給尓そへ
てま多こ能みやの御も1きのことをお1ほしいそ可せ
給院のうちにやむことな2くお1ほ寿御堂可らも1能
御てうとゝも1越ハさらにも1い者寿者可那き御あそ
ひもの万て寿こしゆへある可きり越ハたゝこの1
御可多にとりわ多し多て万つらせ1給てそのつき〳〵
をな2むことみこ多ちに者お1ほん所うふんともあり
个る春宮はかゝる御な2やみ尓そへて世越そむ可せ多﹂︵2ウ・1026⑧︶
満ふへき御こゝろつ1可ひ尓な2むとき可せ堂満ひて
わ多らせ給へり者ゝ女御そひきこえさせ給て万
0004︻はゝ女御︼-承香殿
いり給へり寿くれ多る御お1ほえ尓しも1あらさりし
可と宮の可くてお1者し万す御春寿くせのかきりな2くめ
て多个れハとしころの御も1の1可多りこ満や可尓き
こえさせ給遣りみや尓もよろつ1のこと世越多も1ち給
者む御心つ1可ひな2ときこえしらせ給︵+1御年の程よりハいとよくおとな2ひさせ給て1︶御うしろみともゝ
こな2多可な1堂可ろ〳〵し可らぬな2可らひ尓も1能し多
満へハいとうしろや寿く思ひきこ江させ給このよ尓
うらみのこることもハへらす女御︵御$1宮︶多ち能あま多能こ﹂︵3オ・1026⑭︶
りとゝ万るゆくさき越お1もひやるな2むさらぬわ可れ尓
も1本多しな2りぬへ可り个るさき〳〵人のうへ尓みきゝ
し尓も1をん那盤心より本可にあハ〳〵しく人尓お1と
︵+0志めらるゝすくせあるな2んいとくちお1︶しく可な2しきいつれをもお1もふやうな2らん御よ尓
はさ満〳〵尓つけて御こゝろとゝ免てお1ほし多つね
よそ能な2可にうしろみな2とあるハさる可多にも1
お1もひゆつ1り者へり三宮な2んい者个な2きよ者
ひ尓て多ゝ飛とりを多のもしきものとな2らひて
うちすてゝんのち能よに多ゝよひさすらへむこと
いと〳〵うしろ免多く可な2しく者へると御めを﹂︵3ウ・1027⑥︶
しの︵+0ひ、ひ$2︶こひつ1ゝきこえしらせさせ給女御尓も1心
心︵心$1︶うつ1くしきさ満尓きこえつけさせ給されと女
御の人よりハまさりてとき免き給しにミ那
いとみ可ハし給し本と御な2可らひとも1えうるハし
可らさ里し可はそのな2こり尓てけ尓ハ︵ハ$1︶い万ハわさ
とにくしな2とハな2くとも1まことに心とゝ免てお1
もひうしろ見むと万て盤お1ほさすもやとそ
越し者可らるゝかしあさゆふ尓この御事をお1ほ
しな2个くとしくれゆく万ゝ尓御な1やみま
こと尓をもくな2り万さらせ給てみ春のと尓も﹂︵4オ・1027⑫︶
いてさせ給者寿御も1のゝ个尓てとき〳〵な2やみ︵み$1ま︶
せ給ことも1ありつれといと可くうち者へをやミな2
きさ満尓ハお1者し万さゝりつ1るをこの多ひハな2
越可きりな2りとお1ほし免し多里御く1ら井をさ
らせ給つれと猶そのよに多のみそめ︵+1たて万つり︶多満へる人〳〵
はい万も1な2つ1可しくめて多き御ありさ万越心や
里所に万いりつ可う万つり給可きりハ心をつ1くして
越しみきこえ給六条院よりも1お1ほむと布らひ
しは〳〵ありみつ1可らも1まいり給へきよしきこ﹂︵4ウ・1028③︶
志免して院はいとい多くよろこひきこえさせ
給中納言のきみ万いり堂満へる越み春のうちにめ
しいれてお1ほむも1能か多りこ万や可な2りこ院
のうへのいまはの1きさみ尓あま多の御ゆいこむあ
里しな可にこの院の御事い万のうちの御事な2む
とりわきての給をきし越お1ほや遣となりてこと
可きりあり个れハうち〳〵の︵+0御︶心よせは可者らすな2可ら
者可那きことのあや万り尓心を可れ多て万つることも1
あり个むとお1もふをとしころことにふれてそ能うら
み能こし給へる个しきをな2むもらし給者ぬさ可﹂︵5オ・1028⑨︶
しき人といへとみのうへにな2りぬれハこと多可ひて
心うこき可な2らすそのむく井ミえゆ可免ること那む
い尓しへ多尓おほ可り个るい可な2らむお1り尓可その御
こゝろハへ本ころふへ可らむとよ能ひともお1もむ个う多
可ひ个る越つい尓し能ひすくし給て春宮な2とにも
心をよせきこえ給い万ハ多又な2くし堂し可るへき
な2可とな1りむつ1日可者し給へるも1可きりな1く心尓は
お1もひな2可ら本上のお1ろ可なる尓そへてこのみち能
やみ尓多ち万し里可多くな2ゝるさ満尓やとて中〳〵
よそのことにきこえ者那ち多るさ万尓て者へるうち﹂︵5ウ・1029②︶
の御事ハ可能御ゆいこん堂可へ寿つ可う万つ1り
越きてしかは可く春ゑのよに︵に$1の︶あきら个きゝみとし
てきし可多の御お1もて越も1おこし給ほいのこと
いとう連しくな2むこの秋︵+0の︶行幸のゝちい尓しへの
ことゝりそへてゆ可しくお1ほつ可那くな2むお1ほえ
給多いめん尓きこゆへきことゝも1者へり可な2らすみつ1
可らと布らひも1のし給へきよしも1よ越し申給へ
な2とうちし本多れつ1ゝの給ハす中納言のきみすき
者へり尓个む可多はとも可くも1お1もふ多万へわき可多く
ハへりとし万可りいりハへりてお1ほやけ尓もつ可う万つ1り
者へるあひ多よのな2可のこと越見給へ万可りありく本と﹂︵6オ・1029⑨︶
尓者大小のこと尓つけても1うち〳〵のさるへきも1の1可多
里な2との︵+0つ︶いて尓もい尓しへのうれハしきことありて1
な2むな2とうち可すめ申さゝる︵ゝる=0ル丶︶をり︵+0ハ︶者ゝへらすな1む
可くお1ほや个の御うしろ見越つ1可う万つ1りて︵て$1︶さし
てしつ1可なるお1もひ越可な2へむと飛とへ尓こもり
ゐしのちはな2尓こと越も1志らぬやう尓てこ院
の御ゆいこんのことも1えつ1可う万つ1らす御くら井尓
お1ハし万しゝよにハよ者ひの本ともみのう徒ハも1のも1
をよ者寿可しこき可見の人〳〵お1ほくてその心さし
越と遣て御覧せらるゝこともな2可りきい万可く万つ1り
ことをさりてしつ1可にお1ハ志ますころ本ひ心のう﹂︵6ウ・1030②︶
ちをもへ多てな2く万いりうけ多満者ら満本しきを
さす可にな2にと那くところせき身のよそ本ひ尓
ておのつ1可ら月ひをすくすことゝな2むをり〳〵な2け
き申給な2とそうし給廿尓も万多わつ可な2る本とな2︵な2$1︶
0005︻そうし給︼-﹂<朱段落符号>
な2れといとよくとゝのひすくして可多ちも1さ可りにゝ
本ひていミしくきよく︵く$1ら︶な2る越御免にとゝ免てう
ち満もらせ給つ1ゝこのもてわつ1らハせ給ひ免宮の
御うしろみ尓これをやな2と人しれすお1ほしより个り
お1ほきおとゝのわ多り尓い万はすミつ1可れ尓多り
と那としころ心えぬさ満尓きゝし可いと越し可りし
越みゝやすきものから︵ら&1ら︶さす可にね多くお1もふことこ﹂︵7オ・1030⑧︶
そあれとの給ハする御个しきをい可尓の給者する尓とあ
やしく1お1もひめくらす尓このひ免みや越可くお1ほ
しあつ1可飛て1さるへき人あらはあつ1个て心や寿
く1よをもお1もひ者那連者やとな2むお1ほしの給者す
るとお1の1つ1可らも里きゝ給多よりあり个れハさや
うのすち尓やとはおもひぬれと布と心え可本にも1な2
尓可はいらへきこえさせむたゝ者可〳〵しくも者へらぬ
み尓ハよるへも1さふらひ可多くのミな2むと者可りそうし
てやミぬねう者うな2とハのそきて見きこえていと
あり可多くも1みえ給可多ちようい可那あ那めて多な2と
阿つ1万りて起こゆるをお1いしらへるはいてさりとも1可能﹂︵7ウ・1030⑬︶
院の可者可りにお1者せし御ありさ万尓ハえな2すらひ
きこえた万ハさめ里いとめもあやにこそきらよにも能し給
し可な2といひしろふをきこしめして万ことにかれハ
いとさ満こと那里し人そ可しい万ハ又そ能よにもねひ
万さりてひ可るとはこれをいふへき尓やとミゆる尓本
ひな2むいとゝく者ゝり尓多るうる者し多ちて者可〳〵し
き可多に見れ盤いつ1くしく1あさや可尓めもをよ者寿︵寿$1ぬ︶
心ちする越又うちと个て多者ふれことをもいひみ多
れあそへハそ能可多につ1个てハ尓るも1のな2くあい行つき
な2つ1可しくうつくしきことのな2らひな2らひ︵な2らひ$3︶な2きこそよに
あり可多个れな尓ことにも1さきのよお1しハ可られてめつ1ら可﹂︵8オ・1031⑨︶
なる人のありさ満な2り宮のうちにお1ひいてゝていわ
うの可きりな2く可な2しきもの尓し給日さ者可りな2
て︵+0かし︶つ1き身に可へてお1ほし多里し可と心の万ゝ尓も1越こ
らすひ个して廿可うちにハ納言尓もな2らすな2り尓き可し
飛とつ1あ万りてやさい将尓て大将可遣多万へり个む
それ尓これハいとこよ那くすゝ見尓ためるはつき〳〵の
このよ能お1ほえ能万さる那めり可し満ことに可しこき
可多のさえ心もち井な2とはこれも1おさ〳〵お1とる満しく
あや万りても1およす遣万さり多るお1ほえいとこと那めり
可し︵可し$1︶な2とめてさせ給日め宮のいとうつ1くし遣尓てわ可く
0006︻ひめ宮︼-女三
な2尓心な2き御ありさ満な2る越見多て万つ1り給尓も1みハや﹂︵8ウ・1032②︶
し多て万つり可つ1者又可多お1ひな2らんことをはみ可くしを
しへきこえつ1へ可らむ人のうしろやす可らむにあつ遣きこ
え者やな2ときこえ給お1と那しき御免のとゝも1めしいてゝ
御もきの本とのこと那との多満者するついて尓六条のお1とゝ
の志きふ卿のミこのむ寿免お1ほし多て个むやうに
この宮をあつ1可りて者くゝ万む人も可な2堂ゝ人のな可
に盤あり可多しうち尓ハ中宮さ布らひ給つ1き〳〵の女御
多ちとてもいとやむこと那き可きりも1能せらるゝに者可〳〵
しきうしろミな2くてさやうの万しらひいとな2可〳〵な2らむ
この権中納言のあそむの飛とりありつ1る本とにうち可す免て
古そ心ミる︵る$1︶へ可り个れわ可个れといときやうさくにおひさ
き多のも1し个れ︵れ$1︶なる人尓こそあめるをとの給者す中納言﹂︵9オ・1032⑪︶
者もとよりいと満め人尓てとしころも可能わ多り尓心を可
个て本可さ満尓おもひうつ1ろふへくも1者へらさり遣る尓
そ能お1もひ可な2ひてハいとゝゆるく可多者へらし可能
院こそな2可〳〵なをい可那る尓つ个ても1人をゆ可し
く1お1ほし多る心者多えすも1のせ1させ給な2れ所
の中尓もやむこと那き御ね可ひふ可くて前さい
院な2とをも1い万にわ春れ可多くこそきこえ給な2
れと申すいてそのふりせぬあ多遣こそはいとうし
ろめ多个れとハの給者すれとけ尓あ万多のな2可に可ゝつ1らひ
てめさ満しかるへきお1もひハありとも1猶や可てお1やさ万に
さ多め多る尓てさもやゆつりをきゝこ江︵ゝこ江$1聞え︶満しな2ともお1本﹂︵9ウ・1033④︶
しめすへし万ことにすこしもよつ1きてあらせむ
とお1も者む女こも多らはおな2しくは可能人のあ多り
にこ所ふれ者ゝせ満本し个れいく者くな2らぬこのよ能あ
ひ多はさ者可り心ゆくありさ満尓てこそすくさ満本
し个れわれ女な2ら者お1な2しハら可らな1りとも可な2ら
すむつ1ひより那ましわ可ゝりしときな2とさな2むお
ほえし万して女のあさむ可れむハいとこと者りそや
との給者せて御心のうちに可むのきみ能御事も1お1ほしい
てらるへしこの御うしろミともの中尓おも〳〵しき御めのと
のせうと左中弁な2る可の院のし多しき人尓てとしころ
つ1可う万つ1るあり个りこの宮尓も心よせこと尓てさ布らへハ﹂︵10オ・1033⑪︶
万いり多るにあ日ても能可多りするつ1いて尓うへな2むし可〳〵
御个しきありてきこえ給し越可能院尓をりあらハも1
らしきこえさせ給へみこ多ちハ飛とりお1者し万すこそ
盤れいのこと那連とさ満〳〵尓つけて心よせ多て万つ1りな2尓
ことにつ个ても御うしろみし給人あるは多のもし个
な2りうへをゝき多てまつりて又万心尓お1もひきこえ給へき
人もな2个れ盤越のらハつかう万つ1るとても1な2尓ハ可りのみや
つかひ︵ひ$1へ︶尓可あらむわ可心飛とつ1にしも1あらてお1のつ1可ら思
飛の本可能こともお1者しまし可る〳〵しきゝこえもあらむとき
に盤い可さ満尓可はわつらハし可らむ御覧春るよにとも可
くも1この御事さ多満りたらハつかう万つ1りよくな2むあ﹂︵10ウ・1034⑤︶
るへき可志こきすちときこゆれと女ハいとすくせさ多め可多
く1お1者し万すも1能な2れハよろつ1にな2个かしく可くあ
万多能御中にとりわきゝこえさせ給尓つけても1人のそ
ねミあへかめるをい可てちりも1すゑ多て万つ1らしと
可多らふ尓弁い可なるへき御事尓可あらん院ハあやし
き万て御心な1可く可り尓ても1みそめ給へる人ハ御心と万
り多るをも1又さしも1ふ可ゝらさり︵+0个る︶越も1可多〳〵につ1遣て
多つねとり給つ1ゝあ万多つとへきこえ給へれとやむこと
な1くお1ほし多るは可きりありて日と可多な2めれ盤
それ尓ことよりて可ひな2个な2るす万ゐし給可多︵+0〳〵︶こそ
ハお1ほ可めるを御寿くせありてもしさやうにお1者し﹂︵11オ・1034⑬︶
万すやうも1あらハいみしき人ときこゆとも多ち那
らひて越し多ち給ことは江あらしとこそハ越し
者可らるれと猶い可ゝと者ゝ可らるゝことありてな2むお1
ほゆるさるはこのよ能さかえ春ゑのよにすきてみ尓
心もとな2きことはな2き越女の1すち尓てな2む人の
もときをも1お1も︵も$1︶ひわ可心尓もあ可ぬことも1あるとな2ん
つね尓うち〳〵能すさひことにも1お1ほしの給ハすな2る个尓
をの︵+0れ︶ら可見多て万つる尓もさな2むお1ハし万す可多〳〵に
つけて御可遣に可くし給へる人見な2そ能人な2らす多ち
く1多れるき者尓ハも能し給者ねと可きりある多ゝ人とも
尓て院の御ありさ満尓な2らふへきお1ほえくし多るや者﹂︵11ウ・1035⑥︶
お1者すめるそれ尓越な2しくハけ尓さもお1ハし万さはい可尓
堂くひ堂る御あわひな2らむと可多らふをめのと又こと
のつ1いて尓し可〳〵な2むな尓可しのあそむに本のめ
0007︻しか〳〵なむ︼-朱ニ申
可し者へし可は可の院尓ハ可な2らすうけ个︵个$1︶ひき申
させ給てむとしころの御本い可な2ひてお1ほしぬへき
こと那るをこ那多の御ゆるしまことにありぬへくハつ1多
へきこえむとな2む申者へりし越い可なるへきこと尓可
者ゝへらむ本と〳〵につ1个て人のきわ︵わ=0ハ︶〳〵お1ほしわき万へつ1ゝ
0008︻ほと〳〵につけて︼-源ノ心ヲ云
あり可多き御心さ満尓も1の志給な2れと多ゝ人多に又可ゝつ1ら
ひ思人多ちな2らひ堂ることは人のあ可ぬことにしハ﹂︵12オ・1035⑬︶
へめるをめさ満しきこともや者へらむ御うしろみのそ
み給人〳〵ハあま多ものし給めりよくお1ほしさ多め
てこそよくハへらめ可きりな2き人ときこゆれとい万の
よのやうとてハミ那本可ら可にあるへ可しくてよのな可越
0009︻ほからかに︼-カシコキコト
御心とすくし給つ1へきもお1者し万すへ可めるをひめみや
ハあさ満しくお1ほつかな2く心もと那くのミみえさせ給
尓さ布ら婦人〳〵ハつ可う万つ1る可きりこそハへらめおほ
可多の御心越きてにし堂可ひきこえてさ可しきしも1
人もな2︵+0ひ︶きさふら婦こそ多よりあることに者へらす︵す$1め︶とり多て
堂累御うしろミものし給ハさらむハな越心本そきわさ﹂︵12ウ・1036⑥︶
にな2む者へるへきときこゆし可お1もひ多とるによりな2む
0010︻しかおもひ︼-朱詞
みこ多ちのよつ1き多るありさ満ハう多てあわ〳〵しき
0011︻よつきたる︼-私ノ男ヲツコト
やうにも1あり又多可きゝ者といへとも1をんな2ハお1とこ尓み
ゆる尓つけてこそく1やし个那ることも1めさ満しき
お1もひも1をのつ1可らうち万しるわさ那めれと可つ1ハ心く
るしくお1もひみ多るゝを万多さるへき人尓多ちをくれ
て多のむ可遣ともにわ可れぬるのち心を多てゝ世中尓
すくさむことも1む可しハ人の心多ひら可尓てよにゆるさる
万しき本とのことをハお1もひをよ者ぬものとな2らひ多り
遣むいまのよに盤すき〳〵しくみ多り可者しきこともるい﹂︵13オ・1036⑬︶
にふれてきこゆめり可しき能ふ万て堂可きおや能
いゑ尓あ可められ可しつ可れし人のむす免の个ふハな2お〳〵
しくゝ多れるきハの春きも1のとも尓な2を多ちあさ
む可れてな2き越やのおもてをふせ可けを者つ1可し
むる多くひお1ほくきこゆるいひもてゆ遣はミ那お1な2
な1︵な1$1︶しことな1り本と〳〵尓つ1个て春き︵き$1く︶せな2といふな累
ことはし里可多きわさな2れハよろつ1尓うしろめ
堂くな2ん春へてあしくもよくも1さるへき人の1
心尓ゆるし越き多る万ゝ尓て世中をすく寿ハすくせ〳〵
尓てのちの世尓おとろへあるときもみつ1可ら能あや﹂︵13ウ・1037⑤︶
万ちにハな2らすありへてこよな2きさい者ひありめや
春きこと尓なるおりハ可くても1あし可らさり个り
とミゆれと猶多ち万ちふとうちきゝつ1个多る本とハ
おや尓しられすさるへ起人もゆるさぬ尓心つ1可らのし
のひわさしいて堂るな2む女の身に盤万すことな2
ききすとお1ほゆるわさ那るなお〳〵しき多ゝ人のな2可
らひ尓て多にあ者つ1个く心つ1きな2きこと那里見つ1可ら
の心より者那れてあるへきにも1あらぬをお1もふ心より
本可に人尓も1みえす︵す=1△イ、△#1︶ゝくせの本とさ多められむな2むいと可
る〳〵しくみのもてな1しありさ満〳〵︵〳〵$2︶越しハ可らるゝこ﹂︵14オ・1037⑫︶
と那るをあやしくもの者可那き心さ満尓やとみゆ
める越︵越$1︶御さ満な2るをこれ可れの心尓万可せもてな2し
きこゆな1︵な1=1る︶さやう那ることのよにも里いてむこといとうき
ことな1りな2とみすて多て万つり給ハむのちのよ越うし
ろめ多遣尓お1もひきこえさせ多万へれハいよ〳〵わつ1らハ
しく思ひあへりい万すこしもの1をも1思ひしり
給本と満てみすくさむとこそはとしころ年むし
つ1るをふ可きほいも1とけすな2りぬへき心ちの春る尓
お1もひもよ本されてな2む可能六条のお1とゝは个尓さ
りとも1ゝ能ゝ心えてうしろやすき可多はこよ那可りな2﹂︵14ウ・1038④︶
むを可多〳〵にあま多ものせらるへき人〳〵をしるへき尓も
阿らす可しとても1可くても人の心可らな2りのと可尓お
ちゐてお1ほ可多のよの1多めしとも1うしろやすきか
堂はな2らひな2くものせらるゝ人な1りさらてよろし可
累へき人多れハ可り可はあらむ兵部卿の宮飛と可らは
めやすしかしお1な2しきすち尓てこと︵こと=1コト︶人とわき万へ
をとしむへき尓はあらねとあ万りい多くな2よひよし
めく本とにをもき可多をくれてすこし可ろひ多るお1ほえ
やすゝみ尓多らむ猶さる人ハいとたのもし遣な2くな2むあ
る又大納言のあそむのいゑつ1可さのそむな2るさる可多に﹂︵15オ・1038⑪︶
もの万めや可那るへきことにハあな2れとさす可にい可尓そ
やさやうにお1しな2へ多るき者ゝ猶めさましくな2むある
へきむ可しも可うやうなる江らひ尓ハな2尓ことも人尓こと
那るお1ほえある尓ことよりてこそあり个れ多ゝ飛とへ尓
ま多な2くもちゐむ可多者可り越可しこきことに思ひさ
