卑怯者 有島武郎

 今日は、有島武郎の「卑怯者」を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 覆水盆に返らずというのか「零れたミルクをなげいてもしかたがない」ということがらを、小説にした短編でした。Ce qui est fait, est fait.「なされたことは、なされたこと」「なされなかったことは、なされなかったこと……」という、お話しでした。
 主人公は、幼子に感情移入して心を動かされたり、父親のように威厳のある態度でことに望もうとしたり、さかんに逡巡をしつつ惑っているところが印象に残りました。
 

縦書き文庫の装画

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(総ページ数/約10頁 ロード時間/約5秒)
 
追記  自分で自分のことを卑怯者! と述べるというのは意外な記載で驚きました。この小説を書いた有島武郎が、農場の解放をおこなって小作料の徴収を辞めるという改革を時代に先駆けて行ったのだ、と思いました。この短い掌編にも、氏の思想信条が垣間見えるように思いました。本作は、同時期に発表された魯迅の「些細な事件」(1919)とのなんらかの関連性があるのでは、と思いました。