今日は、福沢諭吉の「学問のすすめ」その7を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
今回も福沢諭吉は国家論を述べるのですが、不思議なことを主張していました。誰もが一人で二役をこなしなさいと言うんです。
経営者であるような認識と、世界に入りこんだ客であるような認識。
福沢諭吉は、順法を旨としながら盛んな経営をするように勧めます。影で不正をしないような考え方を伝えるんです。会社の経営者でありながら客でもある、と考えた場合は、たしかに会社内で不正をしにくいように思います。客の視点で見るとこういうズルはできるけど、同時に社長の視点で見るとそのズルは経営を悪化させる、と分かるわけで、逆に汚いダンゴを売りさばいてたくさん儲けようとしたら客の視点で「それはまずい」となります。福沢諭吉が今回述べている「客と経営者の両方になりなさい」というのはすてきな考え方に思いました。
政府の考えは自分の考えとまったく違うわけですが、とにかくいったん政府の命じる禁止事項に従う。そののちに政府に問題点を説明すべきだ、と記しています。
貴賤上下の区別無く「ある程度の文化的な生活」をもたらして、生存権などの権利を国家は保障しないといけない、脱税や着服などの不公平もあってはならない。と、福沢諭吉は、大金が損失しかねない政府の行政上の失態や不正を許してはならないと説きます。
今回も、政府を怖れて盲従してはいけない、集団的に抵抗せよ、というように説いていました。それから、ガンジーの述べる非暴力不服従とも通底した生きかたで、国の不正を改めさせるという考えについても記していました。
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