多めむ盤いとあ可すく1ち越し可るへきわさ尓な2む右
衛も1んの可みのし多にわふな2るよしな2いしの可み
のものせられしそ能人者可りなむくら井な2とい万
すこしものめ可しき本とにな2り那ハな2と可はともお1も1
ひよりぬへき越ま多としいとわ可くてむ个尓可ろひ多﹂︵15ウ・1039③︶
累本とな2り堂可き心さし布可くてやもめ尓てす
くしつ1ゝい多くしつ1万里思ひあ可れる遣しき人尓は
ぬ个てさえ那とも1ことも1な2くつ1ゐ尓ハよの可多めとな2るへ
き人な2れハゆく春ゑも多のもし遣れと猶又この多め
にとお1もひ者てむ尓は可きりそあるやとよろつ1尓お1
ほしわつ1らひ多り可うやうにもお1ほしよらぬあねみや
多ちをハか个てもきこえな2やまし給人もな2しあや
しくうち〳〵にの給ハすゑの︵ゑの$3る︶御さゝめきことも1の越の1つ1
可ら飛ろこりてこゝをつ1くす人〳〵お1ほ可り个りお
ほきおとゝもこの衛門の可みのい万ゝて飛とりのみあり﹂︵16オ・1039⑩︶
てみこ多ちな2らすハ江しとお1もへるをかゝる御さ多免と
も1いてきたな2累おりにさやうにもお1もむ个多て万つりて
免しよせられ多らんときい可者可りわ可多免尓も1めむ本
く1ありてう連し可らむとお1ほしの給てな2いしの可む
のきみ尓は可能あねき多の可多してつ1多へ申給な2り
0012︻かのあねきたのかた︼-柏木ノ母朧ノアネ
个りよろつ1可きりな2きことの者越つ1くしてそうせさせ
御个しき多万者らせ給兵部卿宮は左大将のき多能
可多越きこえ者つ1し給てきゝ給らんところも1あり可多
本な2らむことはとえりすくし給にい可ゝハ御心の多ゝ︵多ゝ$1うこ可︶さらむ
可きりな2き︵き$1く︶お1ほしいられ多りとう大納言ハとしころ院﹂︵16ウ・1040②︶
のへ多う尓て新︵新=0シ︶多しき︵き$1く︶つ1可う万つ1里てさふらひな2れ尓
多る越御山こもりし給な2むのちよりところな2く心本
そ可るへきに古の宮能御うしろみ尓ことよせて可へりみ
させ給へく1御个しきせちに多満ハり給な2るへし権中納言
も可ゝることゝも1越きゝ給尓人つ1て尓も1あらすさハ可り
お1もむ个させ給へりし御个しきをみ多て万つ1り
てし可は越の1つ1可らたよりにつ1遣てもらしきこし
めさることもあらはよもゝて者那連てはあらし可し
と心ときめきもしつ1へ个れと女君のい万者とうちと
个て多のミ給へるをとしころつ1らき尓もことつ1遣つ1へ
可りし本と多に本可さ満の1心もな2くてすくしてし越あ﹂︵17オ・1040⑨︶
やにく尓いまさらに多ちかへり尓者可に物をやお1も者せ
きこえむな2の免な2らすやむことな2き可多にかゝつ1らひ
な2はな2尓こともお1もふ万ゝな2らてひ多りみきにやす可らす
ハわ可身もく1るしくこそハあら免な2ともとよりすき〳〵
し可らぬ心な2れハおもひしつ1めつ1ゝうちいてねとさす
可尓本可さ満尓さ多万り者て給者むも1い可にそやお1ほえ
てみゝ者と満り个り春宮尓もかゝることも1きこしめ
してさしあ多り多る多ゝい万のことよりものちのよの
た免しとも1なるへきこと那︵+1ルヲヨクオホシメシメクラスヘキ事也︶り人可らよろしとても1多ゝ
人者可きりあるを猶志可お1ほし多つ1ことな2らは可能六条﹂︵17ウ・1041②︶
0013︻人︼-ウト
院尓こそお1やさ満尓ゆつ1りきこえさせ給ハめとな2んわさ
との御せうそこニはあらねと御个しきあり个るを万ちき
可せ給ても1け尓さることな2りいとよくお1ほしの多満者せ
多りといよ〳〵御心堂ゝせ給て万つ1可の弁してそかつ1〳〵
あな2いつ1多へきこえさせ給个るこの宮の御こと可くおほ
しわつ1らふさ満盤さき〳〵もミ那起ゝお1き多満へれハ
心くるしきことにも1あ那る可那さ者ありとも院の御よ
0014︻心くるしき︼-源心
のゝこりすくな2しとてこゝにハ︵ハ=0も︶ま多いく者く多ち越く
れ多てまつるへしとて可その御うしろの事をハうけとり
きこえむ个尓し多いをあや万多ぬ尓てい万志者しの﹂︵18オ・1041⑨︶
本とものこりと満る可きりあらはお1ほ可多につ1遣ては
いつ1れのみこ多ち越も1よそき︵き$1︶尓きゝ者那ち︵+0多︶て万つ1る
へき尓もあらぬ︵ぬ$1子︶と又かくとりわきてきゝをきて︵て$1︶多て万
つ1りてむ越ハこと尓こそ盤うしろみミきこえめとお1もふ
越それ多にいとふ定な2るよのさ多免な1さなりやとの
0015︻ふ定︼-不定
給て万してひとつ1尓堂の万れ多て万つ1るへきすちに
むつ1ひな2れきこえむことはいとな2可〳〵にうちつゝきよ越
さらんきさみ心くるしくみつ1可らの多め尓もあさ可ら
ぬ本多しにな2むあるへき中納言な2とはとしわ可く可ろ〳〵
しきやうな2れとゆくさきとをくて人可らも1つい尓おほ﹂︵18ウ・1042②︶
や遣の1御うしみとも1な2りぬへき越飛さきな2めれハさも
お1ほしよらむ尓な2と可こよな2可らむされといとい多く
万免多ちてお1もふ日とさ多万りにてそあ免る︵る#1れ︶盤そ
れ尓者ゝ可らせ給尓やあらむな2との多万ひてみつ1可ら
はお1ほし者那れ多るさ満なる越弁はお1ほろ遣の
御さ多免尓も1あらぬをかくの多万へ者いと越しく
く1ち越しくもお1もひてうち〳〵尓お1ほし多ちに多
るさ満な2とく者しくきこゆれ盤さす可にうちゑ見
つ1ゝいと可な2しくし多て万つり給みこな免れハあな2
かちに可くきし可多ゆくさきの堂とりも1ふ可き﹂︵19オ・1042⑧︶
な2めり可しな2多ゝうちにこそ多て万つり給者め
やむこと那き万つの飛と〳〵お1者すといふことはよしな2
きこと那里それ尓さ者るへきことにも1あら寿可な2ら
すさりとてすゑの人おろ可那るやうもな2しこ院
の御時尓お1ほきさきの者うのハし免の女御尓ていき
0016︻いきまき︼-威勢ノ心
万き給し可とむ遣のすゑ尓万いり給へりし入道の
宮尓し者しハ越され給尓き可しこのみこの御ハゝ
0017︻このみこ︼-女三ノコト
女御こそハ可の宮の御者ら可らにものし給个め可多ち
も1さしつ1きにハいとよしとい者れ給し人な2りし可﹂︵19ウ・1042⑭︶
はいつ1可多につ遣ても1このひ免宮をしな2へて
のき者尓ハよもお1者せし越な2といふかしくはおも
ひきこえ給へしとしもくれぬ春さく院尓ハ御心ち
那をおこ多るさ満尓もお1ハし万さねハよろつ1あは
堂ゝしくお1ほし多ちて御も1︵+1き︶のことはお1ほしいそく
さ満きし可多ゆくさきあり可多个那る万ていつ1くし
くのゝしる御しつ1らひハかへ殿のにしお1もて尓御長︵御長$2︶御
0018︻かへ殿︼-カヤノ木ニテ作タル所
き丁より者しめてこゝの1あや尓しき万せさせ給
者春もろこしのきさきの可さりをお1ほしやりてうる
ハしくこと〳〵しく可ゝやく者可りとゝのへさせ給へ﹂︵20オ・1043⑥︶
り御こしゆひ尓ハお1ほきおとゝ越可ねてよりきこえ
させ給へり个れハこと〳〵しくお1ハする人尓て万いり尓くゝ
お1ほし遣れと院の御事越む可しよりそむき申給
者ねハ万いり給い万ふ多所の大臣多ちそのゝこり可む
0019︻ふた所の大臣︼-左右大臣
堂ちめな2とはわ里な2きさ者りあるもあな2可ち尓
ためらひ多す遣つ1ゝ万いり給みこ多ち八人殿上人
者多さらにも1い者春うち春宮のゝこらすまいり
つ1とひてい可めしき御いそきのひゝきな2り院の御
ことこの多︵多#1︶多ひこそとちめな2れとみ可と春宮をハ﹂︵20ウ・1043⑫︶
しめ多て万つりて心くるしくきこしめしつ1ゝくら
人ところをさめ殿のからも1︵も1$1︶もの1ともお1ほく多て万つ1
らせ給へり六条院よりも1︵+1御トフラヒイトコチタシ送リ物トモ︶人〳〵のろく尊者の大臣能
0020︻尊者︼-コシユイノ人ヲ云
御ひきいても1のな2と可の院よりそ多て万つ1らせ給遣
累中宮よりも1御さうそくゝしの者こ心こと尓て
0021︻中宮︼-秋好
うせさせ給て可能む可しの御くし阿遣の1くゆへ
0022︻むかしの御くしあけ︼-コレハ斎宮ニ立給シ時ノ具也
あ累さ満尓あら多免くハへてさす可にもとの心者江
も1うしな2者春それとみせてそのひ能ゆふつ1可多
たて万つ1れさせ給宮のこん︵+0の︶す个院の殿上尓もさふら﹂︵21オ・1044③︶
0023︻宮︼-中宮
0024︻院︼-朱雀ノコト
ふを御つ1可ひ尓て飛免みやの御可多に万いらすへく
能多万ハせつれとかゝることそ中尓あり个る
さしな2可らむ可し越いまにつ1多ふれは
0025︻さしなから︼-サナカラ也
た万のをくしそ可みさひ尓个る院こらんしつ1
个てあ者れ尓お1ほしいてらるゝこともあり个りあ
江も1能个しうハあらしとゆつ1りきこえ給へる本
とけ尓お1も多ゝしき可むさしな2れハ御可へりも1
む可しのあハれをハさしお1きて
さしつきにみるも1の尓も可よろつ1よ越つ1个の
0026︻さしつきに︼-朱
越くしの可ミさふる万てとそい者ひきこえ給へる﹂︵21ウ・1044⑧︶
0027︻かみさふる︼-末ヲ祝心
御心ちいとく1るしき越ねむしつ1ゝお1ほしおこし
てこの御いそきハてぬれハ三日すくしてつい尓御く1
しお1ろし給よろしき本との人のうゑ尓て多尓
いまはとてさ満か者るは可なし个なるわさな2れハ
ましていとあ者れ个尓御可多〳〵も1お1ほし万とふ
な2いしの1可んの君者つとさふらひ給ていみしくお
ほしい里多る越こしらへ可ね給てこを思道者
可きりあり个り可くお1もひしみ給へるわ可れの多
へ可多くも1ある可那とて御心ミ多れぬへ个れとあ
那可ちに御个うそくに可ゝり給て山のさすより﹂︵22オ・1045③︶
者し免て御いむことのあさり三人さ布らひて
0028︻御いむこと︼-戒法
ほう布くなと多て万つ1る本とこのよ越わ可れ給
0029︻ほうふく︼-法服 衣ノコト
御さ本うい見しくお1ほしいり多る越こしらへか
0030︻いみしくおほし︼-﹁<いみしくおほし以下削除符号>
ね給てこを思道者可きりあり个り可くお1もひし
み給へるわ可れの多へ可多くもある可那とて御心見多
れぬへ个れとあ那可ちに御けうそくに可ゝり給て山
のさすより者しめて御いむことのあさり三人さふら
ひてほう布くな2と多てまつ1る本とこのよ越わ可れ
給御さ本うい見しく可な2し个ふはよをゝもひす万
0031︻御さほう︼-﹂<給御さほうマデ削除符号>
し多るそう多ちな2と多にな2ミ多も1えとゝめね盤﹂︵22ウ・1045⑤︶
万して女宮多ち女御可ういこゝらのおとこ女可み
しも1ゆ春りみちてな2きとよむ尓いとこゝろあハ
堂ゝしうかゝらてしつ1や可な2累ところ尓や可て
こもるへくお1ほし万うけゝ累本い堂可ひてお1ほし
めさるゝも1堂ゝこのお1さな2き宮尓ひ可されてと
お1ほしの給者すうちより者しめ多て万つ1りて御
と布らひのし遣さいとさらな2り六条院もすこし
御心ちよろしくときゝ多て万つらせ1給て万いり給
御多う者りの1みふな1とこそみな2お1な2しことお1り
ゐの1み可とゝ飛としくさ多満り給へれとまことの太上﹂︵23オ・1045⑪︶
天王のきしきに者う遣者り給者寿よのもてな2
しお1もひきこえ多るさ満な2とは心こと那連とことさ
らにそき給てれいのこと〳〵し可らぬ御くる万に多て万つ1
0032︻そき給て︼-省
りて可ん多ちめな2とさるへきか︵+0き︶りくる万尓てそつ可う
万つり給へる院尓はいみしく万ちよろこひきこえ
させ給てくるしき御心ち越お1ほしつよりてお1ほん
多いめむありうるわしきさ万な2らす多ゝお1ハし万す
可多にお1ましよそひく1者へていれ多て万つり給︵+1カハリタマ︶へる
御ありさ万見多て万つ1り給尓きし可多ゆくさきく
れて可な2しくとめ可多くお1ほさるれハとみ尓もえ多﹂︵23ウ・1046③︶
めらひ給者すこ院尓をくれ多て万つりしころ本ひ
0033︻こ院に︼-源
よりよのつねな2くおもふ給へられし可はこの可多の
ほい布可く春ゝみ者へり尓し越心よはくお1もふ多
0034︻ほい︼-出家
満へ多ゆ多ふことのミ侍つ1ゝつゐ尓可くみ多て万つ1り
な2し者へる万てをくれ︵+1多て万つり︶者へりぬる心の1ぬるさ越
者つ1可しくおもふ給へらるゝかな2身にとりてハことに
もある満しくお1もふ多満へ多ち者へるおり〳〵あ
る越さらにいとしのひ可多きことお1ほ可りぬへきわ
さ尓こそ者へり个れとな2くさめ可多くお1ほし
多里院もゝの心本そくお1ほさるゝ尓江心つ1よ可らす﹂︵24オ・1046⑨︶
うちし本れ給つる︵つる$1つ1ゝ︶い尓しへいまの御もの可多りいとよ
者け尓きこえさせ給て个ふ可あす可とお1ほえ侍つ1ゝさ
す可尓本とへぬるをうち多ゆミてふ可き本いの者しにて
もとけすな2りな1むことゝお1もひをこし︵+0て︶な2む可くても1
の1こり能よ者ひな2くはお1こ那ひ能心さしも1可な2ふ
満し遣れと万つ1可里尓ても1のとめ越きて念仏を多に
とお1もひ者へる者可〳〵し可らぬみ尓ても1よ尓な1可らふる
こと堂ゝこの心さしにひきとゝめられ多るとお1もふ給
へしられぬ尓しも1あらぬをい万ゝてつ1とめな2きをこ
多り越多にやす可らすな2むとてお1ほし越きて多るさ﹂︵24ウ・1047②︶
満な2とくハしくのたま者するついて尓女みこ多ち越
あ万多うちすへ︵へ=0て︶し者へるな2む心くるしきな2可にも又お
もひゆつ1る飛とな2き越はとりわきうしろめ多くみ
わつ1らひハへるとて万本尓はあらぬ御个しき心くるしく
み多て万つり給御心のうちにも1さす可にゆ可しき御あ
0035︻さすかに︼-源ノ女三ヲ思コト
りさ満な2れハお1ほし春くし可多くて个尓たゝ人より
も1かゝる春ち尓はわ多くしさ万の御うしろみ
な2きはく1ち越しけな2るわさ尓那む者へり遣累
東宮可くてお1ハし万せはいと可しこき春ゑのよの1万うけ
のきみとあ免のし多の多のみところ尓あふきゝこえ
さするを万してこのことゝきこえを可せ給者1んことは﹂︵25オ・1047⑨︶
飛とことゝしてお1ろ︵+0そ︶可に可ろ免申給へきニハへらねハ
さらにゆくさきのことお1ほしな2やむへきにも者へら
ねとけ尓こと可きりあれハお1ほや遣とな2り給よの1
万つりこと御心尓可な2ふへしとはい飛な可らをんな2の
御多免にな2尓ハ可りのけさや可なる御心よせあるへ
きにも1者へらさり个りすへて女の1御多めにハさ満〳〵
万ことの御うしろ見とすへきものハ猶さるへきすち
尓ちきり越可ハしえさらぬことに者くゝみきこゆる御︵御$2︶
御万もりめ者へるな2むうしろや春可るへきことに者へ
るを猶しひてのち能よの御う多可ひのこるへくハよろ﹂︵25ウ・1048①︶
しき尓お1ほしえらひてし能ひてさるへき御あ
つ可りをさ多免を可せ給へき尓な2む者へなるとそう
し給さやうにお1もひよること者へれとそれも可多き
0036︻さやうに︼-朱詞
ことにな2むあり遣累い尓しへの多めし越きゝ侍尓も1
よ越多もつ1さ可りの見こに多に人をえらひてさるさ
まのことをし給へる多くひお1ほ可り个り万して可く
い万者とこの世越者那るゝき者にてこと〳〵しくお1もふ
へき尓1も1あらねと又し可春つ1る中尓もすて可多きこ
と阿りてさ満〳〵尓お1もひわつ1らひ侍本とにや万ひハ
越も里ゆく万多とり可へ春へき尓もあらぬ月ひの春﹂︵26オ・1048⑦︶
きゆ个は心あわたゝしくな2む可多者らい多きゆ
つ1りな2れとこのい者けな2き内新王飛とりわきて
者くゝみお1ほしてさるへきよす可をも御心尓お1ほしさ
多めてあつけ給へときこえ満本しきを権中納言な2と
の飛とりも能しつ1る本とにすゝみよるへくこそあり
个れお1ほい万うち君尓せんせられてね多くお1ほえ
者へるときこえ給中納言のあそむ万めや可な2る可多
0037︻中納言のあそむ︼-源
はいとよくつ1可う万つりぬへく者へるをな尓ことも万多
あさくて多とりすく那くこそ者へらめ可多しけな2くとも
0038︻たとりすくなく︼-タヨリスクナキ心也
ふ可き心尓てうしろみきこえさせ者へらん尓お1者し﹂︵26ウ・1048⑭︶
万すお1ほむ可遣尓可者りてハお1ほされし越多ゝゆ
く1さきみし可くてつ可う万つりさすことや者へらむ
とう多可ハしき可多のみな2む心く1るしく者へる
へきとうけ飛き申給つ1よにい里ぬれハあるし
の院可多も1万らうとの1可む多ち免たちもみな2
御前尓て御あるし能ことさうし物尓てうる者し
可らすな満め可しくせさせ給へり院の御万へ尓せん
かうのかけ者︵+0ん︶に御者ちな2とむ可しに可ハりてまいる
を人〳〵な2ミ多をしのこひ給あハれなるすちのこ
とゝもあれとうるさ个れハかゝす夜ふけて可へり給﹂︵27オ・1049⑥︶
ろくとも1つき〳〵尓給へ多う大納言も1御をくり尓万
い里給あるしの院者个ふのゆきにいとゝ御風く者ゝ
りて可きみ多りな2やましくお1ほさるれとこの
宮の御事きこえさ多めつる越心やすくお1ほし
个り六条院者な2万心く1るしうさ満〳〵お1ほしみ
多るむらさきのうへも可ゝる御さ多めなむと可ねて
も1本のきゝ給个れとさしも1あらし前さい院をも
ねむころ尓きこえ給やうな2︵+0里︶し可とわさとしも1お1ほ
しとけ春な里尓しをな2とお1ほしてさることも1や
あるともとひきこえ給者すな尓心もな2くてお者春る﹂︵27ウ・1049⑫︶
0039︻なに心もなくて︼-源ノ心
尓いとおしくこの事をい可にお1ほさむわ可心者つ1ゆも
可者るましくさることあらん尓つ1个てハな2可〳〵いとゝ
布可さこそ万さらめみさ多め給者さらむ本とい可に
思ひう多可ひ給者むな2とや春可らすおほさるいまの
としころとな2りてハ万して可多み尓へ多てきこえ給事
那くあ者れなる御中な2れハしハし心尓へ多てのこ
0040︻御中なれは︼-紫トノコト
したることあらむも1いふせき越そのよはうちやす
ミてあ可し給つ1又のひゆきうち布りそらの个し
きも1ゝのあ者れ尓春き尓し可多ゆくさきの御も1の1可
堂りきこえ可者し給院の多能も1し遣那くな2り給尓﹂︵28オ・1050④︶
0041︻院︼-源
たる御とふらひ尓万いりてあハれなることゝも1のあり
つ1る可な2女三宮の御事をいとすて可多け尓お1ほし
てし可〳〵な2む能多満者せつけし可は心くるしくて江
きこ江いな2ひ春な2り尓し越こと〳〵しくそ人盤いひ
な2さむ可しいまはさやうのこともうゐ〳〵しくすさ
満しくお1もひな2り尓多れハ人つ1て尓遣しき者万
せ給し尓ハと可くの可れきこえしを多いめんのついて尓
心ふ可きさ満なることゝも1越の給つ1ゝ遣しにも1︵も1$1者︶えす
く〳〵しくも可へさひ申さてな2むふ可き御山すミ尓
うつ1ろひ給者む本とにこそハわ多し多て万つ1らめ﹂︵28ウ・1050⑪︶
あちきな2くやおほさるへきいミしきことありとも
御︵御=0御︶多めあるより︵より$1世尓︶可ハることはさらにある満しきを心
な2をき給そよ可の御多めこそ心くるし可らめそれも
可多はな2らすもてな2してむ多れも〳〵のと可尓てすく
