今日は、豊島与志雄の「傍人の言」を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
翻訳の仕事が多い小説家の豊島与志雄が、近代の文士の事情を記しています。作中では、豊島与志雄の主張と「傍人」の主張の2つが記されてゆきます。豊島与志雄の友人は、近代の作家がお互いに会うと、妙な緊張が走っていて、それを見ていると、妙に思えてくる。
ほんとに打ち解けた朗かさがなくて、わきから見てると、お互に緊張しあってる……(略)個人的に逢えば、誰もみな好人物だし、酒をのめば、しめくくりのないだらしなさをさらけだすんじゃないか。それが、公の席上で顔を合わせると、好人物同士が、だらしのない者同士が、お互に緊張しあってるんだから、僕たちから見ると、おかしいんだ。
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徳永直のことも記していました。豊島与志雄の考えとしては、凡俗なことがらを魅力的に書けるかどうか、が重要になる。「書き方の如何によるのだ、と私は云う」と終盤に述べられていました。