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ユリイカ2023年11月臨時増刊号 総特集=J・R・R・トールキン
-没後50年――異世界ファンタジーの帰還-
定価2,200円︵本体2,000円︶
発売日2023年10月5日
ISBN978-4-7917-0438-5
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いまなぜトールキンを読むのか
﹃指輪物語﹄や﹃ホビットの冒険﹄といった作品において壮大かつ緻密な世界を構築し、様々な”読み直し”の旋風を巻き起こしてきたJ・R・R・トールキン。後続世代による模倣と継承から、映像やゲームがもたらしたビジュアライズの時代を経て、没後から半世紀が経つ本年、終わらざりしトールキン論に臨みたい。
特集*J・R・R・トールキン──没後50年――異世界ファンタジーの帰還
❖異世界は何度でも
なにか、とても美しいものを / 上橋菜穂子
われらインク人、魔法を使う創造者――講義の合間の異世界談義 / 小谷真理
ファンタジーの祖型はなぜトールキンなのか / 井辻朱美
エンチャントメント、場、空間――ソフィアセンターにおける講演︵二〇二〇年九月二二日︶/ パトリック・カリー︵訳=鏡リュウジ︶
❖汲み尽くしがたい源流
﹃指輪物語﹄と﹃ベーオウルフ﹄の生命循環――﹁金属文明﹂の始原へ / 鶴岡真弓
指環と指輪――欲と黄金の物語の系譜 / 一條麻美子
トールキンはなぜ﹃カレワラ﹄に出会うことができたのか / 石野裕子
❖座談会
トールキンに/から伸びる﹁道﹂――創られた世界で生きるということ / 大久保ゆう+川野芽生+逆卷しとね
❖遠く聞ゆるは懐かしき調べ
﹃ロード・オブ・ザ・リング――力の指輪﹄の詩的想像力とは / 伊藤尽
怪物とファンタジーの紡ぎ手たち――J・R・R・トールキンと﹁人種﹂をめぐる覚書 / 清水知子
イメージ・ファンタジー・労働の二層性――ラルフ・バクシとランキンバス社による﹃指輪物語﹄もののアニメーション / 宮本裕子
トールキンを読むシリコンバレー――カウンターカルチャー、シリコンバレー、﹃指輪物語﹄ / 木澤佐登志
ゲーム的ファンタジーとトールキーン世界 / 森瀬繚
❖テーブルを囲んで
中つ国を体験するTRPG――数値勝負から体験へ / 上田明
﹃一つの指輪‥指輪物語RPG﹄リプレイ抜粋
❖創造のカレイドスコープ
トールキンと﹁ブリティッシュ﹂/﹁ケルティック﹂ / 辺見葉子
二〇世紀カトリック詩人としてのトールキン / 髙橋勇
英雄精神と︿騎士道﹀――トールキンのべオルフトノスとガウェイン / 岡本広毅
リーズ大学のJ・R・R・トールキン / アラリック・ホール︵訳=岡本広毅︶
❖エルフ語入門
エルフ語を話す人たちとポストコロナを迎えたい / 伊藤尽
❖言葉は輪廻する
﹃ホビット﹄とともに歩んできた翻訳論 / 山本史郎
想像言語の比較研究ノート――あるいは母語からいかに飛翔するか / 小野文
トールキン・ルーン文字・JRPG / 小澤実
❖叙述から始めよ
テクストの中の﹁中つ国﹂――言の葉が織り紡ぐ再生の庭 / 桑木野幸司
もうひとつのフィクション性――﹁妖精物語について﹂における︿現実﹀の位相 / 勝田悠紀
ファンタジーの魅惑――J・R・R・トールキン﹃妖精物語について﹄におけるフィクション理論 / 岡田進之介
トールキンと現代の神話――準創造という概念をめぐって / 石倉敏明
物語を受け継ぐ方法――﹁再創造﹂という創作・読解行為からみる、トールキン再読の可能性 / 渡邉裕子
❖資料
トールキンをたのしむためのブックガイド / 髙橋勇 編
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