し給ハゝな2ときこえ給者可那き御すさひことを多尓
0042︻御すさひこと︼-スキ心
めさ満しき△△︵△△#1もの︶におほして心や春可らぬ御心さ満な2
れハい可ゝお1ほさむとお1ほ春尓いとつれな2く1てあ者れ
0043︻いとつれなくて︼-紫体
0044︻あはれなる御ゆつりに︼-詞
なる御ゆつ1り尓こそあなれこミ︵ミ=0古ゝ︶尓ハいかなる心をゝき
多て万つ1るへき尓可めさ満しく可くてな2とゝかめらる万
しくハ心や春くても1者へな2むを可の者ゝ女御の御可多さ﹂︵29オ・1051③︶
満尓ても1うと可らすお1ほしかす満へてむやとひけ
し給をあ万り可うゝちとけ給御ゆるしも1い可な2れ
0045︻あまりかう︼-源
ハとうしろめ多くこそあれ万ことはさ多尓お1ほし
ゆるいてわれも人も1心えてな2多ら可にもてな2しすく
し給ハゝいよ〳〵あハれ尓な2む飛可こときこえな2と
せむ人のこときゝいれ給な2すへてよの人のくちといふ
ものな2む多可︵+1い︶ひいへ︵へ=0ツ︶ることともな2く越のつ1可ら飛とのな2
可らひな2とうちともな2く越のつ1可ら︵ともな2く越のつ1可ら$3︶本をゆ可みお1︵+0も︶ハす
なることいてくるも1のな︵+1め︶るを心飛とつ1尓しつ1めてありさ
満尓し多可ふな2むよき万多きにさ者きてあいな2きも1﹂︵29ウ・1051⑩︶
のうらみし給な2といとよくをしへきこえ給心のう
0046︻心のうち︼-紫
ち尓も1可くそらよりいてき尓多るやうなることにての
可れ給可多きを尓くけ尓も1きこえなさむ︵む$1し︶わ可心尓者ゝ
かり給ひいさむることにし多可ひ給へきをの可とちの
心より越これる个さう尓もあらすせ可るへき可多な2きもの
可らおこ可満しく思ひむ寿本をるゝさ満よ︵+0の︶ひとにもり
きこえし志きふ卿の宮のお1ほき多の可多つね尓う遣
0047︻うけはしけなる︼-ノロウ心
者し遣なることゝも1をの給ひいてつゝあちきな2き大将の
御事尓てさへあやしくうらみそねミ給な2る越可や
う尓きゝてい可尓いちしるく思ひあハせ給者むな2と越﹂︵30オ・1052②︶
0048︻越ひらかなる人︼-ヲトナシキ心
ひら可なる人の御心といへとい可て可は可者可りのく1満は
な2可らむい万者さ里ともとのミわ可身をおもひあ可り
うらな2くてすくし个るよの人わらへな2らむこと越し
多尓は思ひつゝけ給へといとお1ひら可尓のミも1てな2し給
へりとしも1可へりぬ朱雀院尓はひめ宮六条院尓う
つ1ろひ給者む御いそき越し給きこえ給へる人〳〵い
とくちお1しくお1ほしな2遣くうちにも御こゝろ者へあり
0049︻うちにも御こゝろはへあり︼-内裏ニモ女三ヲホシクオホシタリシ也
0050︻御こゝろ︼-心
てきこえ給个る本とに可ゝる御さため越きこしめして
お1ほしと満り尓个りさる︵る$1︶ハことしそよそちにな2り給个れ
は御可能事お1ほや遣尓もきこしめしすくさす世中の﹂︵30ウ・1052⑨︶
いと那見尓て可ねてよりひゝくをことのわつ1らひお1ほ
くい可めしき事ハむ可しよりこのミ給者ぬ御心尓て
み那かへさひ申給正月廿三日子のひな2るに左大将殿
のき多の1可多わ可な2まいり給可ねて个しきもゝらし
給者ていといたくしのひてお1ほし万うけ堂り个れハ
尓者可にてえいさめ可へしきこえ給者すし能ひ多れ者︵者$1と︶
さハ可りの1御いき本ひなれハわ多り給︵+0御︶きしきな2といとひゝ
きことな2りみな2ミのお1とゝの尓し能者那ちいて尓お1満
しよそふ屏風可へしろより者しめあ多らしく
者こ︵こ$2ラ︶ひしつ1らひ︵ひ$1︶ハれ多りうるハしくいしな2とは多て﹂︵31オ・1053︶
寿御ちしき四十枚御しとねけうそくな2とすへて1
0051︻御ちしき︼-地敷 唐筵也
その御︵+1く︶ともいときよらにせさせ給へりらてんのみつ1し
布多よろひ尓御ころも者こよ︵+1徒︶すへてな2つ1ふゆの御
さう寿く可うこく春りの者こ御すゝりゆ春るつ1き可ゝ
0052︻ゆするつき︼-ヒン水入ル物也
遣の者こな2とやうのも1の1うち〳〵きよら越つ1くし給へり
御可さしの多い尓ハちむし多むをつくりめつ1らしきあや
0053︻御かさしのたい︼-造花也挿頭也老ヲフセク心也
0054︻あやめをつくし︼-木ノモクナトノコト又物ノモン也
めをつ1くしお1な2しき可ねをもいろつ1可ひな2し多る
心者へありい万め可しくかむのき︵+0ミ︶ものゝみやひ布可くか
0055︻みやひふかく︼-ユウヒナルコト
とめき給へる人尓てめなれぬさ満尓しな2し給つる︵る=1り︶
お1ほ可多のことをはことさらにこと〳〵し可らぬ本となり人〳〵﹂︵31ウ・1053⑧︶
万いりな2とし給てお1ましにいて給とて可むのきみ
に御多いめんあり御心のうち尓はい尓しへお1ほしいつ1る
ことも1さ満〳〵なり个む可しいとわ可く︵いとわ可く$1いとわ可く︶きよらにて可く
御可な2といふことはひ可ゝそへ尓やとお1ほゆるさ満のな2万
0056︻ひかゝそへ︼-四十ナトヨリ若キ也
め可しく人のお1や遣な2くお1者し万す越めつ1らしくて
とし月へ多てゝ見多て万つり給ハいと者つ1可し个れと
猶けさや可なるへ多てもなくて御もの可多里きこえ可
ハし給おさ那きゝみも1いとうつ1くし︵+0く︶てものし給可むの
きみハうちつ1ゝきても御覧せられしとの給个るを大将
かゝるついて尓多に御覧せさせむとてふ多りおな1し﹂︵32オ・1054①︶
やうにふりわ遣可みのな2尓心な2きなをしす可多とも
0057︻ふりわけかみ︼-玉カツラノ子二人
尓てお1ハすゝくるよ者ひも1みつ1からの心尓はことにお1
0058︻すくるよはひも︼-源心
もひと可められす堂ゝむ可しな2可らのわ可〳〵しきあ
りさ満尓てあら多むることもな2きを可ゝるすゑ〳〵能も
よ越し尓な2むな2万ハし多な2き万てお1もひしらるゝ
お1りも者へり个る中納言のいつ1し可と万うけ多なるを
こと〳〵しく思ひへ多てゝ万多みせす可し人よりことに
可そへとり給个るけふのねのひこそなをうれ多遣れ
志ハしハおいをわ春れても1者へるへきをときこえ給可む
のきみもいとよくねひ万さりもの〳〵しき遣さへそひ﹂︵32ウ・1054⑦︶
てみる可ひあるさ満し給へり
わ可者さ寿能へのこ万つ1を飛きつれてもとの
0059︻わかはさす︼-内侍
い者ねをいの1る遣ふ可那とせめてお1と那ひきこえ給
ちんのお1しきよつ1して御わ可那さ万者可り︵+0万︶いれり御可ハら
遣とり給て
こ松者ら春ゑのよ者ひ尓飛可れてや能へのわ可な2
0060︻こ松はら︼-源
も1とし越つむへきな2ときこえか者し給て可む多ちめ
あま多ミ那ミの飛さし尓1つ1き給しきふきやうの宮ハ
万いり尓くゝお1ほし个れと御せうそこあり遣る尓可く
し多しき御な2可らひ尓て心あるやうならむも1飛んな2く﹂︵33オ・1055①︶
て飛多个てそわ多り給へる大将のし多り可本尓て可ゝ
0061︻大将のしたりかほにて︼-式部卿ノ心
累御中らひ尓うけ者りてものし給も1け尓心やまし
个な1累わさ那めれと御む万このきみ多ちはいつ1可多尓
つけてもをり多ちてさうやくし給こも1のよそえ︵△&1え︶多お
りひ︵ひ=1ウ︶つ1も1のよそち中納言をハしめ多て万つりてさるへき
可きりとりつゝき多満へり御可者らけく多りわ可那のお1ほ
むあつ1い︵い$2︶も1の万いるお1万へ尓ハちんの可遣者んよつ1お1ほ
0062︻あつもの︼-カンニシタル也
むつきともな2つ1可しくい万めき多る本と尓せられ多里
0063︻つきとも︼-器
朱雀院の御くすりのことな2を多ひらき者て給者ぬ尓
より可く人な2とは︵+1めさす御布えな2とお1本きお1とゝのその︶可多はとゝのへ給てよのな可にこの御か﹂︵33ウ・1055⑧︶
より又めつ1らしくきよらへ︵へ$2ツ︶くすへき事あらしとの給
て春くれ多るねの可きり越可ねてよりお1ほし万うけ
多り个れハし能ひや可尓御あそひありとり〳〵尓多て
まつる中尓わこむハ可のおとゝの第一尓飛し給个る
御ことな2りさるも1のゝ上すの心をとゝめてひきな2らし
給へるねいとな2らひな2き越こと人ハ可き堂て尓くゝし
給へハ︵+1衛門の可ミのか多くいな2ふるをせめ多万へハ︶个尓いとお1もしろくおさ〳〵をとる満しくひくな2尓
0064︻いなふる︼-△△
ことも上寿のつきといひな2可ら可くしも1えつ︵+0可︶ぬわさそ
可しと心尓くゝあハれ尓人〳〵お1ほす志らへ尓し多
かひてあとあるてともさ多万れるもろこしのつ1る︵る$2タ︶へとも﹂︵34オ・1056①︶
0065︻あとあるてとも︼-伝タル手ノコト
はな可〳〵多つねしるへき可多あらはなるを心尓万可
せて多ゝかきあハせ多るす可ゝき尓よろつ1のものゝね
0066︻すかゝき︼-和琴計ニアルコト
とゝのへられ多る者多へにお1もしろくあやしき満て
ひゝくちゝおとゝはことのをもいとゆる尓ハりてい多うく
多して志らへひゝきお1ほくあハせてそ可きな2らし給
これ者いとわらゝかにの本るねのな2つ1可しくあい行
つき堂るをいと可うしもはきこえさりし越とみ
こ多ちも1をとろき給きむハ兵部卿宮ひき給この
御こと︵こと$1琴︶ハきやう殿の御も1の尓て多い〳〵尓多い一のな2ありし
0067︻きやう殿︼-宜陽殿
御ことをこ院の春ゑつ1可多一品宮のこのミ給こと尓て﹂︵34ウ・1056⑧︶
0068︻こ院︼-桐ノコト
0069︻一品宮︼-大后御腹
多まハり堂満へり遣る越このをりのきよらをつ1くし
堂満者んとする堂めおとゝの申給者る︵る$2り︶給へる御つ1多へ〳〵
越お1ほす尓いとあハれ尓む可しの事もこ飛しくお1
ほしいてらるみこもゑひな2きえとゝめ給ハす御个し
きとり給てきむハおまへ尓ゆつ1りきこえさせ給も1のゝ
0070︻おまへに︼-源ノコト
あハれ尓江︵江=0エ︶すくし給ハてめつ1らしきも1の飛とつ1者可りひ
き給尓こと〳〵し可らねと可きりな2く越もしろきよの
御︵+0あ︶そひな2りさう可の人〳〵み者しにめしてす春くれ多
るこゑの可きりい多して返︵+0り︶こゑ尓なるよのふ遣ゆく
0071︻返りこゑ︼-呂ノ律ニナルヲ云
万ゝ尓も1能ゝしらへともな2つ1可しくか者りてあ越﹂︵35オ・1056⑭︶
0072︻あ越やき︼-\<合点>
やきあそひ給ほとけ尓ねくらのうくひすおとろ
きぬへくいみしくおもしろしわ多くしことのさ
万尓しな2し給てろくな2といと経さく1に万うけられ
多り个りあ可月尓可むのきみ返給御をくり物な2とあり遣
里可うよ越寿つるやう尓てあ可しくらす本とにとし月
0073︻かうよ越︼-源
のゆくゑもしらすかをなるをかう可そへしら勢多
万へる尓つけてハ心本そくな2むとき〳〵ハをい︵+0や︶万さ
るとみ給く1らへよかし可くふるめ可しきみのところせ
さにお1もふ尓し多可ひて多いめんな2きもいとくち越
しくなむな2ときこえ多万ひてあ者れ尓もを可しく﹂︵35ウ・1057⑦︶
も1おもひいてきこえ給ことな2きにしも1あらねハ
な可〳〵本の可尓てかくいそきわ多り給をいとあ可す
く1ち越しくそお1ほされ个る可むのきみも満ことのを
やをハさるへきちきり者可りにおもひきこえ給て
あり可多くこ満可なりし御こゝろ者へ越とし月尓
そへてかくよにすミ者て給尓つけてもをろ可な2ら
春お1もひきこえ給个り可くてきさらきの1十よ日尓
朱雀院のひめみや六条院へわ多り給この院尓も御︵御$1︶
0074︻この院︼-源ノコト
御心万うけよのつねな2らすわ可那万いりしにしのハ
な1ちいて尓1御帳丁︵丁$1︶堂てゝそな多の一二の多いわ多との﹂︵36オ・1057⑬︶
可遣てねう者う能つ本年〳〵万てこ満可尓しつ1らひ見
かゝせ給へりうち尓万いり給人のさ本うを万ねひて
こ︵こ=0か︶の院よりも御てうとな2と者こ者るわ多り給きし
きいへ者さらな2り御をくり尓可む多ちめな2とあ万多
まいり給かの遣いしのそ見給し大納言も1やす可ら寿
お1もひな可らさふらひ給御くる万よせたるところ尓
ゐんわ多り給てお1ろし多て万つ1り給な2ともれい尓
ハ堂可ひ多る事ともなり堂ゝ人尓お1ハすれハよろつ1
のこと可きりありてうち万いり尓も尓寿むこのお1ほきみ
とい者む尓もこと多可ひてめつ1らしき御な可能あハひ﹂︵36ウ・1058⑤︶
とも尓なむ三日可本と可の院よりもあるしのゐんか
堂よ︵+0り︶もい可めしくめつ1らしきみやひをつ1くし給多
いのうへも1事尓ふれて堂ゝにもお1ほされぬよのあ
りさ満な2り遣にかゝる尓つ1けてこよな2く人尓お1と
里遣多るゝこともある満し个れと万多ならふ人な2
くならひ給て者那や可にをひさきとをくあな1
つ1りにくきけ者ひ尓てうつろひ多万へる尓な満
者し多な2くお1ほさるれとつれな2くのミもてな1して
御わ多りの本ともゝろ心尓ハ可那きこともしいて給て
いとらう多遣なる御ありさ万越いとゝあり可多しと﹂︵37オ・1058⑪︶
お1もひきこえ給ひめみやハ遣に万多いとちひさくか多
なりにおハするうちにもいとい者けな2き个しきして
ひ多みちにわ可ひ給へりかのむらさきのゆ可り多つね
とり給へりしお1りお1ほしいつ1る尓可れハ可れハ︵可れハ$3︶され
ていふ可ひありしに︵に$3︶をこれ者いとい者けな2くのミみえ
給へハよ可めりにくけ尓越し多ち多ることな2とハある満
0075︻にくけに︼-嫉妬ナトノコト
し可めりとお1ほすも1の可らいとあ万りも1の1ゝ者えな2き
御さ万可な2とみ多て万つ1り給三日可本とはよ可れな2く
わ多り給をとしころさもならひ給ハぬ心ち尓し能ふ
0076︻さもならひ給はぬ︼-紫ト今マテハ一夜モヨカレナキ也
れとなをも1のあハれな2り御そともな2といよ〳〵多きし﹂︵37ウ・1059④︶
めさせ給も1の可らうちな可めても1のし給个しきい見
0077︻うちなかめて︼-源ノ紫ノ方ヲ也
しくらうたけ尓お1可しな2とてよろつ1のことありとも
万多人をハならへてみるへきそあ多〳〵しく心よはく
0078︻また︼-又
0079︻あた〳〵しく心よはく︼-女三ノコトヲウケコイタルコト後悔也
なりをきに个るわ可をこ多りにかゝる事もいてくるそ
かしわ可个れと中納言をはえお1ほし可遣すなりぬめり
し越とわれな可らつ1らくお1ほしつ1ゝくる尓なミ多
く1満れてこよひハ可りハことハりとゆるし給てんな2これ
0080︻こよひはかりは︼-紫ヘノ詞
よりのちの1と多江あらんこそ身な可らも1心つ1きな1
かるへ个れ又△△︵△△#1︶さりとて可の院尓きこしめさむこと
よとお1もひみ多れ給へる御心のうちくるし遣なり﹂︵38オ・1059⑩︶
すこし本ゝゑみてみつ1可らの御こゝろな可ら多にえさ
0081︻すこしほゝゑみて︼-紫ノ体
多め堂まふ万し可なるを万してことハりもな2尓も
いつ1こ尓と満るへき尓可といふ可ひな2遣にとりな1し給へハ
0082︻いつこにとまるへき︼-ナニコトモ源ノコトハ定ラヌト也
者つ1可しうさへお1ほえ給てつ1らつ1ゑをつ1き給てよ
0083︻はつかしう︼-源心
りふし多万へれハすゝりをひきよせ給て
め尓ち可くうつ1れハか者るよのな可越ゆくすゑ
0084︻めにちかく︼-紫
とをく多の見遣る可那ふることな2と可き万せ給をとりて
み多万ひてハ可那きことなれと遣にとことハり尓て
いのちこそ多ゆともたえめさ多めなきよのつね
0085︻いのちこそ︼-源
な2らぬな可のちきりをとみ尓も1江わ多り堂満ハぬを﹂︵38ウ・1060③︶
いとか堂わらいたきわさ可那とそゝの可しきこえ給へハ
な2よゝ可にお1可しき本とに江ならす尓ほひてわ多り
堂満ふをみい多し給も1いと多ゝ尓ハあら寿かしとし
ころさもやあらむとお1もひしことゝもゝい万者とのみ
0086︻さもやあらむ︼-槿朧月ナトノコト也
もてハ那れ多満ひつゝさらは可くにこそハとうちと遣
0087︻うちとけゆくすゑに︼-紫ノ油断也
ゆくすゑ尓あり〳〵て可くよのきゝみゝも1なのめな2らぬ
ことのいてきぬるよお1もひさ多むへきよのありさ万
尓もあらさり个れハい万よりのちもうしろめ多な2︵な2#1︶
く1そお1ほしなりぬるさこそつれな2く万きらハし
給へとさ布ら婦人〳〵も1お1も者寿なるよなりやあ﹂︵39オ・1060⑨︶
満多ものし給やうなれといつ1可多もみな2こ那多の御
遣者ひ尓ハ可多さりハゝ可るさ万にて寿くし給へ者
こそこと那くな2多ら可にもあれをし多ちて可ハ可り
なるありさ満尓遣多れても1江すくし多満ふまし
0088︻江すくしたまふまし︼-紫ニ女三ノオサレ給マシト也
ま多さりとて者可那きことにつけても1やす可らぬこと
のあらむお1里〳〵可な2らすわつ1らハしきことゝも1い
てきなむ可しなとをの可志ゝうち可多らひな2遣可
しけなる越つゆも1みしらぬやうにいと个者ひお1可し
く1もの可多りな2とし給つゝよふくる万ておも︵も$1︶者す可う人
の多ゝな2らすいひお1もひ多るも1きゝ尓くしとお1ほして﹂︵39ウ・1061①︶
かくこれ可れあ万多も能し給めれと御心尓可な2ひてい万
0089︻かくこれかれ︼-紫詞
め可しく寿くれ多るき者尓もあらすとめなれてさう〳〵
しくお1ほし多りつ1る尓この宮の1可くわ多り給へるこ
そめや春个れなをわら者こゝろのうせぬ尓やあらむ
われもむつ1ひてきこえてあら満本しきをあいな2く︵く&1く︶へ多て
0090︻あいなくへたて︼-嫉妬ノ心
あるさ満尓人〳〵やとりな2さむとすらむ飛としき
本とお1とりさ満な2とお1もふ人尓こそ堂ゝならすみゝ
多つ1ことも1をのつ1可らいてくるわさな2れ可多しけな2
く1心くるしき御事な2めれハい可て心を可れ多て万つ1
らしとな2むお1もふな2との給へハ中つ可さ中将君な2と﹂︵40オ・1061⑧︶
0091︻中つかさ中将君なと︼-源心ヲカケシ人也
やうの人〳〵め越くハせつ1ゝあ万りなる御お1もひやり可那
な2といふへしむ可しハ多ゝな2らぬさ満尓つ可ひな1らし
0092︻つかひならし︼-源ノ方ニ仕シニ候也
給し人ともな2れとゝしころ者この御可多にさふらひ
0093︻この御かた︼-紫也
てミ那心よ︵+0せ︶きこえ多るなめりこと御可多〳〵よりもい可尓
0094︻こと御かた〳〵よりも︼-六条院ノ殿ヨリ
お1ほ寿らむもとより思ひ者那れ多る人〳〵ハな可〳〵
0095︻思ひはなれ︼-末ツムナトノコト
心やすき越な2とおもむ遣つ1ゝとふらひきこえ給も
ある越可くをし者可る人こそ中〳〵くるし个れ世
中もいとつねな2き物越な2とて可さのミはお1もひな2や
万むな2とお1ほすあ万り飛さしきよ︵+1ひ︶井も1れいな2らす﹂︵40ウ・1061⑭︶
0096︻あまりひさしきよひゐ︼-源ノルスニヨイヰノコトヲ紫ノ心
人やと可めむと心の1お尓ゝお1ほしてい里給ぬれハ御
ふ春満ゝい里ぬれとけ尓可多者らさ飛しきよ那〳〵
へ尓个るも1猶多ゝな2らぬ心ちすれとかのす万の御わ可
れのおりな2と越お1ほしいつ1れハいまはと可遣者那れ
給ても1たゝおな2しよのうちにきゝ多て万つら満し可は
