鰻に呪われた男 岡本綺堂

 今日は、岡本綺堂の「鰻に呪われた男」を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 プーシキンやディケンズやコナンドイルの文学を翻訳したことでも有名な岡本綺堂の、風雅な怪談です。
 ある温泉宿に、田宮という高齢の女性が現れて、不思議なことを語りはじめます。彼女が若かったころ、戦傷兵の二人が湯治にやってきて、釣りをしているところに遭遇します。まだ十代だった彼女は「負傷の軍人を見舞のためにUの温泉場へ出かけて行くなどということを、むしろ喜んでい」て、この二人の男と彼女はお話しをした。その時、なんとも妙なものを目撃してしまう。男はうなぎをすっと釣り上げて……。
 

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追記  このうなぎを釣って生のまますうっと飲みこんで食べてしまった男とは奇縁があって、偶然にも親類の勧めで婚姻に至ったのでした。結婚式を終えて新婚旅行をするときにも、うなぎが釣れた水辺の温泉宿を二人で訪れた。彼女は男に、どうしてここで、うなぎを生のまま食べてしまったのか、なんとなく聞きたくなって、聞いてしまった。すると男は驚いてこれを否定して、そのすぐあとにどこかに消えてしまった。それからこの奇怪な出来事の顛末が、仔細に語られてゆく、上品で日本的な怪談でした。