世はさながらに 三好達治

 今日は、三好達治の「世はさながらに」を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 在原業平がかつて恋人だった藤原高子の住んでいた屋敷を訪れて、時の流れに取りのこされたような感覚をもった。そのような「私」と、世界の変転と、常しえの時間について思いを馳せた和歌「月やあらぬ春やむかしの春ならぬわが身ひとつはもとの身にして」を発句として三好達治が自宅のそばにある自然界を観察し「もののあはれ」を詩に描きだした作品です。「こぞの春」というのは「ちょうど一年前の春に」という意味です。「これやこのこぞの長椅子」という詩の一節が、なんだか印象に残ります。今の最先端の音楽でもこれは歌い直せるのでは、というような日本らしい日本の歌というように思いました。
 

0000 - 世はさながらに 三好達治

装画をクリックするか、ここから全文を読む。 (使い方はこちら) (無料オーディオブックの解説)
(総ページ数/約10頁 ロード時間/約5秒)