今日は、豊島与志雄の「庶民生活」を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
これは……近代映画はテンポが遅いから眠くて見ていられない、というような退屈な話しで、ぜんたいの60%くらいが、酔っ払いの様態と、内山と朋子2人に関するノロケ話の連続なんですけれども、後半に来て、急展開の事件が起きます。不審なことを言っていた中村の家で不幸が起きる、それに関して、内山には持論があるんです。生が軽んじられていることについて批判的に記していて、豊島与志雄の死生観が垣間見えるように思います。
人生を楽しむにしても「慎しみ」の必要性を説くおばあさんを、記してゆく豊島与志雄なんですけれども、戦争が終わって6・7年経ったころの世相を、後半でうまく描きだしているように思いました。
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