とわ可身万てのことはうち越きあ多らしく可な2し可
里しありさ満そ可しさてその万きれ尓われも人
も1いの1ち多へすなり那まし可はいふ可ひあら満しよ
0097︻たへす︼-不堪
可はとお1ほしな2越寿風うちふきたるよのけ者ひ﹂︵41オ・1062⑤︶
飛やゝ可尓てふともねいられ給者ぬをち可くさ布ら
ふ人〳〵あやしとやき可むとうちも1みしろき給
者ぬも猶いとくるし个な2里よふ可きとりのこゑの
きこえ多るも1ゝのあハれな2りわさとつ1く︵く$1ら︶しと尓は
あらねと可やうにお1もひみ多れ給遣尓や可の御ゆ
0098︻かの御ゆめに︼-源ノ御夢ニ紫ヲミ給也
め尓見え給个れハうち越とろき堂万ひてい可尓
と心さは可し給尓とり能ねまちいて給へれハよふ可
きも1志らす可本尓いそきいて給いとい者けな2き御あり
さ万な2れ盤めのと多ちゝかくさ布らひ个りつ1万とお1し
あけていて給をみ多て万つ1りをくるあ遣くれの﹂︵41ウ・1062⑫︶
そらにゆきの1飛可りみえてお1ほつ可な1しなこり
まてと万れる御尓本ひやみハあやな2しとひとりみ︵み$3こ︶
0099︻やみはあやなし︼-\<合点>
堂るゆきハところ〳〵きえのこりたる可いとしろき尓
者の1布と个ちめみえわ可れぬ本とな2る尓猶の1こ︵+0れ︶累
0100︻猶のこれるゆき︼-\<合点>子城陰處猶残雪/衙皷声前未有塵︵付箋01︶
ゆきとしのひや可尓くち春さひ給つ1ゝみ可うしうち
多ゝき給も1飛さしくかゝることな可里つ1るな2らひ尓人〳〵
0101︻かゝること︼-早帰給コト稀ト也
も1そらねをしつ1ゝやゝ万多せたて万つりてひきあ
遣多里こよ那く飛さし可りつ1る尓みも1ひ江尓遣累
はをちきこゆる心のをろ可な2らぬ尓こそあめれさるは
つ1見も1な1しやとて御そひきや里那とし給にすこし﹂︵42オ・1063④︶
0102︻つみもなしや︼-紫ヘ道理ト也
ぬれ多る御飛とへのそて越ひき可くしてうらも1な2
く1な2つ1可しきもの可らうちとけて者多あらぬ御よう
いな2といと者つ1かし遣尓越可し可きりなき人ときこ
0103︻かきりなき人︼-女三宮トイヘト紫程ニナキト也
ゆれと可多可めるよをとお1ほしくらへらるよろつ1い尓
しへのこと越お1ほしいてつ1ゝと遣可多き御遣しき
をうらみきこえ給てそのひハくらし給ひつれ盤えわ
多り給ハてしむ殿尓ハ御せ1うそこ越きこえ給けさの
ゆきに心ちあや万里ていとな2やましく者へれハこゝろ
やすき可多に多めらひ者へるとあり御めのとさきこえ
させ者へりぬとは可りこと者尓きこえ多りこと那ること﹂︵42ウ・1063⑩︶
0104︻ことなることなの︼-源心
那の1御返やとお1ほ寿院尓きこしめさむこともいと
お1しこの1ころ者可りつ1くろ者むとお1ほせとえさもあ
らぬをさハお1もひしことそ可しあ那くるしとみ
つ1可らお1もひつ1ゝ遣給をむな2きみも1お1もひやりな2
0105︻をむなきみ︼-紫上モ源ノコナタニアレハ不可然ト也
き御心可那とく1るし可り給个さはれいのやうにお1本
とのこもりおきさせ給て宮の御可多に御ふミ多て万
0106︻宮の御かた︼-女三也
つ1連給ことに者つ1可し个も1なき御さ満なれと御ふ
てな2とひきつ1くろひてしろき可み尓
な可みち越へたつ1る本とはな1遣れともこゝろ
み多るゝけさのあ者ゆきむ免尓つけ給へり人﹂︵43オ・1064③︶
めして尓しのわ多との1より多て万つ1らせよとの
給や可てみい多して者しち可くお1ハし万すしろき
0107︻みいたして︼-源ノ女三ノ御返ヲ待給也紫ニ忍給心也
御そとも1をき給て者那を万さくり給つ1ゝとも万つ1
0108︻はな︼-花
0109︻ともまつゆきの︼-\<合点>
ゆきの1本の可にのこれるうへ尓うちゝりそふそら越な2
可免給へりうくひ春のわ可やかにち可きこう者いの
すゑ尓うちな2き多る越そてこそ尓本へと者那越
0110︻そてこそにほへと︼-\<合点>おりつれハ袖こそ尓ほへ梅の花/ありとやこゝ尓1鴬のなく︵付箋02︶
ひき可くしてみす越しあけてな可め給へるさ満ゆ
め尓も可ゝる人のおや尓て越もきくら井とみえ給者す
わ可うな2満め可しき御さ満な2り御可へりすこし本とふる
心ち寿れハい里給てをむな2きみ尓者那みせ多て万﹂︵43ウ・1064⑨︶
つ1り給者那とい者ゝかくこそ尓本者満本し个れな2さ
0111︻はな︼-梅ノコト
くらにうつ1してハ万多ちりハ可りも1心わくる可多な2くや
あら満しな2との給これもあ万多うつ1ろハぬ本とめと
満る尓やあらむ者那のさ可りにな2らへて見者やな2と
0112︻はなのさかりに︼-梅ト桜ノ心
の給尓御可へりありくれな2ゐの1う春やうにあさや可尓
をしつ1ゝ万れ多る越むねつふれて御てのいとわ可き
越しハしみせ多て万つ1らてあらハやへ多つ1とはな2
个れとあハ〳〵しきやうな2らんハ人の本とかたし个な2
しとお1ほ寿にひき可くし給ハむも1心をき給へ个
れ盤可多そハひろ遣給へるをし里めにみをこせて﹂︵44オ・1065①︶
そひふし給へり
者可那くてう者の1そらにそきえぬへき風尓
堂ゝよふ者るのあハゆき御てけ尓いとわ可くお1さな2
0113︻いとわかく︼-ヨカラヌ心
遣な1りさハ可りの本とにな2りぬる人ハいと可くは
お1ハせぬものをとめと満れとみぬやうに万きらハして
やミ給ぬこと人のうへな2らはさこそあれな2とは
しのひてきこえ給へ个れといとお1しくて多ゝ心やす
0114︻いとおしくて︼-紫上詞
く1越思ひな2し給へとのミきこえ給遣ふは宮の御可
多にひるわ多り給心ことにうち遣さうし給へる御あり
さ満い万み多て万つ1るねう者うな2とは万してみ累﹂︵44ウ・1065⑦︶
0115︻いまみたてまつる︼-始テノ心
かひありとお1もひきこゆらん可しお1ほむめのとな2とやう
のお1いしらへ累人〳〵そいてやこの御ありさ満ひとゝころ
こそめて多个れめさ万しきことはありなむ可しとう
ち万せておもふもあり个る女宮者いとら︵ら=0ラ︶う多个尓お1さ
那きさ満尓て御しつ1らひな2との1うと︵うと=0コト︶〳〵しくよ多遣く
0116︻よたけく︼-コト〳〵シキ心
うるハしき尓みつ1可らはな2尓心もな1くもの者可那き御
本と尓ていと御そ可ちにみも1な2くあえ可那里ことに者
0117︻みもなく︼-チイサキ女房也
ち那ともし給者す堂ゝちこのお1もきらひせぬ心ちし
てこゝろやすくうつ1くしきさ満し給へり院のみ可とハ
0118︻院のみかと︼-朱ノコト
越ゝしくすくよ可那る可多の御さえな2とこそ心もとな1﹂︵45オ・1065⑭︶
0119︻御さえなと︼-無学ナル也
く1お1者し万すとよひとお1もひ多めれお可しき寿ち
な2万めきゆへ〳〵しき可多は人尓満さり給つるを
な2とて可くお1ひら可尓お1ほし多て給个むさるはいと
御心とゝめ給つるみこときゝし越とお1もふも1な満くち
越し个れと尓く可らす見多て万つ1里多満ふ多ゝ
きこえ給万ゝ尓な2よ〳〵と登那ひき給て御いらへな2とを
も1お1ほえ給个ることはい者个な2くうちの給て︵給て$1多万ひ︶いてゝ
ゑみ者那多すみえ給む可しの心な2ら満し可はう多
て心お1とりせ万し越い万ハよの中をミ那さ満〳〵尓お
もひな2多らめてとあるも1かゝるもき者ゝ那累ゝことは﹂︵45ウ・1066⑥︶
可多きものなり遣りとり〳〵尓こそお1ほゆれ︵ゆれ$1︶うはあり
个れよその1お1もひハいとあら満本しき本と那りかしと
0120︻よそのおもひ︼-女三ハヨソカラハヨキト思サント也
お1ほすにさしな2らひめ可れすみ多て万つ1り給へるとし
ころよりも1多いの1うへの御ありさ満そな越あり可多く
われな可らも1お1ほし多て个りとお1ほす飛とよの本と
あし多の万も1こ飛しくお1ほつ可な2くいとゝしき御心さ
しの万さる越な2と可くお1ほゆらんとゆゝしき万てな2
む院のみ可とは月のうちに御てらにうつ1ろひ給ひぬ
このゐんにあハれなる御せうそこともきこえ給ひめ宮
0121︻このゐんに︼-源ヘ
の御事ハさらな2り可ゝり︵可ゝり$3わつら者しくい可尓きくところやな2と者ゝかり︶給こと那くてとも可くも1多ゝ御心﹂︵46オ・1066⑬︶
尓かけても1てな2し給へくそ多ひ〳〵きこえ給个るさ
れとあ者れ尓うしろめ多くお1さな1くお1ハするを
お1もひきこえ給个りむらさきのうへ尓も御せうそこ
ことにありお1さ那き人の心ち那きさ満尓てうつ1ろひ
0122︻おさなき人︼-文詞
ものすらんをつ1ミな2くお1ほしゆるしてうしろみ給へ
多つね給へきゆへもやあらむとそ
0123︻たつね給へきゆへも︼-紫ト女三トユカリト也
そむき尓しこのよにのこる心こそいる山み
ちの本多しな2り个れやみ越︵+0え︶者るけてきこゆるも1
お1こ可万しくやとありおとゝも1み給てあハれなる御せ
うそこ越可しこまりきこえ給へとて御つ1可ひ尓も女房﹂︵46ウ・1067⑥︶
して可者らけさしいてさせ給てしひさせ給御可へりハ
い可ゝな2ときこえ︵+0尓︶くゝお1ほし堂れとこと〳〵しくお1もし
ろ可るへきお1りのこと那らねハ多ゝ心越のへて
そむくよのうしろめ多くも1︵も1$1者︶さり可多き本多し越
しひて可遣者那れそな2とやうにそあめりし
女者う︵者う$1のさ︶うそくに本そな可そへてかつけ給御てな2との1
いとめて多きを院御覧してな1尓こともいと者つ1可し遣
な免るあ多りにい者けな2くてみえ給らむこといと心くる
しうお1ほし多りい万者とて女御かうい多ちな2と越
0124︻いまはとて︼-朱ノ寺入キコト草子地也
の可しゝわ可れ給も1あハれな2ること那むお1ほ可り遣る﹂︵47オ・1067⑬︶
な2いしの可むのきみハこきさいの宮能お1者し万しゝ二
条の宮尓そ寿ミ給ひめ宮の1御こと越ゝきてハこの御事
越なむ可へりみ可ちにみ可ともお1ほし多り遣るあ万尓
なりな2むとお1ほし堂れとかゝるき本ひ尓はし多ふ
やうに心あ者多ゝしくといさめ多満ひてやう〳〵本とけの
御事な2といそ可せ給六条のお1とゝハあハれ尓あ可すのミ
お1ほしてやみ尓し御あ多りな2れハとしころも1わ春れ可
多くい可な2らむお1り尓多いめあらむい万ひと多ひあひミ
てそのよのこともきこえ満本しくのミお1ほしわ多るを可多
み尓よのきゝみゝも1者ゝ可り給へきみの本とにいとお1し﹂︵47ウ・1068⑥︶
遣な2りしよの1さ者きなともお1ほしいてるられハ
よろつ1尓つ1ゝ春すくし給个る越可うのとや可尓な2り
給てよの中越思ひしつ1万里給覧ころ本ひの御
ありさ万いよ〳〵ゆ可しく心もと那个れハある万しき事
とはお1ほしな可らお1ほ可多の御︵御$1︶とふらひ尓ことつ1遣て
あハれなるさ万につね尓きこえ給わ可〳〵し可るへき御
阿者ひな2らねハ御可へりも1とき〳〵尓つけてきこえ可者し
給む可しよりも1こよ那くうちくしとゝのひ︵+0者︶て尓多る御
遣者ひ越見給尓も猶しのひ可多くてむ可しの中納言のき
み能もとにも心ふ可きことゝも1越つね尓の給可の人のせう﹂︵48オ・1068⑬︶
と那るいつ1見能さきの可みをめしよせてわ可〳〵しく
い尓しへ尓可へりて可多らひ給人つ1てな2らても1のこし尓
きこ江志ら寿へきこと那むあるさりぬへくきこ江な2
ひ可していみしく志のひて万いらむいまはさやうの
ありきもところせき身の本とにお1ほろ遣な2らすし能
ふれハそこ尓1も1万多人尓者もらし給ハしとお1もふ尓
0125︻そこにも︼-朧ノコト
可多み尓うしろや寿くな2むとの多まふ可むのきみ
いてやよの中越思ひしる尓つ1遣ても1む可しよりつら
き御こゝろをこゝらお1もひ︵+1志︶つ1めつ1るとしころ︵+0の︶者てに
あハれ尓可な2しき御事越さしをきてい可なるむ可し﹂︵48ウ・1069⑤︶
0126︻かなしき御事︼-朱ニ別給コト
可多り越可きこえむけ尓人ハも里き可ぬやうありとも
心の1と者むこそいと者つ1可しかるへ个れとうちなけ
0127︻心のとはむこそ︼-\<合点>なき名そと人尓ハいひてありな2まし/心のとハゝい可ゝこ多へん︵付箋03︶
き給つ1ゝ猶さらにある満しきよし越のミきこゆい尓
0128︻いにしへ︼-源詞
しへわ里な2可りしよに多尓心可ハし給ハぬことにも1あ
0129︻わりなかりし︼-弘徽殿ノコト
らさ里し越个尓そむき給ぬる御多めうしろめ多き
0130︻うしろめたき︼-朱ニ対ノコト
やう尓はあれとあらさりしことにも1あらねハい万し
も1个さや可尓きよ万者りてたち尓しわ可那い万
0131︻たちにしわかな︼-\<合点>むらとりの多ち尓1しわ可名いま/佐ら尓/ことな2しふとも志るしあらめや︵付箋04︶
さらにとり可へし給へき尓やとお1ほしお1こしてこの志の1
0132︻しのたのもり越︼-\<合点>
多の1もり越みちの1しるへ尓て万うて給女君尓はひ
0133︻女君︼-紫
む可しの院尓ものするひ多ちのきみのひころわつ1ら﹂︵49オ・1069⑫︶
ひて飛さしくな2り尓个るをも能さハ可しき万き
れ尓とふらハねハいとお1しくてなむ飛るなとけさ
や可にわ多らむも飛んな2き越よの万にし能ひて
とな2むおもひ者へる飛とにも可くともしら勢しと
きこえ給ていとい多く心个さうし給をれい者さしも
見え給者ぬあ多り越あやしとみ給ておもひあハせ
0134︻あやしとみ給て︼-紫
給こともあハ︵ハ$1︶れとひめ宮能御事能ゝちハな尓こともい
と春きぬる可多のやう尓はあらすすこしへ多つ1る心そ
ひてみしらぬやう尓てお1者すそのひハしむ殿へもわ
多り給者て御ふミかき可ハし給多きものな2とに心越い﹂︵49ウ・1070③︶
れてくらし給よひすくしてむつ1ましき人のかきり
四五人者可りあしろくる満のむ可しお1ほえてやつ1れ
多る尓ていて給いつ1みの可ミして御せうそこきこえ給
かくわ多りお1ハし万したるよしさゝめきゝこゆれハお1
とろき給てあやしくい可やうにきこえ多る尓可とむつ1
可り給へと越可しやか尓て可へし多て万つらむにいとひ
むな2う者へらむとてあな可ちにお1もひめくらして
いれ多て万つ1る御とふらひな2とに︵に$1︶きこえ給てたゝこゝ
もと尓ものこし尓てもさらにむ可しのある満しき
心な2とはのこらすな2りに个るをとわ里な2くきこえ給﹂︵50オ・1070⑪︶
へはい多くな2个く〳〵ゐさりいて給へりされハよ猶个ち
0135︻されはよ︼-源心
0136︻猶︼-ナヲ
可さハと可つ1お1ほさる可多ミにお1ほろ遣な2らぬ御
見しろきな2れハあハれも1すく那可らすひん可しの
多いな2り个り多つ1ミ能可多の飛さし尓春ゑ多て万
つ1りてみさうし能しり︵+1ハ可り︶ハ可多め多れハいとわ可や可な2
0137︻いとわかやかなる心ち︼-源心
る心ちもする可那とし月の1つもり越も万きれな2く
可そへらるゝ心那らひ尓︵+0かく︶お1ほし︵し$1︶め可しきはいみし
うつ1らくこそとうら見きこえ給夜い多くふ遣ゆ
く多満もにあそふ越しのこゑ〳〵な2とあ者れ尓きこ
江てしめ〳〵と人めすくなき宮の1うちの1ありさ﹂︵50ウ・1071③︶
万も1さも1うつ1里ゆくよ可那とお1ほしつ1ゝくるにへい
中かまねな2らねと万ことにな2ミ多もろ尓な2むむ可し
に可者りてお1と那〳〵しく者きこえ給も1能可らこれ
0138︻これをかくてやと︼-障子ヲアケントスル也
を可くてやとひきうこ可し給
とし月をな2可尓へ多てゝあふさ可能さもせ
0139︻とし月を︼-源
き可多き︵き$1く︶お1つ1るなミ多可女
なミ多のミせきとめ可多きしみつ1尓てゆき
あふみちハゝやく堂えにきな2と可遣者那連きこえ給
へとい尓しへをゝほしいつ1るも1多れ尓よりお1ほう
はさるいみしきことも1ありしよのさ者きそハ︵ハ$1︶と﹂︵51オ・1071⑨︶
お1もひいて給尓个尓いまひと多︵+0ひ︶の多いめむハありも1
すへ可り个りとお1ほしよ者るもゝとよりつ1しや可な累
ところハお1ハせさりし人のとしころハさ満〳〵尓よの中
をゝもひし里きし可多越く1やしくお1ほや遣わ多く
しの1ことにふれつゝかすもな2くお1ほしあつ1めていと
い多くすくし給尓多れとむ可しお1ほえ多る御多いめ
む尓そのよ能ことも1とを可らぬ心ちして江心つ1よ可らぬ︵可らぬ$1くも︶
もてな2し給者す猶らう〳〵しくわ可うな2つ可しく
てひと可多な2らぬよのつゝ万しさ越もあハれをも1お1
もひミ多れてなけき可ち尓てものし給个しき﹂︵51ウ・1072①︶
な2とい万者しめ多らむよりも1めつ1らしくあハれ
尓てあ遣ゆくもいとくち越しくていて給者むそら
も1な2しあさ本ら遣の1多ゝな2らぬそらにもゝちとり能こゑ
もいとうらゝかな2里者那者みな2ちりすきてなこり可
すめるみ︵み$1こ︶寿ゑのあさみとりなるこ多ちむ可しふち
の江んし給しこのころ能ことなり个り可しとお1ほし
いつるとし月のつ1もり尓个るほともそのお1りのこと可き
つ1ゝ个あ者れ尓お1ほさる中納言のきみゝ多て万つりを
くるとてつ1万︵+0と︶をしあ遣多る尓多ちかへり給てこの
ふちよい可尓そめ个むいろ尓可猶えな2らぬ心そ布尓﹂︵52オ・1073⑧︶
本ひ尓こそい可て可この可遣越者多ち者那るへきとわ里
那くいて可て尓お1ほしや春らひ多里山き者よりさし
いつ1るひの者那や可なる尓さしあひめも可ゝやく心
ち春る御さ満のこよな2くねひく者ゝり給へる御遣ハ
ひな2と越めつ1らしく本とへてもみ多て万つる者万し
てよのつねな2らすお1ほゆれハさる可多尓てもな2と可
見多て万つりすくし給者さらむ御みやつ1可へ尓も可
き里ありてき者ことに者那連給こともな2可りし越
こ宮の1よろつ1尓心をつ1くし給ひよ可らぬよ能さ者き﹂︵52ウ・1072⑭︶
0140︻こ宮︼-弘徽殿
に可ろ〳〵しき御な2さへひゝきてやみ尓しよな2とお1も
ひいてらるなこりお1ほくのこりぬらん御も1の1可多り
のとちめ︵+1尓1︶ハけ尓のこりあら勢ま本しきわさなり︵り$1め︶
るを御身心尓え万可せ給万しくこゝらの人めも1
いと越そろしくつゝ万し个れハやう〳〵さしあ可りゆく
尓心あ者多ゝしくてらうのとに御くる万さしよせ
堂る人〳〵も1し能ひてこわつ1くりきこゆ人めして
可能さき可ゝり多る者那ひと江多お1らせ給へり
しつ1みしも1わ寿れぬものをこり春満尓身も
0141︻しつみしも︼-源
な2个つ1へきやとの1ふちな2見﹂︵53オ・1073⑥︶
いとい多くお1ほしわつ1らひてよりゐ給へる越心くる
しうみ多て万つる女君もい万さらにいとつゝましく
さ万〳〵尓お1もひみ多れ給つ︵つ$1へ︶る尓者那の可遣ハな2をな2
つ1可しくて
みをな2个むふちも万ことのふちな2らて可遣
0142︻みをなけむ︼-朧
しやさらにこりす万のなミいとわ可や可なる御ふる
万ひを心な可らも1ゆるさぬ事尓お1ほしな可らせき
もりの1可多可らぬ多ゆミ尓やいとよく可多らひをきて
いて給その可ミも人よりこよ那く心とゝめてお1もふ給
へりし御心さしな2可ら者つ1可尓てやみ尓し御な2可らひ﹂︵53ウ・1073⑫︶
