今日は、三木清の「わが青春」を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
これは思想家の三木清が、若いころの日々について記した随筆なんですが、恩師の西田幾多郎のことや、当時読んだ歎異抄のことなど、情感の豊かな自己省察を描くとともに、これからどのような本を書くかについても記していました。おおよそ百年前の思想家たちの随筆に、こういうすてきな作品があるのかと、驚きました。この一文が印象に残りました。
この時代に私は学生であったことを、誇りと感謝なしに回想することができない。
京都の大学の哲学徒の、奇妙奇天烈さを思いだして書いていたり、当時の学派の詳細などを記しています。「波多野先生からはギリシア古典に対する熱を吹きこまれ、深田先生からは芸術のみでなく一般に文化とか教養とかいうものの意味を教えられた。(略)特に記すべきものは坂口先生から受けた影響である。先生の『世界におけるギリシア文明の潮流』という書物を初めて読んだときの感激を今も忘れることができない」大正時代の始まりのころの随筆です。
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