今日は、夢野久作の「若返り薬」を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
今回の童話は、夢野久作の独特さがよく現れている作品で、幼子向けの作品なのでちょっと荒唐無稽な場面もあるのですが、勧善懲悪が過剰になって世界が捲りかえるさまが描きだされ、悪夢の変転する様相がみごとな短編でした。こんな怪作をつくるのは夢野久作だけなのでは、と思う暗黒の童話でした。
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追記 恐怖を好んで描いた夢野久作は、なぜだか、童話を好んで描いたんです。読んでみるとたいてい、親と子というのがクローズアップされています。童話も、大人が幼子に読み聞かせるもので、この親子間の謎めいた関係性に、夢野久作は圧倒的なこだわりがあるようなのです。そういえば日本三大奇書の「ドグラ・マグラ」も父親によって病棟に閉じ込められた男と、それから胎児が中心的に描かれていました。