今日は、宇野浩二の「でたらめ経」を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
これはなんだか不思議な童話で、お経を知らない「旅人」が「おばあさん」に乞われて、お経を知ったかぶりして「むにゃむにゃ」言っているうちに、でたらめなお経ができてしまった。「ネズミがいっぴきあらわれて、すぐに逃げてしまってどうのこうの」という、起きたことをそのまま写しとった言葉が、お経になってしまった。後日、この「でたらめ経」でムニャムニャやっていたおばあさんなんですが、この読経のさなかに偶然やって来た泥棒たちを気味悪がらせて撃退してしまったという、妙な物語で、こういう笑い話のような昔話がどうもじっさいにあったようで、はじめは単に響きが良いからということで使っていた言葉が、童歌のように、意味を持たない言葉のまま定着してしまって、みんながこの意味を持たない言葉を覚えてしまったうえ、これがなぜか機能してしまった。鳥の美しい鳴き声と、人間のことばのちょうど中間のような「でたらめ経」について、落語のような構成でうつしとった物語でした。
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