初恋 矢崎嵯峨の舎

 今日は、矢崎嵯峨やざきさがの「初恋」を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
「コロ」という猫を愛撫する「お雪」の姿が印象に残る、嵯峨の屋おむろ(本名は矢崎鎮四郎)氏の近代小説でした。
 折り紙が上手な「お雪」が年下の少年である「自分」に、折り鶴を教えてあげるのですが、ちょっとまちがえると、少年の手をしたたかに打ってあやまりを指摘しているという描写がなんだか、躾の厳しい家に育っていて、まだ幼さの残る男女のリアルな人間像に思いました。大好きな「お姉さま」のお雪が、関東へと帰ってゆくのが悲しくて泣いてしまう少年の姿が描かれていました。
 そういえば子供のころは、別れることが新しい暮らしの始まりだ、という感覚が無くて、別れることが永劫の離別のようなものに思えて悲しかったなというのを思いだす、幼いころの記憶を辿る物語でした。
 

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追記  娘がくれた3つの折り紙を大切に持っていて「いまだに遺身として秘蔵している」という記載がありました……。