判決 カフカ

 今日は、フランツ・カフカの「判決」を公開します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 カフカと言えば異様な毒虫を描いた物語が印象深いんですけど、もう一方で、楽に実現できそうなことがもろもろの繊細な理由で不能になっている、機能不全に陥っているものごとを書くのが特徴的だと思うんですけど、今回の作品は、カフカの迷宮の一つとして特別な魅力のあるものだと、思いました。すぐ目の前に居る、父と子の意思疎通の不可能さと、はるか遠い地へ行った友人との文通に於ける齟齬の、二つの……このコントラスト。今回のはとくに、すごくテンションの高い物語展開なんです。あっけにとられる親子関係なんです。オチのこの、非現実的すぎる悲劇がほんとにこう、ふつうなら悲嘆に暮れるような人生の人がそうなるところを、カフカはみごとに事態を入れ替えて描いていて、悲劇の逆転した喜劇とでもいうのか、とても不思議な物語になっていました。
 そういえばカフカってずっと独身だったんですね。なんとなく、真面目な公務員をしながら漱石みたいにじつは結婚してたのかなとか思い込んでいました。カフカは結婚出来る条件が整っていたはずなのに、まるで「城」の主人公みたいに、独身から出てゆけなくなっちゃったんだろうかと思いました。
  

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