今日は、豊島与志雄の「牛乳と馬」を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
牛乳を買いに行く「私」が見た、奇妙な光景を描きだした近代小説です。橋の欄干で馬が飛び出してきて、これにおどろいて、牛乳瓶をひとつ割ってしまった。小野田という馬主は、牛乳を弁償するといって牧場へ駈けていった……。
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(総ページ数/約10頁 ロード時間/約5秒)
追記 小野田はなんでもかんでも、独断で行動してしまう。「私」の散歩道やお仕事も、小野田が勝手に馬で牛乳配達をはじめてしまって、奪われてしまった。小野田は軍人だったころの考え方が抜けないのか「私」や「お姉さま」にたいして無作法なのでした。馬の気配がするだけで、なんだか「お姉さま」はそわそわしてしまって、馬の足音の幻聴を聞くようになってしまう。けっきょく「私」も「お姉さま」も東京に帰ることになって、小野田とは無縁になっていった。軍馬のものたちと「ミルク種族」なるものたち。そういった集団から抜け出すことが難しい現状についての「私」と「お姉さま」の「憤り」について記した小説でした。