尓ハい可て可ハあ者れもすく那可らむいみしく新のひ
いり給へるおほんねく多れのさ満を万ちうけて女君
さ者可りな2らむと心え給つれとお1ほめ可しくもてな2し
てお1者春な可〳〵うち布すへな2と志給へらむよりも心
くるしくな2と可くしも1見者那ち給つらむとお1ほさ
0143︻見はなち︼-紫ノミハナチ給テハト也
るれハありしより遣にふ可きちきりをのミな2可きよを
可遣てきこえ給可むのきみの御事も又もらすへきな2
らねといにしへのこともし里給へれハ万本尓はあらねと
ものこし尓者つ1可な里つ1る多いめな2んのこりある心
ちするい可て飛とめと可めある万しくもて可くしてハ﹂︵54オ・1074⑤︶
い万ひと多ひもと可多らひきこえ給うちわらひていま
0144︻うちわらひて︼-紫
め可しくも1な2里可へる御ありさ万可那む可し越い
0145︻むかし越いまに︼-\<合点>い尓しへの志つのを多満支くり/返し/む可しを今尓なすよしも可な1︵付箋05︶
万尓あら多め︵+1く︶は︵は$1ら︶へ給本とな可そらなる身のためくるし
くとてさす可にな2ミ多く見堂万へる万みのいと
らう多け尓みゆる尓可う心やす可らぬ御个しきこそ
0146︻かう心やすからぬ︼-源
くるし个れ多ゝお1ひら可尓ひきつ1ミな2として越し
へ多まへゝ多てあるへくも1な2らハしきこえぬをおも
者寿尓こそな2り尓个る御心な2れとてよろつ1尓御心と
り給ほと尓な尓こともえのこし給ハすなりぬめ里
宮の御可多尓もとみ尓えわ多り給ハすこしらへきこ﹂︵54ウ・1074⑪︶
江つ1ゝお1者し万すひめ宮者な2尓ともお1ほし多ら
ぬを御うしろミともそやす可らすきこえけるわつ1ら
0147︻わつらはしう︼-心 女三ノコト
者しうな2とみえ給个しきな2らはそな多も1万し
て心くるし可るへきをお1︵+0い︶ら可尓うつ1くしきも1てあそ
ひくさ尓お1もひきこえ給へりきりつ本の御可多ハうち
0148︻きりつほの御方︼-明石中宮
者へえ満可て給ハす御いと満のあり可多遣れハ心や寿く
な2らひ給へるわ可き御心尓いとくるしくのミお1ほし多
りな2つ1ころな2や満しくし給をとみ尓もゆるしき
0149︻なやましくし給︼-明石中宮御懐妊
こえ給者ねハいとわ里な1しとお1ほ寿めつ1らしきさ
万の御心ち尓そあり个る万多いとあえ可なるお1ほむ本と﹂︵55オ・1075④︶
にいとゆゝしくそ堂れも〳〵もお1ほすらむ可し可ら
うして万可て給へりひめ宮のお者し万すおとゝのひむ
0150︻ひめ宮︼-女三
可しお1もて尓御可多ハ志つ1らひ多りあ可しの御方いま者
御身尓そひていていり給も1あら満本しき御寿くせ
なり可し多いのうへ尓︵尓$1︶こ那多にわ多りて多い免し給
ついてに日め宮尓も中の1とあ遣てきこえむ可ねて
よりも1さやうにお1もひし可とつ1いてな2き尓ハつ1ゝ万し
きを可ゝるお1りにきこえ者︵者$1︶那連な2ハ心や寿くなむあ累
へきとおとゝにきこえ多万へハうちゑみてお1もふやうなる
0151︻うちゑみて︼-源
へき御可多らひ尓こそ盤あな2れいとおさ那遣尓もの1﹂︵55ウ・1075⑩︶
し給める越うしろやすく越しへな2し給へ可しとゆ
るしきこえ給宮よりも1あ可しのきみ︵+0の︶者つ1可し遣
0152︻宮より︼-紫心
尓て万しらむをお本せは御くしす万しひきつ1く
ろひてお1ハする多くひあらしと見え給へりお1とゝハ
宮能御可多にわ多り給てゆふ可多可の1多い尓者へる人のし
0153︻宮の御かた︼-女三
けいさに多いめんせんとていて多つ1そ能つ1いて尓ち可つ1き
きこえさ勢万本し遣にもの寿める越ゆるして可多らひ
給へ心な2とはいとよき人な2り万多わ可〳〵しくて御あそひ
可多き尓も1つきな可らすな2むな2ときこえ給ハつ可し
0154︻はつかしうこそ︼-女三
うこそハあらめな尓こと越可きこえむとおひら可尓能﹂︵56オ・1076③︶
給人のいらへハことにし多可ひてこそハお1ほしいてめへ多
0155︻人のいらへ︼-源
てをきて那もてな2し給そとこ万可に越しへきこえ
給御な可うるハしくて春くし給へとお1ほすあ万りに
な2尓心もなき御ありさ満をみあらハされむも1者つ1
かしくあちきな2个れとさの多万者ん越こゝろへ多て
むもあいな1しとお1ほ寿なり遣り多い尓ハかくいて
たちな2とし給も1能可らわれより可みの人やは阿
るへき身の本となるも1のハ可那きさ万越みえ越き
多て万つ1り堂る︵+1ハ可り︶こそあらめな2とお1もひつ1ゝ遣られ
てうちな可免給てな2らひな2とする尓も越のつ1可ら﹂︵56ウ・1076⑨︶
ふることもゝの1おも者しきすち︵+0ニ︶のミかゝるゝ越さらハ
わ可身尓ハお1もふことあり个りと身な2可らそお1ほし
しらるゝ院わ多り給て宮女御のきみな2とのお1ほさ︵さ$3︶
むさむ︵さむ$3︶さ万とも1越うつ1くしうも1お1ハする可那とさ
万〳〵み多て万つ1り給へる御めうつ1し尓ハとしころ
めなれ給へる人のお1ほろ遣ならん可いと可くお1とろい︵い#1︶
かるへき尓もあらぬをな越多くひな2くこそはとみ給
0156︻たくひなく︼-紫ヲ源ノ心
あり可多き事な2り可しあるへきかきり遣多可う者つ1可
し遣にとゝのひ多る尓そひてハ那や可尓い万め可しく
尓本ひな2万めきたるさ満〳〵の可ハ︵ハ$1を︶りも1とりあつ1めゝて﹂︵57オ・1077②︶
多きさ可りにみえ多満ふこそよりことしは万さり
き能ふよりハ个ふハめつ1らしくつね尓めなれぬさ
まのし多万へるをい可てかくしも1あり遣むとお1本
すうちとけた里つ1る御てな2らひをすゝりのし多ニ
0157︻うちとけたりつる︼-恨給コト
さしいれ多万へれとみつ1遣給てひき可く︵く=0へ︶しみ給
てな2とのいとわさとも上すとみえてらう〳〵しく
うつ1くし遣に可き給へり
みにち可くあきやきぬらんみる万ゝ尓あ越
0158︻みにちかく︼-紫
ハの山も1うつ1ろひ尓个りとあるところ尓めとゝめ
給て﹂︵57ウ・1077⑧︶
みつ1とりのあをハゝいろも可ハらぬを者きの1し
0159︻みつとりの︼-源
0160︻はき︼-萩
多こそ个しきことな2れな2と可きそへつ1ゝすさ
0161︻けしき︼-紫ノコト
ひ給ことにふれてこゝろくるしき御遣しきのし
多尓はをの1つ1可らも1りつ1ゝみゆるをことな2く个ち
堂満つるも1あり可多くあハれ尓お1ほさるこよひハ
いつ1可多にも1御いと満ありぬへ个れ者かのし能ひとこ
0162︻かのしのひこと︼-朧
ろ尓いとわ里な1くていて給ひ尓个りいとあるましき
ことゝいみしくお1ほし可へ春尓も可な2ハさり个り
東宮の御可多ハ志ちの者ゝきみよりも1こ能御可多越ハ
0163︻東宮の御かた︼-明石中宮
0164︻この御かた︼-紫
むつ1ましきも1の尓多のミきこえ給へりいとうつ1︵+0く︶し﹂︵58オ・1078①︶
遣にお1とな2ひ万さり多万へるをゝもひへ多て寿か
な2しとみ多て万つ1里給御も1能可多りな2といとな2つ1
可しくきこえ可ハし多万ひてな可のとあ遣てみ
や尓も多いめんし給へりいとお1さな2个尓のミみえ給へハ
心やすくてお1と那〳〵しく越やめきたるさ万にむ可し
の御すちをも1多つねきこえ給中納言のめのとゝいふめ
0165︻御すち︼-イトコノ心
0166︻中納言のめのとゝいふ︼-紫詞
しいてゝ越な2し可さしを多つねきこゆれハ可多し
0167︻越なしかさし︼-\<合点>
遣な2个れとわ可ぬさ万にきこえさ寿れ者︵者$1と︶つ1いてな2く
て者へりつ1るをいまよりハうと可らすあ那多な2とに
もゝのし給てをこ多らむことはお1とろ可しなとも﹂︵58ウ・1078⑦︶
ものし堂ま者むなむうれし可るへきな2との1多
まへは堂のもしき御可遣とも尓さ満〳〵尓をくれきこ
0168︻たのもしき︼-メノト詞
0169︻御かけ︼-母宮コト
江多万ひて心本そけ尓お1者し万すめるをかゝる御
ゆるしの者へめれハま春ことな2くな2むお1もふ多万へられ
遣るそむき給尓しうへの御心む个も1多ゝ可くな2む御心へ多
てきこえ給ハすま多い者个な2き御ありさ万をも1者く
くみ多て万つらせ給へくそ者へめりしうち〳〵尓もさ
0170︻うち〳〵にも︼-メノト詞
な2む多のみきこえさせ給しな2ときこゆいと可多し
0171︻いとかたしけなかりし︼-紫詞
けな2可りし御せうそこのゝちハい可てとのミお1もひ
侍れとな2尓ことにつ1遣ても可すな2らぬ事︵事$3身︶な2むくち﹂︵59オ・1078⑬︶
越し可り个るとやすら可にお1とな2ひたる个者ひ尓て
宮尓も御心尓つき給へくゑな2とのことひゐな2の寿て
可多きさ満わ可や可尓きこえ給へハ遣にいとわ可く心
よけなる人可那とお1さな2き御心ちにハうちと遣
給へりさての1ちハつね尓御ふミ可よひな2としてお1
かしきあそひわさな2とにつけても1うと可らすき
こ江可ハし給よのな可の人もあいな2う可ハ可りに
なりぬるあ多りのことはいひあつ1可ふも1のなれハ
者しめつ1可多ハ多いのうへい可尓お1ほ寿らむ御を本
江︵江=0え︶いとこのとしころのやう尓はお者せしすこしハ﹂︵59ウ・1079⑤︶
お1とりな1んな2といひ遣るをいますこし布可き
御心さし可くてしも1万さるさ満なる越それ尓
つ1遣ても1万多やす可らすゆ︵ゆ$1い︶ふ人〳〵ある尓かく尓
く遣な1くさへきこえ可ハし給へハことな2お1りてめ
や寿くな2んあり遣累可ミな2つ1きに多いのうへ院
0172︻なんありける︼-﹈<朱段落符号>
の御賀尓さ可能ゝみ多う尓てやくし本と遣くや
うし堂て万つ1り給い可めしきことはせちにいさめ
申給へハし能ひや可尓とお1ほしをきて多り本と遣
経者こちすのとゝのへ万ことのこくらくお1もひやら累さい
そうわう経こむ可う者む尓やすみやう経な2といと﹂︵60オ・1079⑪︶
ゆ多けき御いの1りな2り可む多ちめいとお1本く万いり
給へりみ多うのさま越も1しろくい者ん可多な2く
もみちの可遣わけゆくのへの本とより者しめて
みも1のなる尓可多へハき本ひあつ万り給なるへし
しも1可れわ多れる能ハらの万ゝ尓う万くるまのゆき
ち可ふをとし遣くひゝき多り御寿経われも〳〵と御
可多〳〵い可めしくせさ勢多満ふ廿三日を御としみの
ひ尓てこの院者可くすき万な2くつ1とひ多満へるう
ち尓わ可御わ多くしのとのとお1ほ寿二条の院尓て
その御万う遣勢させ給御さうそく越者しめお1ほ﹂︵60ウ・1080④︶
か多のことゝも1ゝみな2こな2多尓のミし給御可多〳〵も1さる
へ︵つ&1へ︶きことゝも1わ遣つ1ゝのそみつ1可うまつり給多いとも1者
0173︻たいとも︼-二条院ノコト
人のつ本年〳〵尓したる越者らひて殿上人諸大夫
院し志も1人万ての万うけい可めしくせさせ多万
0174︻院し︼-六条院ノ院司也
へり心殿能者那ちいて越連いの1しつ1らひ尓てらてん
のいし多てた里お1とゝの尓しの万に御そのつ1くゑ十
二多てゝな2れ︵れ$1つ1︶ふゆ能御よそひ御ふ春満な1とれいのこと
くむらさきのあやのお1ほひとも1うるわしくみえわ多
りてうちのこゝろ盤あらハな2らす御万へ尓をきも1のゝつ1く
0175︻をきものゝ︼-御服ヲヽク也
ゑ布多△︵△#1つから︶のち︵ち=1らイ︶の春そこのお1ほひし多り可さし能多い﹂︵61オ・1080⑩︶
はちむのくゑそくこ可ねのとりしろ可ねの江多尓
ゐ多る心者へな2と志遣いさの御あつ1可り尓てあ可し
能御可多の勢させ給へるゆへ布可く心ことなりうしろ
0176︻御かた︼-中宮
の御屏風四帖ハ︵ハ&1ハ︶しき布卿宮なむ勢させ給遣る
いみしくつ1くしてれいの四季のゑなれとめつ1らしき
せんすい多んな2との︵の$3め︶なれすお1もしろしき多の1かへ尓
0177︻たんなと︼-庭ノタン也
そへてをきも1の1ゝみつ1しふ多よろひ多てゝ御てう
とゝも1れいのことな2りミ那ミのひさし尓かむたちめ
左右の大臣志き布卿宮を者しめ多て万つ1里﹂︵61ウ・1081②︶
てつき〳〵はまして万いり給者ぬ人な2しふ多いの1左
右尓1かく人能ひら者りうちてにし飛ん可し尓とんし
き八十くろくの可らひつ1四十つ1ゝつゝ遣て多て多里
0178︻十︼-ジフ
0179︻ろく︼-禄
飛つ1しのとき者可り尓可く人まいる万んさいらく
わ︵わ&1わ︶う志やうな2とまいてひくれかゝる本とにこ満の1らん
0180︻わうしやう︼-皇麞
0181︻らんしやう︼-乱声
しやうしてらくそん万いゝて多る本と猶つねのめな2
0182︻らくそん︼-落蹲
れぬ万ひの1さ満なれ者万ひ者つる本と尓権中納言
0183︻権中納言︼-夕
ゑもんの可みお1りてい里あやを本の可に万ひても見
0184︻ゑもんのかみ︼-柏
ちの可遣尓い里ぬるな2こりあ可す遣うありと人〳〵﹂︵62オ・1081⑦︶
お1ほし堂りい尓しへの1春さく院の行幸尓せい可い
者のいみし可りしゆふへお1もひいて給人〳〵ハ権中
納言衛もんの可み又お1とらす多ちつ1ゝき給尓遣累
よのお1ほえありさ満可多ち︵+0ようい︶な2ともおさ〳〵お1とらす
つ可さくら井ハやゝすゝみてさへこそな2とよ者ひの
本とをも1可そへて猶さるへき尓てむ可しよりかく
堂ちつ1ゝき多累御中らひな2り个りとめて多く思
あるしの院も1あ者れ尓な2み多く満しくお1ほしいて
らるゝことゝも1おほ可りよにい里て可く人とも万かりいつ1﹂︵62ウ・1081⑬︶
き堂の万むところのへ多うとも1ひと〳〵ひきゐて
0185︻きたのまむところ︼-紫上ノコト
ろく能可らひつ1尓よりて飛とつ1ゝつとりてつき〳〵給
しろきも1能ともをしな2〳〵可つ1きて山き者より
い遣の1つ1ゝ春すくる本と能よそめハちとせ越可ねて
0186︻ちとせ越かねて︼-\<合点>
あそふ︵+1つるのけ衣尓思万可へらる御あそひ︶者し万里て又いとお1もしろし御ことゝも1
は春宮よりそとゝ能へさせ給个る朱雀院よりわ多
り万いれるひわきむうちより給者り給へるさうの御こと
な2とミ那む可しお1ほえ多るものゝねとも尓1てめつ1らし
く可きあハせ給へる尓な2尓能お1里にも1すきにしか多﹂︵63オ・1082⑤︶
の御ありさ満うちわ多里な2とお1ほしいてらる故入道の1
宮お1者せ万し可はかゝる御可な2とわれこそすゝみつ可
0187︻われこそすゝみつかうまつらましか︼-薄雲ハ源氏ヨリ御アネ也
う万つら万志可は︵は$3︶な尓ことにつ1个てかは心さしも1みえ
多て万つ1り遣むとあ可すくちおしくのミお1もひい
てきこえ給うちにも1故宮のお1者し万さぬこと越な2
尓ことにも1者え那くさう〳〵しくお1ほさるゝ尓この院
の御こと越多にれいのあと越阿るさ満の可しこ万りをつ1
くしてもえみせ多て万つ1らぬをよとゝも尓あかぬ心
ちし給も1ことしハこの御賀にことつ1遣てみゆきな2とも﹂︵63ウ・1082⑪︶
あるへくお1ほしをきて个れとよのな可のわつ1らひ
な2らむことさらにせさせ給万しくな2むといな2ひ
申給こと多ひ〳〵尓な2りぬれハくちお1しくお1ほし
と万りぬしハすの者つ1可あ万りの1本とに中宮万可て
させ給てことしの1ゝこりの御いの1りにな2らの京の七大
寺尓み寿行︵行$1経︶ぬの四千収このち可きみやこの1四十寺尓
0188︻四千収︼-四千段
きぬ四百疋をわ可ちてせさせ給あり可多き御者くゝみ
越お1本しゝりな可らな2尓ことも1︵も1$1尓︶つ遣ても1︵も1$1可︶ふ可き御心さ
しをもあらハし御覧せさせ給者むとてちゝ宮﹂︵64オ・1083③︶
者ゝ宮寿所のお1者せまし御多め能心さしをも
0189︻はゝ宮す所の︼-秋好ノ心
とりそへお1ほ寿に可くあな2可ちにお1ほや遣尓
も1きこえ可へさせ給へハことゝも1お1ほくとゝめさせ給
つ四十の賀といふことはさき〳〵越きゝ者へる尓もの
こりのよ者ひゝさしきためしな2む寿く那可里遣
るをこ能多ひハ猶よのひゝきとゝめさせ給て万ことに
のちに多らむこと越可そへき可︵き可$1さ︶せ給へとあり个れとお1
ほや遣さ満尓て猶いとい可めしくな2むあり遣る宮の
お1ハし万す万ちの1心殿尓御しつ1らひな2としてさき〳〵﹂︵64ウ・1083⑧︶
尓1こと可ハらす可む多ちめの1ろくな2とたいきやうにな2
すらへてみこ多ちにハことに女の1さうろ︵ろ=0ソ︶くひ参き能
四位万うちきむ多ちな2との︵の$3︶堂ゝの殿上人尓はしろ
き本そな可ひと可さねこしさしな2と万てつ1き〳〵尓多︵多#1︶
0190︻こしさし︼-絹
多満ふさうそく可きりな2くきよら越つ1くしてな2多
かきお1ひ御者可しな2と故前坊の御可多さ満尓てつ1多
0191︻御はかし︼-太刀コト
者り万いり多るも1又あハれ尓な2むふるきよの一能
も1のとな2ある可きりハみな2つとひ万いる御賀尓な2む
あめるむ可しも1能可多りにもゝのえさせ多るを可しこ﹂︵65オ・1083⑭︶
きことにハ可そへつ1ゝ个多めれといとうるさくてこ△△︵△△#1ち多︶
き御な2可らひのことゝも1︵+0者︶江そ可そへあへ者へらぬや△︵△#1︶
内にハお1ほしそめてしことゝも1越む个尓やハとて中納言
尓そつ1个させ給て遣るそのころの右大将や万ゐし
0192︻つけさせ給て︼-仰付ラルヽ也
てしゝ給个るをこの中納言尓御賀の本とよろこひく
者へむとお1ほしめして尓者可にな2させ給つ1院も1よ
ろこひきこえさせ給も1の可らいと可く尓者可にあ万る
よろこひをな2むいち者やき心ちし侍とひ遣し申
給うしとらの万ちに御しつ1らひ万うけ給て可くろへ﹂︵65ウ・1084⑥︶
たるやうにしな2し給つ︵つ=0へ︶れと遣ふハな2を可多ことに
きしき万さりてところ〳〵のきやうな2ともくらつ1
可さこくさう院よりつ可う万つ1らせ給へりとんし
きな2とお1ほや个さ万尓て頭中将せんしうけ給ハりて
みこ多ち五人左右お1とゝ大納言ふ多り中納言三人さい
将五人殿上人者れいの1内東宮院のこるすくな2し
お1まし御てうとゝも1な2とはお1ほきお1とゝくハしくうけ
給ハりてつ1可う万つ1らせ給へり个ふハお1ほせことあり
てつ1可う万つ1らせ︵つ1可う万つ1らせ$3わ多り万いり︶給へりゐんもいと可しこくお1とろ﹂︵66オ・1084⑫︶
き申給て御さ尓つき給ぬもやの御さにむ可へて越
とゝ能御さありいときよらにもの〳〵しくふとりてこのお1とゝ
そい万さ可りのしうとくとハ見え給へるあるしの院ハ
猶いとわ可き源しのきみ尓みえ給御屏風四帖尓う
ちの御てかゝせ給へる可らのあやのうす多ん尓志多ゑの
0193︻うすたん︼-ウスタミノコト
さ満な2と越ろ可な2らむやハお1もしろき春秋の1つくりゑ
な2とよりも1この御屏風の春見つ1きの可ゝやくさ万ハ
めも1をよ者春お1もひな2しさへ︵く&1へ︶めて多くな2むあり遣累
越きも能ゝミつ1しひき物ふき物な2とくら人所より給﹂︵66ウ・1084④︶
者り給へり大将の1御いきをひいとい可免しくな2り給尓
多れハうちそへて个ふのさ本ういとことな2り御む万四十
疋左右む万つ1可さ六ゑふ︵ふ=0ウ︶の官人可みよりつき〳〵尓
