今日は、岸田國士の「花問答」を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
理学士の奥村と、家によくやって来る軍人の東義一というこの2名と、民子との三角関係が展開し、酒盛りをしたり卓球で遊んだりという地味な描写から物語が始まります。どうも民子は奥村が好きであるようなのです。奥村と民子はなんだか雰囲気が良い。
東義一は海外留学にでかける奥村に、民子との結婚の意思が無いことを確認してから、晴れて民子と東義一は結婚をするのでした。それから……
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ここからは後半の展開を記しますので、近日中に読み終える予定の方は、ご注意願います。理学士の奥村は、体調が悪化していてどうもそろそろ寿命が近いらしい、という話しが舞い込みます。奥村は暗い歴史の中で、研究の成果を急ぎすぎ、実験の過程で亡くなってしまったのでした。このような事態の生じる可能性を鑑みて、奥村は民子との交際を遠慮していたという事実が明らかになったのでした。当時よく分からずに、邂逅を逡巡していた、その真相をまのあたりにして、民子は人間の愛おしさに思いいたるのでした。