今日は、江戸川乱歩の「火繩銃」を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
ぼくはむかし真本格推理小説というのにハマっていて、今回の江戸川乱歩の小説は、ややそれの原形みたいなところがあるように思いました。本格推理には、世間から隔離された館や、鍵のかかった密室というのがよく登場すると思うんですけど、今回の「火縄銃」はまさにそういう設定でした。本文こうです。
日頃探偵狂の橘が、こんな事件にぶッつかって安閑としている筈がない。永い間姿を隠していたのは、その間に何か真相を発く手掛を掴んだのか、或は証拠がための為めに奔走していたに違いないと思った……
中盤で、探偵役の橘が急に意外なことを言って、そこから先がおもしろかったです。「あの部屋のテーブルの上に、風変りな花瓶があっただろう。あれがつまり証拠さ」という謎めいた言葉が、終盤の1ページの驚きの真相に、繋がっていました……。ちょっとネタバレぎみですみません。
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