ひきとゝのふる本と飛くれ者てぬれいの万んさいら
くかわうおんな2といふ万ひ遣しき者可り万ひて
おとゝのわ多り給へる尓めつ1らしくもて者やし給
へる御あそひ尓ミ那人心をいれ給へりひわハれいの
兵部卿宮な2尓ことにも1よに可多きもの1ゝ上寿にお1
者していとにな2しお万へ尓きむの御ことお1とゝわこむ﹂︵67オ・1085⑩︶
ひき給としころそひ給尓个る御みゝのきゝな2し
尓やいというにあ者れ尓お1ほさるれハきむも1御て
0194︻きむ︼-院ノコト
おさ〳〵可くし給者すいみしきねともいつ1む可しの
御も1の可多りともな2といてきてい万者多かゝる御な可
らひ尓いつ1可多につ1遣ても1きこえ可よひ給へき
御むつ1ひな2と心よくきこえ給て御みきあ万多ゝひ
万いりても1能ゝお1もしろさも1とゝこ本りな2く御ゑひ
な2きとも江とゝめ給ハす御をくりも1の尓すくれ多累
わこむひとつ1このみ給こ万ふ江そへて志多んの1﹂︵67ウ・1086①︶
者こ飛とよろひ尓からの1本ともこゝ能さうの本
な2といれて御く1る万尓1をひて多て万つれ給御む万
とも1む可へとりて右︵+0の︶つ可さとん︵ん=0も︶こ万の可くしてのゝし
る六衛ふの官人のろくとも大将︵+1多万ふ︶御心とそき給て
い可めしきことゝも1はこの多ひとゝめ給へれと内東宮
一院きさいの宮つき〳〵の御ゆ可りいつ1くしきほといひ
0195︻一院︼-朱ノコト
志ら寿みえに多ることな2れ盤な2を可ゝ累お1り尓ハめ
て多くな2むお1ほえ个る大将の1多ゝひとゝころお1ハ
する越さう〳〵しく者えな2き心ちせし可とあ万多﹂︵68オ・1086⑦︶
の人尓寿くれお1ほえこと尓人可らも1可多ハらな2きや
うにも能し給尓も可能者ゝき多の可多のいせのみや
春所とのうらみ布可くいとみ可ハし給个む本との御寿
くせとものゆく春ゑ見え多るな2むさ満〳〵な2り个る
そのひの御さうそくとも1な2とこ那多のうへな2むし
0196︻こなたのうへ︼-花チル里
給个るろくともお1ほ可多の1ことをそ三条のき多の1か
0197︻三条のきたのかた︼-雲ゐ
たハいそき給めりしお1里ふし尓つ1遣多る御いとな2ミ
うち〳〵のものゝきよら越もこな2多にハ多ゝよそのこと尓
0198︻こなたに︼-花チル
のミきゝわ多り給越な2尓ことにつけて可はかゝるもの〳〵﹂︵68ウ・1086⑬︶
しき可寿にも1万しらひ給者万しとお1ほえたる
を大将のきみの御ゆ可りにいとよく可す万へられ給へ
りとし可へりぬき里つ1本の御可多ち可つき給ぬる尓
より正月つい多ちよりみす本うふ多んにせさせ給て
ら〳〵やしろ〳〵の御いのりハ堂︵ハ堂$1者多︶可すも1しらすお1とゝの
きみゆゝしきことを見給へてし可は可ゝる本とのこと
0199︻見給へて︼-葵ノコト
いとお1そろしきもの尓お1ほしゝみ多るを多いのうへ
0200︻たいのうへ︼-紫ヲツヰ子ヲウミ給ハス
な2とのさることし給ハぬハくち越しくさう〳〵しき
も1能可らうれしくお1ほさるゝ尓万多いとあえ可那る﹂︵69オ・1087⑤︶
0201︻またいとあえかなる︼-明石姫君十四ナリ
御本とにい可にお1者せむと可ねてお1ほしさ者くに
二月者可りよりあやしく御个しき可者りてな2やみ
給尓御心とも1さわくへし御みやうしともゝところを
可へてつ1ゝしみ給へく申个れハ本可のさし者那れ
多らむ者お1ほつ可な2しとて可能あ可しの御万ちの1
な2可能多い尓わ多し多てまつ1り給こ那多ハ堂ゝお1本
きなる多いふ多つ1らうとも1な2むめくりてあり遣る尓
み春本うの多んひ万な2くぬりていみしき个むさ
とも1つ1とひて能ゝしる者ゝきみこ能ときにわ可御﹂︵69ウ・1087⑩︶
すくせも1見ゆへきわさな2めれ盤いみしき心を
つ1くし給可の1お1ほあ万きみも1い万ハこよ那き本
遣人尓てそあり遣む可しこの御ありさ万を見多
て万つ1るハゆめの心ちしていつ1し可と万いりち可つき
な2れ多て万つるとしころハゝ君ハ可うそひさふらひ
給へとむ可しのことなと万本尓しも1きこえしらせ給
者さり遣るをこのあ万君よろこひ尓え多へて万いり
てハいとなミ多可ちにふるめ可しきことゝも1越わな2ゝき
いてつ1ゝか多りきこゆハしめつ1可多ハあやしくむ﹂︵70オ・1088②︶
つかしき人可那とうち万も1り給し可とかゝる人あり
と者可りハ本のきゝをき給へれハな2つ1可しくもてな2
0202︻ほのきゝをき給へれは︼-尼ニ初対面
し給へりむ万れ給し本との事お1とゝのき︵+0ミ︶の可能う
らにお1ハし万したりしありさ万い万ハとて京︵+0へ︶の
本り給し尓堂れも1〳〵心を万とハしてい万ハ可き
り可は可りのちきりにこそハあり个れとな2个きし
越わ可きみの可くひき多す个給へる御春くせの1
0203︻わかきみ︼-姫君ゆへと也
いみしく可な2しきことゝ本ろ〳〵とな2き︵き$1个︶はけ尓あ
者れな2り遣るむ可し能ことを可くき可せさら満し﹂︵70ウ・1088⑧︶
可はお1ほつ可那くてもすきぬへ可り遣りとお1ほし
てうちな2け︵け$1︶き給心のうちに盤わ可身ハけ尓う遣ハ
りていみしかるへきゝ者尓ハあらさり遣るを多いの
うへの御もてな2し尓み可ゝれて人のお1もへるさ万
な2とも1可多本にハあらぬなり遣りみ︵み$1ひと〳〵︶をハ万多な2き
物尓お1もひて︵て$3︶个ちこよ那き心おこり越者しつ1
れよ飛とはし多にいひいつ1るやうも1ありつ1らむ
可しな2とお1ほしゝ里者てぬハゝ君を者もとより可
く1すこしお1ほえく多れるすちとし里な2可らむ万﹂︵71オ・1088⑬︶
れ給个む本とな2とをはさるよ者那連多るさ可ひ
尓てな2ともし里給者さり个りいとあ万りお1ほと
きた万へる个尓こそハあやしくお1本〳〵し可り遣る
ことなりや可能入道のいまは仙人のよにも1す万ぬや
0204︻かの入道のいまは︼-姫君心
う尓てゐ多なるをきゝ給も1心くるしくな2と可多〳〵
尓お1もひミ多れ給ぬいとも能あ者れ尓な可免てお1
者春る尓御可多万いり給て日中の御可ちにこな2多可な2
0205︻日中︼-ニツチウ
多より万いりつとひも能さ者可しくのゝしるにお1万へ尓
こと人も1さ布らハすあ万きみところえていとち可くさふ﹂︵71ウ・1089⑤︶
らひ給あな2見くるしやみし可き御木丁ひきよせて
0206︻あな見くるしや︼-明石上詞
こそさふらひ給者め風な2とさ者可しくて越のつ1可ら本
ころひのひ万も1あらむにくすしな1とやう能さ満し
0207︻くすし︼-医
ていとさ可り春き給へりやなとな2満可多わらい多く
思ひ給へりよしめきそしてふる万ふは︵は$2と︶お1ほゆめ
0208︻そして︼-存︵存$2殺︶
れともも1う〳〵尓みゝも1お1本〳〵し可り个れ盤あゝと可
多ふきてゐ多りさるはいとさいふ者可りにもあら
す可し六十五六の1本と那里あ万す可多いと可ハら可
に︵+1あてな2るさ万してめ徒やゝか尓︶な2き者れ多るけしきの1あやしくむ可しお1も﹂︵72オ・1089⑪︶
0209︻むかしおもひいてたる︼-明石上詞
ひいて多るさ満な2れ盤むねうちつ1ふれてこ多いの1
飛可ことゝもや侍りつ1らむよくこのよの本可なるやう
なるひ可お1ほえともにと里万せつ1ゝあやしきむ可し
の事とも1ゝいて万うてきつ1らむ者やゆめの心ちこそ
し者へれとうち本おゑみてみ多て万つり給へハいと
な2万め可しくきよら尓てれいよりも1い多く志つ1万
里ものお1ほし多るさ満尓見え給わ可こともお1ほえ給
者春可多しけな2き尓いと越しきことゝもをきこえ給
てお1ほしみ多るゝ尓やい万ハ可者可りと御くら井を﹂︵72ウ・1090③︶
0210︻おほしみたるゝにや︼-尼ノイカナルコトヲ姫君ニ申給ト也
0211︻御くらゐをきはめ給はむよに︼-国母ニ成給ヲ後ニ尼君ニ対面ト明石上ノ心ニ思シコト也
き者め給者むよにきこえも1志ら勢むとこそ
おもへくち越しくお1ほしすつ1へきにハあらねといと〳〵
お1しく心おとりし給らむとお1ほゆ御可ち者てゝ万
可てぬるに御く多も1のな2とち可く万可なひな2しこ
れ者可り越多にといと心くるしけ尓思ひ︵+0て︶きこえ給あ
万きみハいとめて多ううつ1くしう見多て万つ1る万ゝ
尓も1なミ多盤えとゝめす可本ハゑみてくちつ1きな2
とは見くるしく飛ろこり多れと万ミのわ多りうち
しくれて飛そみゐ多りし︵し#1︶あな2可多わらい多とめく﹂︵73オ・1090⑧︶
者春れときゝも1いれ寿
おいの1な2ミ可ひあるうらに堂ちいてゝし
0212︻おいのなみ︼-尼
本多るゝあ万を多れ可と可めむむ可しのよにも1
可やうなる布る人盤つ1みゆるされてな2む侍个る
ときこゆ御春ゝりなる可み尓
し本多るゝあ万越な2ミちのしるへ尓て多つね
0213︻しほたるゝ︼-姫
も見ハや者満のと万やを御方も1江し能ひ給ハて
うちな2き給ひぬ
よをすてゝあ可し能うらに寿む人も1心のやミ﹂︵73ウ・1090⑭︶
0214︻よをすてゝ︼-明石上<朱>
盤ゝ累遣しも勢しな2ときこえ満きらハし給
わ可れ遣むあ可月の1ことも遊めの中尓お1ほしいて
0215︻わかれけむあか月のこと︼-姫ノ心昔ヲ知給ハヌト也
0216︻中︼-ナカ
られぬをくち越しくも1あ里个る可那とお1ほ寿
0217︻おほす︼-﹂<朱段落符号>
やよひの十よ日の本とに多いら可尓む万れ給ひぬ可
ねてハおとろ〳〵しくお1ほしさ者きし可とい多
くな2やみ多満ふことな2くておとこみこさへお
者寿れハ可きりな2くお1ほ寿さ満尓ておとゝも1
御心お1ちゐ給ひぬこ那多ハ可くれの1可多尓てたゝ遣
ち可き本と那るにい可めしき御うふやしな2ひな2﹂︵74オ・1091⑤︶
とのうちしき里ひゝきよそ越しきありさま遣
に可ひあるうらとあ万きみの多め尓はみえ多れと
きしきな2きやうなれハわ多り給な2むとす多いの1
0218︻わたり給なむと︼-源ノコト
うへも1わ多り給へりしろき御さうそくし給て人
のおやめきてわ可宮をつ1とい多きてゐ給へるさ万
いとお1可しみつ1可らかゝることし里給者す人のうへ尓
ても見な2らひ給者ねハいとめつ1ら可尓うつ1くしとお
もひきこえ給へりむつ可し遣にお1者する本と越多えす
い多きとり給へハ満ことの越ハ君者多ゝ万可勢多て万つ﹂︵74ウ・1091⑪︶
りて御ゆとの1ゝあつ1可ひな2と越つ可う万つ1里給春
宮の1せんしな2るな2いしのすけそつ1可う万つ1る御
0219︻せんしなるないしのすけ︼-内侍ヲカネタル宣旨也
む可へゆ︵+0尓︶お1り堂ち給へるも1いとあハれ尓うち〳〵の△︵△#1︶
ことも1本の1し里たるにすこし可多本な2らはいとを
し可ら満し越あさ満しく遣多可くけ尓可ゝるち
きりことにものし給个る人可那とみきこゆこの本と
のきしきな2ともまねひ多てむ尓いとさら那りや
六日といふ尓れいの1お1とゝにわ多り給ひぬ七日の夜内
0220︻れいのおとゝに︼-源ノ返給心
よりも1御うふやしな2ひ能ことあり朱雀院の1可く﹂︵75オ・1092②︶
世越すてお1者し万す御可者り尓やくら人ところよ
り頭弁宣旨うけ給ハりてめつ1ら可那るさ満尓つ1可
う万つれ里六の1きぬな2と万多中宮能御方よりも1
0221︻中宮︼-秋好
お1ほや遣こと尓は多ち万さりい可めしくせさ勢給
つき〳〵能みこ多ち大臣のいへ〳〵そ能ころ能いとなみ尓て
われも〳〵ときよらをつ1くしてつ可う万つり給お1とゝの1
きみも1この本と能ことともはれいのやう尓も1ことそ可せ
給ハてよにな2くひゝきこち多き本とにうち〳〵の1な2満め
可しくこ満可な2る宮ひの万ねひつ1多ふへきふし者め﹂︵75ウ・1092⑧︶
もと満ら寿なりに个りお1とゝの1きみも1わ可宮越本とな2
くい多き多て万つり給て大将の1あま多まうけ多
なる越い万ゝてみせぬ可うら免しきにかくらう多
き人越そ江多て万つりたるとうつ1くしみきこえ給ハ
0222︻うつくしみ︼-愛心
こと者りなりや日ゝにもの越ひき能ふるやうにをよ
春遣給御めのとな2と心しらぬはとみ尓めさてさ布ら
婦中尓しな2心寿くれ多るかきり越えりてつ1可う
まつらせ給御可多の御心をきてのらう〳〵しくけ多可く
0223︻御かたの御心︼-明石上心
お1ほと可那るものゝさるへき可多に盤ひ个して尓くら﹂︵76オ・1092⑭︶
可にもうけハらぬな2と越本めぬ人な2し多いの1うへハ
万本な2らねとみえ可ハし給てさハ可りゆるしな2くお1
ほし多里し可とい万ハ宮の1御とくにいとむつ1万し
く1やむこと那くお1ほしな2り尓た里ちこうつ1くしみ
し給御心尓てあ万可つ1な2と御てつ1可らつ1くりそゝく
りお1者春るも1いとわ可〳〵しあ个くれこの御かしつ1き尓
て春くし給こ︵こ=0可︶のこ多いのあ万きみハわ可宮越え心のと
可にミ多て万つらぬな2むあ可すお1ほえ个る中〳〵み多て
万つ1りそめてこひきこゆる尓そいのちも1え多ふ﹂︵76ウ・1093⑥︶
まし可免るかのあ可し尓1も1かゝる御事つ1多へきゝてさ︵さ$1︶
さる飛し里心ち尓も1いとうれしくお1ほえ个れ盤い
万な2むこのよの1さ可ひ越心やすくゆき者那るへき
とてしともにいひてこの1いゑをはてら尓な2しあ
多り能田な2とのやう能ものハみな1そ能てらのことにし越
きてこのく尓能お1くのこ本りに人も可よひ可多くふ
可き山あるをとしころもしめ越きな2可らあ志こ
にこも里な2むのち又人尓はみえしらるへき尓1も1阿
らすとお1もひて多ゝすこしのお1ほつ1可な2きこと﹂︵77オ・1093⑫︶
のこり个れ者いまゝてな2可らへ遣るをい万はさり
ともと本と个可ミ越多のみ申てな2むうつ1ろひ遣
るこ能ち可きとしころとな2りて者京尓1こと那ること
な2らて人も可よ者し多て万つ1らさりつ1これより
0224︻これより︼-尼君京ヨリノ使
く多し給人者可り尓つけてな2むひとく多り尓ても
あまきみさるへきお1りふしの1ことも可よひ遣累
お1もひ者那るゝよのとちめにふミ可きて御可多に多
て万つ連給へりこのとしころハお1な2しよの中能う
ち尓めくらひ者へりつれとな尓可は可くな2可ら身越﹂︵77ウ・1094③︶
0225︻めくらひ︼-廻
かへ多るやうにお1もふ多満へな2しつゝさせること那き
可きりハきこえうけ給者らす可な2ふミみ給ふるハ
め能いと満いりて念仏も1け多いするやうにやくな2う
0226︻いとまいりて︼-暇入
てな2む御せう所こも多て万つらぬをつ1て尓うけ
給者れ者わ可きみ者春宮に万いり給てお1とこ宮
む万れ給へるよし越な2んふ可くよろこひ申し
者へるそのゆへ者みつ1可らかくつた△︵△#1︶な2き山ふし
の身尓い万さらにこの1よ能さ可え越お1もふ尓も1
者へら寿ゝき尓し可多能としころ心きたな2く﹂︵78オ・1094⑧︶
六時の1つ1と免にも1多ゝ御事越心尓可遣て者ち
0227︻たゝ御事越︼-明石上ノコト
寿能うへの露のね可ひ越はさし越きてな2む
ねむし多て万つりしわ可お1もとむ万れ給者むとせ
0228︻わかおもと︼-明石上ノコト
しそのとしの二月能そのよのゆめ尓1みしやうみ
つ1可らすみの山をみきのて尓さゝけ多り山の1左右よ
り月日のひ可りさや可にさしいてゝ世をてらすみ
つ1可らは山のしもの1可遣にかくれてそのひ可りにあ多
らす山をはひろきうみ尓う可へをきてち井さき
ふねにの1りてにしの可多越さしてこきゆくとな2む﹂︵78ウ・1094⑭︶
見者へしゆ免さ免てあし多よりか寿な2らぬ身に多
のむところいてきな1可らな尓ことにつ1けて可さるい可め
しきことをハ満ちいてむと心の1うちにお1もひ者へし
越そのころより者ら万れ給尓しこな2多そゝ︵ゝ=0く︶能可多の1
ふミ越見者へし尓も1又な2いけうの心を多つぬる中
尓もゆめ越しんの心を︵の心を$3︶すへきことお1ほく者へし可は
いやしきふところのうち尓も可多しけな2く思ひ
い多つ1きたて万つりし可とち可らをよ者ぬ身尓
お1もむき︵むき$3布︶た万へ可ねてな2むかゝるみちにお1もむ﹂︵79オ・1095⑤︶
き者へり尓し又このくにの1ことにしつ1ミ侍てお1
いのな2ミにさら尓多ち可へらしと思ひとちめて
このうらにとしころ侍し本ともわ可君を多のむ
ことにおもひきこ江者へし可はな2む心飛とつ1尓1
お1ほくのくわんを多て者へしその可へり申
たひら可尓お1もひのこととき尓あひ給わ可きみく尓
能者ゝとなり給てね可ひみち給者む世にすみよ
しの1宮しろを者しめ者多︵+1し︶申給へさらにな尓
こと越可はう多可ひ侍らむこのひとつ1のお1もひち可﹂︵79ウ・1095⑩︶
きよに可な2ひ者へりぬれ者者る可に西の可多十万
億のくにへ多てたる九品のうへのゝそ見う多可
ひな2くなり者へりぬれ盤いま者多ゝむ可ふる者
ちすをまち者へる本とそ能ゆふへ万て水草き
0229︻水草︼-ミツ
よき山の1春ゑ尓てつ1とめ侍らむとてな2む万可
りい里ぬる
ひ可りいてむあ可月ち可くな2りに个りい万そみ
0230︻ひかりいてむ︼-入道
しよのゆ免か多り春るとて月日可き多りいの1
0231︻月日かきたり︼-ヒツケナリ命日トシレト也
0232︻いのちおはらむ︼-ハシカキ也
ちお1ハらむ月日もさらにな2しろしめしそい尓1しへ﹂︵80オ・1096①︶
より人のそめをき个るふちころも1尓もな2尓可や
つ1れ給多ゝわ可身ハへん化のものとお1ほしな2して
お1い本うしの多め尓ハく1とくをつ1くり給へこのよの
多のしみ尓そへても1のちの1よをわ寿れ給なね可
ひ者へる所尓多にい多り侍な2は可な2らす又多いめん者
侍な2むさハ里︵里$2︶の本可のきし尓い多りてとくあひみむと
をお1ほせさて可のやしろに多てあつ1め多るくわん︵くわん$1ね1可ひ︶ふミ
ともをお1ほきなるちむ︵+0の︶ふ者こに布んしこめて多て
万つり給へりあ万君尓はこと〳〵尓も1可ゝす堂ゝこの月﹂︵80ウ・1096⑦︶
の十四日にな2むくさの1い本り万可り者那連てふ可き
山尓いり者へりぬる可ひな2き身をハく1満お1ほ可み尓
もせし者へりな2むそこ尓は猶お1もひしやうな2る
0233︻せし︼-施
御よを万ちいて給へあきら可なるところ尓て又多
0234︻あきらかなる︼-浄土
いめん者ありな2むとのみありあまきみこのふミを
見てか能つ可ひの多いとこにとへはこの御ふミ可き
給て三日といふ尓な2む可の1多え多るみね尓うつ1ろ
ひ給尓しな尓可しらも1可能御をくりにふもと万て
者さ布らひし可とミ那可へし給てそう一人わらハ二人﹂︵81オ・1096⑫︶
な2む御とも尓さ布らハせ給いまはと世越そむき
給しお1里越可な2しきとちめとお1もふ給へし可との
こり者へり遣里としころをこな2ひ能ひ万〳〵尓よ里ふ
しな2可ら可きな2可︵可$︶らし給しきむの1御こと日者とり
よせ給て可いしらへ給つゝほと遣に万可り申給︵給$1志︶てな2
むみ多う尓せ尓うし給しさらぬものともゝお1ほく
0235︻せにう︼-琴ナトヲモ施入也
者多て万つり給てそ能ゝこり越な2む御てしとも
