黒猫 エドガー・アラン・ポー

 今日は、エドガー・アラン・ポーの「黒猫」を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 純文学小説と怪奇物とが入り混じったようなポーの「黒猫」を再読してみました。聖者が殺人犯の告白を聞いてこれを小説に書いたらこうなるのではないか、というような文学作品に思いました。怪奇趣味だけで読むこともできるし、文豪の名作を鑑賞する目的で読むこともできる両義的な物語だと、思いました。
 再読してみると、要点と無関係な枝葉の部分があまたにあって、これが妙に印象に残るのでした。「私」はじつは兎や犬や子猿を飼っていたし、二匹目の「黒猫」には白い毛があまたに生えている……。
「中世紀の僧侶そうりょたちが彼らの犠牲者を壁に塗りこんだと伝えられているように」、「私」は壁の中に重大なものを塗りこんでしまった。
 佐々木直次郎の翻訳文が美しく、読み応えのある小説に思いました。
  

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