今日は、寺田寅彦の「ステッキ」を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
杖のさまざまな使われ方と、その社会背景について書いている随筆です。田舎の貧しい暮らしや、羊飼いが使う杖はどういった用途なのかとか、いろんなことを書いていました。「蛭を売る」という習慣があった村というのは、現代では聞いたことが無いように思って引き込まれました。調べてみると現代では、養殖の蛭をつかって血を吸わせて治療をするという医術があるんだそうです。
百年前の近代都市でしか存在しなかった、ファッション要素としてのみ用いる若者のステッキというのは、これはもう現代ではどのような都市でも見られないものだろう、と思いました。百年前の若者は、人が溢れる埃まみれの東京都心で、ヒノキの剣みたいな武器代わりの杖を、持ち歩きたいという願望があったのでは、とか思いました。
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