六十よ人な2むし多しき可きりさ布らひ遣る本と
尓つ1遣てみな2所分し給てな2をしのこり越な2む﹂︵81ウ・1097④︶
京の御れうとてをくり多て万つり給へるい万者と
て可きこも里さる者︵+0る︶遣き山の1くも1可すミに万志
り給ひ尓しむな2しき御あとにと満りて可な2しひ
お1もふ人〳〵な2むお1ほく者へるな2とこの1多いとこも1
わらハ尓て京よりく多りしける︵ける$1︶人のおい本うし
にな2りてと満れるいとあ者れ尓心本そしとお1もふ︵ふ$1へ︶
里本とけの1御てしの1さ可しき飛し里︵+0た︶にわし
0236︻御︼-ミ
能みねをハ多と〳〵し可らす堂のみきこえな2可ら猶
0237︻たと〳〵しからす︼-常在霊鷲山
多きゝつ1き个る夜の万とひハふ可ゝり遣るをましてあ﹂︵82オ・1097⑨︶
0238︻たきゝつきける︼-仏涅槃ノコト
0239︻夜︼-夜半也
万きみの可な2しとお1もひ多満へること可きりな2し
御可多︵+0ハ︶みなミのおとゝ尓お1者するをかゝる御せうそこ
0240︻御かた︼-明石上
な2むあると阿里个れ盤し能ひてわ多り給へりおも〳〵
しくみをもてな2してお1ほろけな2らてハ可よひ阿
ひ給ことも可多き越あ者れな2ることな2むときゝてお
ほつ可な2个れ者うちし能ひてものし給へるにいとい見
しく可な2し个な2る遣しき尓てゐ給へり火ち可く
0241︻けしき︼-尼ノコト<朱>
とりよせてこのふみミ︵ミ$2︶越見給尓个尓せきとめむ可多
0242︻このふみ越︼-明石上
そな2可り遣るよ︵よ=0そ︶の人ハな2尓ともめとゝむましき事﹂︵82ウ・1098①︶
の万つむ可しきし可多のことおもひいてこ飛しとお1
もひわ多り給心尓はあひ見て寿き者てぬるに
こそハとみ給尓い見しくいふ可ひな2しなみ多越えせ
きとめすこの1ゆ免可多り越可つ1ハゆくさきたのもし
くさらハひ可心尓てわ可身越さしもある万しき
さ満尓あく可らし給とな2可ころお1もひ多ゝよ者れ
しことは可く者可那きゆめに多のみを可けて心多
可くものし給な2り个りと可つ1〳〵お1もひあ者せ給あ
万君ひさしく多めらひてきみの御とくにハうれしく
0243︻きみ︼-明石上ヘ
お1も多ゝしきことをも1み尓あ万りてな2らひな2くお1もひ﹂︵83オ・1098⑦︶
者へりあ者れ尓いふ勢きお1もひもすくれてこそ者
へり个れ可すな2らぬ可多尓てもな2可らへし宮こをす
てゝかしこにしつ1みゐしを多によひと尓多可ひ
0244︻しつみゐしをたに︼-入道ノ心ヲ云
多るすくせにもある可な2と思ひ者へし可とい遣
るよにゆき者那連へ多ゝるへき中のちきりと盤
お1もひ可け春お1な2し者ちす尓すむへきのちのよ
の多のみをさへかけてとし月越すくしきて尓1者
可に可くお1ほえぬ御こといてきてそむきにしよに多
ち可へりて者へる可ひある御事をみ多て万つ1里﹂︵83ウ・1098⑫︶
よろこふもの可ら可多つ1可多に者お1ほつ可な2く可な2
0245︻かたつかたには︼-入道ノコト
しきことのうちそひて多えぬをつい尓可くあひみ
すへ多てな2可らこのよ越わ可れぬるな2むくち越し
0246︻わかれぬる︼-入道ノコト
くお1ほえ者へるよにへし時多に人に︵+1似︶ぬ心者へにより
0247︻人に似ぬ心はへ︼-入道ノコト
世越もてひ可むるやうな2りし越わ可きとちたのミな1
らひてをの〳〵ハ又な2くちきり越きて个れハ可多み尓
0248︻又︼-マタ
いとふ可くこそたのミ者へし可い可なれハ可くみゝ尓ち
0249︻みゝにちかきほと︼-播州ヘチカキ也
かき本と那可ら可くし︵し#1︶てわ可れぬらむといひつゝ个て
いとあ者れ尓うちひそ見給御可多もいみしくな2﹂︵84オ・1099④︶
きて人尓すくれむゆくさきのこともお1ほえすやか
すな2らぬ身尓ハな尓ことも1けさや可尓可ひあるへ
き尓も1あらぬもの可らあ者れな2る︵る$1︶ありさ万尓1
お1ほつ可那くてや見な2むのみこそくちおし
个れよろつ1のことさるへき人の御多めとこそお1
0250︻さるへき人︼-親ノコト
ほえ者へれさてたえこもり給な2ハ世中もさ多
めな2きにや可てきえ給な2は可ひな2くな2むとてよも
す可らあ者れな2ることゝもをいひつ1ゝあ可し給き
能ふも1おとゝの1きみ能あな2多にありと見越き給て﹂︵84ウ・1099⑨︶
しを尓者可に者ひ可くれ多らむも可ろ〳〵しきや
うな2るへし身ひとつ者な尓者可りも1お1もひ者ゝ可り
者へらす可くそひ給御多めな2とのいとお1しきにな2む
心尓万可せてミをもゝてな2しにく可るへきとてあ可
月尓可へりわ多り給ひぬわ可宮者い可ゝお1ハし万す
い可て可見多て万つ1るへきとても1な2きぬい万み多て
万つり給てむ女御の君もいとあ者れ尓な2むお1ほし
いてに︵に$3、+1つゝ聞えさせ給める院もことのつゐて耳︶もしよの中思ふやうな2らはゆゝしき可ねこ
0251︻よの中︼-春宮ノ世ノコト
とあ万君その本と万てな2可らへ給者な2むとの多満ふ﹂︵85オ・1100①︶
めりきい可にお1本すことに可あらむとの給へハ又うち
0252︻又うちゑみて︼-尼ノ心
ゑみていてやされハこそさ満〳〵多めしな2きすく
勢にこそ者へれとてよろこふこ能ふ者こハも多せ
て万うの本り給ひぬ宮よりとく万いり給へきよし
のミあれ者可くお1ほし多ること者りなりめつ1らし
きことさへそひてい可に心もとな2くお1ほさるらん
とむらさきのうへも1の給てわ可宮しのひて万い
らせ多て万つ1らん御︵+1心︶つ1可ひし給宮春所ハお1ほむ
いと万の1心や春可らぬにこり給てかゝ累つ1いて尓し﹂︵85ウ・1100⑦︶
者しあら満本しくお1ほし多り本と那き御身尓さ
るお1そろしきことをし給へれハすこしお1もやせ
本そりていみしくな2満め可しき御さ万し給へり
可く多めらひ可多くお1ハする本とつくろひ給てこそハ
な2と御可多な2とは心く1るし︵+0可り︶きこえ給をお1とゝハ可やう
にお1もやせてみえ多て万つり給者むも中〳〵あ者れ
な2るへきわさ那里な2との給多いのうへな2とのわ多り
給ひぬるゆふつ1可多しめや可な2るに御可多お万へ尓
満いり給てこのふ者こきこえしらせ給お1もふさ満尓﹂︵86オ・1100⑫︶
可な2い者てさせ給万てはとり可くして越きて者へ
るへ个れと世中さ多め可多个れ盤うしろめ多さ
尓な2むな2尓ことをも1御心とお1ほし可す万へさら
むこ那多︵+0と︶も可くも者可那くな2り者へりな2は可な2ら
寿しも1い万者能とちめ越御らむせらるへきみ尓も
侍らねハ猶うつ1しこゝろうせす者へるよにな2む
者可那きことをもきこえさせをくへく者へり个ると
思ひ侍てむつ1可しくあやしきあと那連とこれも
御らむせよこのくわんふみハち可きみつ1しな2と﹂︵86ウ・1101④︶
0253︻くわん︼-ネカヒ
に越可せ給て可な2らすさるへ可らむお1りに御らむ
してこのうち能ことゝも1ハせさ里︵里$2せ︶給へうとき人尓
はな2もら︵+0さ︶せ給そ可者可りとみ多て万つ1りをき
つ1連ハ見つ1可らも1世をそむき者へな2むとお1もふ
多満へな2里ゆ遣はよろつ1心のと可にも1お1ほえ者へ
らす多いのうへの御心をろ可尓思ひきこえさせ給な2
いとあり可多くものし給ふ可き御个しきを見者へ
れ盤身にハこよ那く万さりてな可き御よにもあら
な2むとそお1もひ者へるもとより御身にそひきこ﹂︵87オ・1101⑨︶
江させむにつ1けても1つゝ満しき身能本とに者へれハ
ゆつ1りきこえそめ者へり尓しをいと可うしも1ゝ
能し給者しとなむとしころハ猶よのつね尓1
お1もふ給へわ多り侍つるい万ハきし可多行さきう
しろや寿くお1もひな2り尓て侍りな2といとお1ほく
きこえ給な2ミ多くみてきゝお1者す可くむつ1万し
可るへきお1まへ尓もつねにうちとけぬさ満し
0254︻うちとけぬさま︼-明石上ノ心
給てわ里那くものつ1ゝ満︵満$1見︶し多るさ満な2りこのふ
みのことはいとう多てこ者くにくけな2るさ万をみち﹂︵87ウ・1101⑭︶
のくに可み尓てとしへ尓个れ者き者みあつこえ
たる五六枚さす可に可うにいとふ可くしみ多る尓か
き給へりいとあ者れとお1ほして御ひたひ可みのやう〳〵
ぬれゆく御そ者めあて尓な2万め可し院者ひめ宮
0255︻ひめ宮︼-女三ノコト
の1御可多にお1者し个るをな2可能みさうしよりふ
とわ多り給へれ盤江しも1ひき可くさて御木丁を
すこしひきよせてみつ1可らはゝ多可くれ給へりわ可
宮ハお1とろき給へりや時の万も1こ飛しきわさな2り
个りときこえ給へハ宮寿所ハいらへもきこえ給ハねハ﹂︵88オ・1102⑥︶
御可多ゝい尓わ多しきこ江給つときこえ給︵+1つ︶いとあや
しやあな2多にこの宮越らうし多てまつりて
ふところをさらに者那多すもてあつ1可ひつ1ゝ
人や里な2らすきぬもみな2ぬらしてぬき可へか
ちなめるかろ〳〵しくな2と可くわ多し多て万つ里
給︵+1こな2多尓わ多りてこそ見多て万つり多万︶ハめとの給へハいとう多てお1もひく満な2き御事可
那女尓お1者し万さむ尓多にあな2多尓て見多て万
つり給者むこそよく者へらめましてお1とこは可き
りな2しときこ江さすれと心や春くお1ほえ給を多﹂︵88ウ・1102⑫︶
者ふれ尓ても可やうにへ多て可満しきこと那さ
可しら︵ら#1︶可里きこ江させ給そときこえ給うちわ
らひて御な2可ともに万可せて見者那ちきこゆへ
きな2ゝり那へ多てゝい万ハ多れも〳〵さしハ那ちさ
可しら︵△&1ら︶な2との給こそお1さ那个れ万つ1ハ可やう尓
者ひ可くれてつれな2くい飛お1とし給め里し︵し$3かし︶とて
御木丁をひきや里給へれハもやのは︵△&1は︶しらにより可ゝ
りていときよけ尓心者つ1可し遣なるさ満して
ものし給ありつ1る者こも1万とひ可くさむもさ満阿
し个れハさてお1者寿るをな2その者こふ可き心﹂︵89オ・1103④︶
あらむけさう人のな2可う多よみてふんしこめ
堂る心ちこそ寿れとの給へハあな2う多てやい万
め可しくな2り可へらせ給める御心な2らひ尓きゝし
らぬやうな2る御春さひことゝも1こそとき〳〵いて
くれとて本ゝゑみ給へれとも1の1あ者れな2り个る御
个しきとも1しる个れハあやしとうち可多ふき給
へるさ満なれハわつらハしくて可能あ可し能い者や
0256︻かのあかしのいはやより︼-明石上
よりし能ひてハへし御いの1り能巻数又万多しき
0257︻数︼-スエ
くわんな2との者へり个る越御心にも1しらせ多て万つ1
るへきお1里あらは御覧しをくへくやとて者へ﹂︵89ウ・1103⑩︶
累を多ゝい万はつ1いてな2くてな尓可ハあ遣させ
給者むときこえ給尓遣にあハれなるへきありさ
さ満そ可しとお1ほしてい可尓をこな2ひ万してすミ
給尓多らむいの1ちな2可くてこゝら能としころつ1とむ
るつ1みも1こよな2可らむ可しよのな2可によしあり︵り$1ル︶
さ可しき可多〳〵の人とてみる尓も1このよ尓そみ多
る本との尓こり布可き尓やあらむかしこき可多こ
そあれいと可きりありつ1ゝをよ者さり遣りや
さも1い多りふ可くさす可に个しきありし人の1﹂︵90オ・1104①︶
ありさ万可な2飛し里多ちこの1よ者な2れ可本
にも1あらぬもの可らしたの心者見那あらぬよ尓
可よひすミ尓多るとこそ見えし可満してい万ハ
心くるしき本多しも1なくお1もひ者那連に多ら
むをや可や春︵春=0ス︶き身な2らはしのひていとあ者満
本しくこそとの給い万は可能侍し所をもす︵す$3︶
すてゝとり能ねきこえぬ山尓とな2むきゝ者へる
ときこゆれ者さらハそ能ゆいこんな2くも︵くも$3な2り︶な2せうそ
こは可よ者し給やあ万きみい可に思給らんお﹂︵90ウ・1104⑥︶
やこの中よりも1万多さるさ万のちきりハこと尓
こそゝふへ个れとてうちな2ミ多くみ給へりとし︵+0比イ︶の1
つ1も里によの中能ありさ万をと可くお1もひし里ゆ
く万ゝ尓あやしくこひしく思いてらるゝ人の1
みありさ万な2れ者ふ可きちきり能な2可らひは
い可尓阿者れならむな2との給つ1いてにこのゆめ
可多りもお1ほしあ者することもやと思ひ︵ひ&1ひ、+0て︶いとあや
しき本むしと可いふやうな2るあとに者へめれ
と御らんしとゝむへきふしもや万し里者へると﹂︵91オ・1104⑪︶
てなむい万者とてわ可れ者へり︵+0尓︶し可とな2越こそ
あ者れハの1こり者へるも能な2り遣れとてさ満よ
くうちな2け︵け$3︶き給て︵て$1、+1より給て1、より=1△イ︶いと可しこく猶本れ〳〵し可ら寿
こそあるへ个れてな2ともすへてな尓こともわ
さというそくにしつ1へ可り遣る人の多ゝこのよふ
る可多の1心越きてこそすく那可り个れ可の千所のお
とゝを︵を$1ハ︶いと可しこくあり可多き心さし越つ1くしてお1ほ
や遣につ可う万つ1り給ひ尓︵尓$3︶个る本とにものゝ堂可ひ
めありてそ能むくひ尓可く春ゑハな2きな2りな2と人﹂︵91ウ・1105③︶
いふめ里しを女子の1可多につ遣堂れと可くていと
つきな2しといふへき尓も︵も$3ハ︶あらぬも1そこらのをこ那ひ
のしるし尓こそはあらめな2となみ多をしのこ
ひ給つゝこのゆ免のわ多り尓めとゝ免給あやし
0258︻ゆめのわたり︼-\<合点>
く飛可〳〵しくすゝろ尓堂可き心さしありと人も
と可免又われも︵も$3︶な2可らも1さる満しき布る万ひ越
可り尓ても1する可な2とお1もひしことはこのきみのむ
万れ給志とき尓ちきりふ可くお1もひし里にし可と
めのまへ尓みえぬあ那多能ことハお1ほつ可那くこそ﹂︵92オ・1105⑧︶
おもひわ多りつれさらはかゝる多のみありてあ那可
ち尓はのそみしな2り个りよこさ万にいみしき
めをみ多ゝよひしもこの人飛とりの多免尓こ︵こ$2︶そ
あり个れい可なるくわんを可心尓越こし个むとゆ可
し个れ者心のうちにを可みてとり給つ1これハ万多
くして多て万つ1るへきものハへりい万又きこえしら
せむ︵む#1︶者へらむと女御尓ハきこえ給そ能つ1いて尓い万ハ
可くい尓しへのことをもたとりし里給ぬれとあな2多の
御心者へ越ゝろ可尓お1ほしな2すな1もとよりさるへきな2﹂︵92ウ・1105⑭︶
かえさらぬむつ1ひよりも1よこさ満の人の1な2个の
あハれをも1可遣︵+0ひと︶ことの心よせあるハお1ほろけのこと尓
も1あらす万してこゝにな2とさ布らひな2れ給越みる〳〵
も1ハしめの1心さしかハらすふ可く︵+1ねむ︶ころにお1もひきこ
え多るをい尓しへの1よの多とへ尓もさこそハう者へ尓ハ
者くゝみ个れ連︵連$3︶とらう〳〵しき堂と里あらむも1可し
こきやうなれと猶あや万里ても1わ可多めし多の心
ゆ可み多らむ人をさもお1もひよらすうらな可らむ
多めはひき可へしあ者れ尓い可てかゝる尓はとつ見
江可満しき尓も思な2をることもあるへしお1ほろ﹂︵93オ・1106⑥︶
个の1む可し能よのあ多な2らぬ人者多可ふゝし〳〵阿
れと飛とり〳〵つ1ミ那きとき尓者をのつ1可らも1
てな2︵+1をイ︶すためしともあるへ可めりさしもあるまし
きことに可と〳〵しき︵き$1く︶ゝせをつ1遣あい行な2く人を
もて者那るゝ心あるはいとうちと遣可多くお1もひ
く万な2きわさ尓な2むあるへきお1ほくハあらねと人
の心のとあるさ万可ゝるお1もむきを見るにゆへよし
といひさ満〳〵尓くち越し可らぬきハ能心者せあるへ可め
里ミ那をの〳〵え多る可多ありてとるところな2くも﹂︵93ウ・1106⑫︶
あらねと又とり多てゝわ可うしろみ尓お1もひ万め〳〵
しくえらひお1も︵も+0ハ︶む尓ハあり可多きわさにな2む多ゝ
万ことに心の1く1せな2くよきことはこの多い越のみ
なむこれをそおひら可なる人といふへ可りけると
な2む思ハへるよしとて又あ万里ひ多く︵多く$2多ゝ︶遣てたのも1
しけな2きもいとくちお1しやと者可り能給尓可多への
人はお1もひやられぬ可しそこにこそすこしもの1ゝ
心えてもの志給めるをいとよし︵し=0く︶むつ1ひ可者してこの
御うしろ見をも1お1な2し心尓ても1能し給へな2と﹂︵94オ・1107③︶
し能ひ︵+0や︶可尓の給の多まハせねといとあり可多き御
个しきを見多て万つる万ゝにあ个くれのことく
さにきこえ者へるめさ満しきも能尓な2とお1ほし
ゆるさゝらむに可うまて御覧しゝるへき尓もあら
ぬ越可多者らい多き万て可す万への給者すれ者
可へりてハま者ゆくさへな2む可すな2らぬ身のさす可
にきえぬ者よのきゝみゝもいとくるしくつ1ゝ万しく
お1もふ多満へらるゝ越つ1ミな2きさ満尓もてかくされ
多て万つりつ1ゝのみこそときこえ給へハその御多﹂︵94ウ・1107⑨︶
め尓ハな2尓︵+0の︶心さし可者あらむ堂ゝこの御ありさ万
0259︻御ありさま︼-姫君
越うちそひても1江見多て万つらぬお1ほつ可な2さ
にゆつ1里きこえらるゝなめりそれも1万多とりも1
ちてけちえ︵+0ン︶にな2とあらぬ御もてな2しともによ
ろつ1能こと那のめ尓めや寿く那連はいとな2むお1も
ひな2くうれしき者可那きことにてものゝこゝろえす
飛可〳〵しき人者多ちましらふ尓つ1个て人の多
めさへ可らきことあり可しさな2越しところな2く多れ
も1ゝのし給めれ盤心や寿く那むとの給につ1遣ても﹂︵95オ・1108①︶
さりやよくこそひ个しに个れな2とお1もひつゝ遣
給たいへわ多り給日ぬさもいとやむこと那き御心
さしの見まさるめる可那希尓ハ多人よりことに
可くしも1くし給へるありさ満のことわ里とみえ給へ
るこそめて多个れ宮の御可多うわへの御可しつ1き能
みめてたく1てわ多り給こともえな2の免な2らさめるハ
可多しけな2きわさな2めり可しお1な2しすちに者お1
者寿れとい万ひとき盤ゝ心くるしくとし里ふこちき
こえ給尓つ1个ても1わ可すくせはいとたけくそお1ほえ﹂︵95ウ・1108⑥︶
給个るやむこと那きたにお1ほ寿さ満尓もあらさめるよ
にましてたち満しるへきお1ほえ尓しあらねハすへて
い万はうらめしき布しも1な1し堂ゝ可能多江こもり
尓1多る山寿ミを思ひやるのミそあ者れ尓お1ほつ可な2
きあ万きみも1たゝふくちの1そ能に多ね万きてとや
0260︻その︼-一本ま
うな里し飛とことをうち多のみてのちの世越思ひ
や里つ1ゝな可免ゐ給へり大将のきみハこのひめ宮の
御こと越お1もひをよ者ぬ尓しもあらさりし可はめ尓
ち可くお1者し万す越いと多ゝ尓もお1ほえすお1ほ可多﹂︵96オ・1108⑫︶
能御可しつきにつ1个てこ那多尓ハさりぬへきお1り〳〵
に万いりな2れをの1つ1可ら御个者ひありさ満も1見
きゝ給尓いとわ可く越ほとき給へる飛と寿ち尓て
0261︻越ほとき給へる︼-女三ノ体
うへのきぬ︵ぬ$3︶しき盤い可免しくよの多めし尓志
つ1者可りもて可しつき多て万つ1り給へ︵へ&1へ︶れとおさ〳〵け
さや可にも能ふ可くは見えす女房な2ともおと那〳〵し
き盤すく那くわ可や可なる可多ち人の1ひ多ふる尓
うち者那やきされさり︵さり#1者︶免るハいとお1ほく可すしら
ぬ万てつ1とひさ布らひつ1ゝも1の1お1もひな2个な累﹂︵96ウ・1109③︶
御あ多りとハいひな可らな尓ことも1のとや可に心しつ1
め多るハ心の1うち能あらハ尓しも1見えぬわさな2れハ身
尓人しれぬお1もひそひ多らむも又万ことに心ちゆ
きけ尓とゝこ本りな2可るへきにしうち万しれハ可多
へ能人尓ひ可れつ1ゝお1な2し个者ひもてな2し尓な2
堂ら可なる越多ゝあ遣くれ者い者个多るあそひ
多ハふれ尓心い︵い&1い︶れ多るわら者への1ありさ万な2と院者い
とめ尓つ1可ぬ︵ぬ$1寿︶見給ことゝも1あれと飛とつ1さ万によの中
をお1ほしの給者ぬ御本上な2れハ可ゝる可多をも万可﹂︵97オ・1109⑨︶
せてさこそハあら満本し可らめと御らむしゆるし
つ1ゝい万しめとゝ能へさせ給者寿さうしみ能御ありさ万
者可り越ハいとよく越しへきこえ給尓すこしもて
つ1遣給へり可やうのことを大将のきみも遣にこそ
あり可多き世な2り个れむらさきの1御ようい遣しき
能こゝら︵こゝら=0コ丶ラ︶の1としへぬれととも可くも1ゝ里いて見えきこえ
堂る所な2くしつ1や可なるをもとゝしてさす可に心う
つ1くしう人をもけ多す身越もやむことなく心尓くゝ
もてな2しそへ給つることゝみしお1も可遣もわ寿れ可﹂︵97ウ・1110①︶
多くの見な2む思ひいてられ个るわ可御き多の可多も
あハれとお1ほす可多こそふ可个れいふ可ひ阿りす
くれたるらう〳〵しさな2とものし給者ぬ人な2り
お1多しきもの尓いまはとめなるゝに心ゆるひて
猶可くさ万〳〵につ1とひ給へるありさ満ともの1とり〳〵
尓越可しき越心ひとつ1にお1もひ者那連可多きを万
してこの1宮ハ人の御本とをお1もふ尓も可きりな2く心
ことなる御本とにとりわき多る御个しきしも阿らす
人めの1可さり者可りにこそと見多て万つりしり︵り$1流︶わさ﹂︵98オ・1110⑦︶
とお1ほ个な2き心尓しもあらねとみ多て万つ1るお1り
ありな2むやとゆ可しくお1もひきこえ給个りゑも1ん
の可むのきみも1院︵+0尓︶つね尓万いりし多しくさふらひ
な2れ給し人な1れハこの宮をちゝみ可とのかしつ1き
あ可免多て万つ1り給し御心をきてな2とくハ志く
み多て万つ1りをきてさ万〳〵能御さ多めありしころ本
ひよりきこえより院尓もめさ万しとハお1ほしの給ハ
せすときゝしをかくことさ万になり給へるはいとく
ち越しくむねい多き心ちすれハ猶えお1もひ者那﹂︵98ウ・1110⑫︶
れ寿そ能お1りよりか多らひつ1き尓个るねう者う
能堂よりに御ありさ満な2ともきゝつ1多ふる越なくさ
めにお1もふそ者可那可り遣る多いのうへの御个者ひ︵+1尓︶ハ猶
をされ給てな2むとよ︵+0ノ︶ひとも万ねひつ1多ふる越
きゝてハか多しけな2くともさるも1の者お1もハせ多て
万つらさら満し个に多くひな2き御身にこそあ多ら
さらめとつねにこのこしゝうといふ御ちぬしをも1いひ
ハ个万して世中さ多めな2き越も︵も$3お1とゝ︶の1きみもとより
ほいありてお1ほしをきて多る可多にお1もむき給ハゝ﹂︵99オ・1111④︶
とたゆミな2くお1もひありき个りやよひハ可り能そら
うらゝかな2るひ六条の院尓兵部卿宮衛もむの可ミ
な2と万いり給へりおとゝいて給て御も1の1か多りな2とし
給しつ1可なるす万ゐハこ能ころこそいとつれ〳〵に△︵△#1︶
万きるゝこと那可り遣れお1ほや遣わ多くし尓ことな2
しやな2尓わさしてかハくらすへきな2との給て遣さ
大将のも能しつるハいつ1可多にそいとさう〳〵しき越
れいのふ︵ふ$3こ︶ゆき︵き$3み︶いさせてみるへ可り遣る︵る=0り︶このむめるわ可うと
ともゝみえつ1る越ね多ういてやしぬるとゝハせ給大将﹂︵99ウ・1111⑩︶
のきみハうしとらの1万︵+0ち︶に人〳〵あ万多して万△︵△#1︶り
0262︻うしとらのまち︼-花チルノ方
もてあそハしてみ給ときこしめして見多り可ハし
きことのさす可にめさめてかと〳〵しきそ可しいつ1ら
こ那多にとて御せうそこあれハ万いり給へりわ可き
む多ちめく︵△&1く︶人〳〵お1ほ可り个り万りも多せ給へり
や多れ〳〵可ものしつ1るとの給これ可れ者へりつ1こ那多
へ万可てむやとの給て心殿の飛む可しお1もてきりつ1
本ハわ可宮くし多て万つ1りて万いり給ひ尓しころな2
れ者こ那多︵+0ハ︶かくろへ多り遣りや里水な2とのゆきあ﹂︵100オ・1112②︶
ひ者︵+0な2︶れてよしあるかゝり能本と越多つねて多ちいつ1
お1ほきお1ほいとのゝの君多ち頭弁兵衛佐大夫の君
0263︻佐︼-スケ
0264︻大夫︼-タユウ
な2とすくし多るも1又か多な2りなるもさ万〳〵に人より
万さりてのみものし給やう〳〵くれ可ゝるに風ふ可
す可しこき日な2りと遣うして弁のきみもえし
つ1めす多ち万しれ盤お1とゝ弁官も江︵江=0え︶お1さめあへさ
めるを可む多ちめな2りともわ可きゑふつ1可さ多ち
ハなと可み多れ給者さらむ可ハ可りのよ者ひ尓てハ
あやしく見すく︵く=0く︶寿くち越しくお1ほえしわ︵△&1わ︶さ﹂︵100ウ・1112⑦︶
な1りさるはいと経〳〵な2りやこのことのさ満よな2との
給に大将もかむの君も1みな2お1り給て江な2らぬ花
の可け尓さ満よひ給て︵て#1︶ゆふ者えいときよ遣な1りお
さ〳〵さ万よくしつ1可な2らぬ見多れことな2免れと
心可ら人可らな2り个りゆへある尓者のこ多ちの1い多く可
すミこめ多る尓いろ〳〵ひもときわ多る者那のきとも
わつ1可な2るもえきの1か遣尓︵△&1尓︶可く者可那きことな2れと
よきあしき个ちめあるをいとみつ1ゝ我も1お1とら
しと思日可本なる中尓ゑもむの可み能可りそめに多ち﹂︵101オ・1112⑬︶
万し里給へるあしもとにな2らふ人な2可り个り可多ちいと
きよ个にな2まめき多るさ満し多る人の1よういゝ多
くしてさす可にみ多り可ハしきお可しくみゆみ
者しの︵+1万尓あ多連るさくらの可个尓よりて人〳〵花の︶うへも1わ春れて心尓いれ多るをおとゝも1宮も
0265︻宮︼-蛍也
すミ能可うら︵+0ン︶にいてゝ御覧すいとら︵ら$1ラ︶うある心者へともみ
え︵え=0エ︶てかすお1ほくな2りゆくに上らうも1見多れてかう
ふりの1ひ多ひすこしくつ1ろき多り大将のきみも1
御くらゐの本と思ふこそれいな2らぬみ多り可ハしさ可
な2とお1ほゆれみるめは人よりけ尓わ可くお1可し遣尓て﹂︵101ウ・1113⑥︶
さくらのな2お1しのやゝな2え多るにさしぬきの1春そ
つ1可多すこし布くみて个しき者可りひきあ遣
給へり可る〳〵しうもミえすも1の1きよ遣なるうち
と遣す可多ハ那︵ハ那#1尓花︶のゆきのゆきの︵ゆきの$3︶やうに布り可ゝれハ
うちみ阿遣てし本△れ︵△れ#1れ多る︶え多すこしをしおりて
みハしのな可能しな2の本とにゐ給ひ︵+0ぬ︶可むのきみつ1ゝ
きて者那︵+0ミ︶多りかハしくちるめりやさくらハよきてこ
0266︻さくらはよきてこそ︼-\<合点>
そな2と能給つ1ゝ宮の1御前の可多をし里め尓見れハ
0267︻宮︼-女三
れいのこと尓お1さ万らぬけ者ひともしていろ〳〵こ本れ
いて多るみすのつ1万すき可遣な2と者るの多む遣の1ぬ﹂︵102オ・1113⑫︶
さふくろ尓やとお1ほゆみ木丁ともしと遣な2くひ
きやりつ1ゝ人けち可くよつきてそみゆる尓からね
このいとちゐさく越可し遣那るをすこしお1ほき
な2るねこをひき︵き#1︶つゝきてにハか可尓みすのつ1万より
0268︻きて︼-来
者し里いつ1るに人〳〵をひえさハきてそよ〳〵と
みしろきさ万よふ遣者ひともきぬのをと那ひ
見ゝ可し可万しき心ちすねこハ万多よく人尓も1
な2つ1可ぬ尓やつな2いとな2可くつ1き多り个る越もの尓
ひき可遣万つ者れ尓个る越に遣むとひこしろふ本と﹂︵102ウ・1114③︶
にみすのそハいとあら者にひきあ遣られ多るをとみ尓
ひきな2をす人も1な1しこの者しらのもとにありつ1る
人〳〵も1心あハ多ゝし遣尓ても1能お1ちし多る遣
者ひともな2り木丁のきハすこしいり多る本とに
うちきす可多尓て多ち給へる人あり者しより尓し
の二能万の1飛ん可しのそハ那連ハ万きれところも
0269︻二︼-ニ
な2くあらハ尓見いれらるこう者い尓やあらむこき
うすきニ︵ニ#1︶すき〳〵にあ万多可さな2り多るけちめ者那
や可尓さうしのつ万能やうにみえてさく1らのをりも1﹂︵103オ・1114⑨︶
のゝ本そな2可なるへし御くしの春そ万てけさ
や可尓みゆるハいとをより可遣多るやうにな2ひきて
0270︻いと︼-糸
すそ能ふさや可にそ︵+0か︶れ多るいとうつ1くしけ尓て
七八す者可りそあ万里給へる御そ能すそ可ちに
いと本そくさく︵さく$1佐ゝ︶や可にてす可多つ1き可みの可ゝり給へる
そハめいひしらすあて︵+0尓︶らうた遣な2りゆふ可遣なれハ
さや可な2らすお1くゝらき心ちするもいとあ可すくち越
し万りに身をな2くるわ可きむ多ちの者那のちるを
おしみもあ︵あ$1あ︶へぬ个しきとも越みるとて人〳〵あら﹂︵103ウ・1115①︶
者越布ともえ見つ1个ぬな2るへしねこのい多くな2遣
はみ可へり給へるお1もゝちもてな2しな2といとおひら可尓
てわ可くうつ1くしの1人やとふとみえ多り大将いと可
多わらい多个れと者ひよらんもな2可〳〵いと可る〳〵し
个れハ多ゝ心を江さ︵江さ=0エサ︶せてうちしハふき給へる尓そ
やをらひきい里給さるはわ可心ちにもいとあ可ぬ心ち
し給へとねこのつ那ゆるしつ1れハ心耳︵耳$1尓︶もあらすうち
な2︵+0遣︶可るましてさハ可り心をしめ多るゑもんの可ミはむ
ねふと布多可りて多れハ可り尓可はあらむこゝら能中
尓しるきうちきす可︵可=0可︶たよりも人尓まきるへくもあ﹂︵104オ・1115⑦︶
らさりつ1る御遣者ひな2と心尓可ゝりてお1ほゆさら
ぬ可本にもてな2し多れとまさにめとゝめしやと
大将者いとお1しくお1ほさるわりな2き心ちのな2くさ
めにねこを万ねきよせて可きい多き多れ盤いと可う
者しくてらうたけ尓うちな2くもな2つ可しくお1もひ
よそへらるゝそすき〳〵しきやお1とゝ御らむしをこせ
て可む堂ちめの1さいと可ろ〳〵しやこな2多にこそとて
多い能みな2みおもてにい里給へれハみ那そな2多に万いり
0271︻たいのみなみおもて︼-紫ノスミ給方也
給ひぬ宮もゐな2お1り給て御も1の1可多りし給つ1き〳〵能
0272︻宮も︼-蛍
殿上人ハすのこにわらう多めしてわさと那く1つ者いも﹂︵104ウ・1115⑭︶
0273︻わらうた︼-円座也
ちゐな2し可うしやうの1も能ともさ満〳〵に者この1ふ多
とも1にとり万せつ1ゝある越わ可き人〳〵そ本れとり
0274︻そほれ︼-サルヽ也
く1ふさるへき可らもの1者可りして御かハらけ万いるゑも1
0275︻からものはかり︼-肴ハカリノ心
むの可みはいとい多くお1もひしめ里てやゝも寿れハ者
那の1木尓めをつ1遣てな可めやる大将ハ心し里にあや
し可りつ1るみすの1春き可遣思ひいつ1ることも︵も$1︶やあらむ
と思給いと者しち可な2りつ1るありさ満越可つ1者可ろ〳〵
しとお1もふらむ可しいてやこ那多の1御ありさ満の
0276︻こなたの︼-紫ノコト
さハある万し可めるも1のをとおもふに可ゝれ盤こそ
よのお1ほえ能本とよりはうち〳〵能御心さしぬるきや﹂︵105オ・1116⑥︶
うに盤あり个れと思ひあハせて猶うちとの1よう
0277︻うちとのようい︼-紫ノコト内外ノ心モチ取捨ナキ也
いお1ほ可らすい者けな2きハらう多きやうなれとう
しろめ多きやうな1りやとお1もひお1とさるさい将
0278︻さい将のきみ︼-柏木也
のきみハよろつ1のつ1ミをも1お1さ〳〵堂とられすお1
ほえぬもの1ゝひ万より本の1可尓もそれとみ多て万
つ1りつる尓もわ可む可しよりの1心さし能しるしあ
るへきにやとちきりうれしき心ちしてあ可すのミお1
ほゆ院ハむ可し△△︵△△#1︶も1能可多りしいて給てお1ほき
お1とゝのよろつ1のことに多ちな2らひて可ち万遣能さ多
めし給し中尓万りなむ江越よ者すな2りにし者可な2﹂︵105ウ・1116⑫︶
きことはつたへ︵△&1へ︶ある満し个れとも能ゝすち盤猶こよ
な可り个りいとめも1越よ者寿可しこうこそみえつれと
の給へハうちほゝゑみて者可〳〵しきか多にハぬるく者
へるいへの風のさしもふきつ1多へ者へらむにのちのよの1
多めこと那ることな2くこそ者へりぬへ个れと申給へハい可
て可な2尓ことも人尓こと那る遣ちめ越ハしるしつ1多ふ
へきな2りいゑの1つ1多へな2とに可きとゝめいれたらむこそ
个うハあらめなと多ハふれ給御さ万の尓本ひや可にき
0279︻御さまのにほひかに︼-柏木ノ心
よらな2る越み多て万つ1るにも1可ゝる人尓な2らひてい可者可り
の事尓可心をうつ1す人ハものし給者むな2尓ことにつ1遣﹂︵106オ・1117⑤︶
て可あハれとみゆるし給ハ可りハな2ひ可しきこゆへきとお
もひめくらすにいとゝこよ那く御あ多り者る可なるへき
みの本ともお1もひしらるれ盤むねのミふ多かりて万可り︵り$2︶
て給ぬ大将のきみ飛とつ1くる万尓てみちの本ともの1
可多りし給な2越このころ能つれ〳〵尓ハこの院尓万いりて
0280︻な越このころの︼-柏詞
万きらハすへきな2り个り个ふ能やうな2らむいと満のひ
満ゝちつ1个て者那のお1りすくさす万いれとの給つるを
者る越しミ可てら月のうちにこゆみも多せて万いり
給へと可多らひちきるをの1〳〵わ可るゝみちの本とも1能可多
りし多万うて宮の御事のな2越い者満︵+0本︶し遣れハ院﹂︵106ウ・1117⑫︶
尓はな2をこ能多いにのみものせさせ給な2めりな2可のお1ほ
0281︻このたいに︼-紫
0282︻なか︼-中
むお1ほえのことなるな2めり可しこの宮い可にお1ほすらん
0283︻おほえ︼-紫ノコト也
0284︻この宮︼-女三ノコトヲ柏ノ心
み可とのな2らひな2くな2らハし多て万つ1り給へる尓さし
も1あらてくし給ひ尓多らむこそ心くるし个れとあ
いな2くいつ︵つ$2へ︶は多い〳〵しきことい可て可さ者あらむこ
0285︻たい〳〵しき︼-夕霧詞
な2多はさ万可者りてお1ほし多てた万へるむつ1ひ
0286︻おほしたて︼-紫ノコト 生
の遣ちめ者可りにこそあへ可めれ宮をは可多〳〵尓
つ1遣ていとやむこと那く思ひきこえ給へるもの1を
とか多り給へハいてあな2可満給へみ那きゝて者へりいと〳〵﹂︵107オ・1118④︶
0287︻いてあなかま︼-柏木詞
0288︻給へきゝてはへり︼-人ノ云ヲ聞タルト也
越し遣なるおり〳〵あな2るをやさるはよに越し
な2へ多らぬ人の1御お1ほえ越あり可多きわさな
りやといと本し可る
い可なれハ者那尓こつ1多ふうくひ寿の1さく
0289︻いかなれは︼-柏
ら越わきてねくらとはせぬ春の1とりの1さくらひ
とつ1尓と万らぬ心よあやしとお1ほゆることそ可
しとくちすさひ尓いへはいてあな2あちきな2の1
も1能あつ1可ひやされハよとお1もふ
みや万きにねくらさ多むる者ことりも1い可て
0290︻みやまきに︼-夕霧
可者那の1いろ尓あくへきわ里な2きことひ多お1もむ﹂︵107ウ・1118⑩︶
き尓のミやハ︵+1と︶いらへてわつ1らハし个れ盤ことにい者せ
すな2りぬこと〳〵尓いひ万きらハしてをの1〳〵わ可れ
ぬ可むのきみハ猶お1ほいとのゝ飛ん可しの1多いにひとり
︵+0す︶み尓てそも能し給个るお1もふ心ありてとしころかゝ
累す万ひをする尓人や里な2らぬ︵ぬ$1寿︶さう〳〵しく心本
そきお1里〳〵あハ︵ハ#1︶れとわ可身か者可り尓てな2と可お1
もふこと可な2ハさらむとのミ心お1こりをする尓この
ゆふへよりくしい多くも1の1お1も者しくてい可な2らむお1り
にま多さハ可り尓ても1本の可那る御ありさ万を多尓
みむとも可くも可き万きれ多るきハの1人こそか﹂︵108オ・1119②︶
りそめ尓も1多ハや寿きものいみ可多ゝかへのうつ1ろ
ひも1可る〳〵しき︵+1尓︶をのつ1可らと可く︵可く$1も可くも︶も能ゝひ万をう
可ゝひつ1くるやうも1あれな2と思やる可多なくふ可
き万とのうちにな2尓ハ可りの1ことにつ1个て可ゝくふ可
き心あり遣りと多にしら︵△&1ら︶せ多て万つ1るへきとむね
い多くいふ勢个れ者こしゝうかりれいのふみやり
0291︻かり︼-モトノ心
給一日風尓さそハれてみ可きの︵の$1可︶者ら︵△&1ら︶越わ遣いりてハ
0292︻一日︼-文ノ詞
へしにいとゝい可にみお1とし給个むそ能ゆふへよりみ
多り︵△&1り︶心ち可きく1らしあやな2く遣ふハな2可めくらし
0293︻あやなくけふは︼-\<合点>
者へるな2と可きて﹂︵108ウ・1119⑧︶
よそにみてお1らぬな2个きハし个れともな2こり
こ飛しき者那の1ゆふ可遣とあれと︵+1侍従ハ一日︶能こゝろもし
らぬ︵ぬ$1子︶ハ多ゝよのつねのな2可免尓こそハとお1もふ越万へ尓
人し遣可らぬ本とな2れハか能ふミ越もて万いりて
この人の1かくのミわ春れぬもの尓ことゝひものし給
こそわつ1らハしく者へれ心くるし遣なるありさ
万も1み多万へあ万る心も1やそひ者へらんと身つ1可ら
の心な可らし里可多くな2むとうちわらひてきこゆれハ
いとう多てあることをもいふ可那とな2尓心もな1个れ︵れ#1︶
0294︻いとうたて︼-女三心
にの給てふミひろ遣たるを御らむす見もせぬと﹂︵109オ・1120①︶
0295︻見もせぬと︼-\<合点>見春もあら須ミもせ1ぬ人の恋し/くハ/あやなく个ふやな可めくらさむ︵付箋06︶
いひ多るところをあさ万し可りしみすのつ万
越お本しあハせらるゝに御おもてあ可みておとゝ
のさ者可り︵+1こと︶能ついてことに大将尓見え給な2い者
个な2き御ありさ万な1んめれハをの1つ1可らとり者つ
して見多て万つ1るやうも1ありな2むといましめ
きこえ給をお1ほしいつ1る尓大将のさることの
ありしと可多りきこえ多らむときい可にあ者め給ハ
むと人の見多て万つり个むことをハお1ほさてまつ1
者ゝかりきこ江給心のうちそお1さな2可り遣るつねよ
りも1お1ほむさし︵+0イ︶らへな2个れハすさ満しくしゐて﹂︵109ウ・1120⑦︶
きこゆへきことにも1あらね者ひきし能ひてれ
いの可く一日者つれな2し可本をなむめさ満しく︵く$1う︶
0296︻一日は︼-文詞
0297︻つれなし︼-\<合点>
とゆるしきこえさりし越み寿も1あらぬやい可尓
0298︻みすもあらぬや︼-\<合点>
あなか个〳〵しと者やり可尓者し里可きて
いまさらにいろ尓な2いてそ山さくらをよハ
ぬ江多にこゝ︵ゝ=0コ︶ろ可遣きと可ひなきこと越とあり﹂︵110オ・1120⑪︶
︵白紙︶﹂︵110ウ︶
︻奥入01︼ちとせを可ねてあそふつるのけ衣
席田第二反度也
︻奥入02︼耶輸陀蘿可布くちのその尓
堂ね万きてあ者むかな2らす
有為のみやこ尓
雖有此説此哥之證拠不知誰説
頗凡俗事歟﹂︵111オ︶