今日は、辰野隆の「愛書癖」を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
おおよそ百年前のパリの本屋のことから記しはじめている随筆です。調べてみると、100年後の今もセーヌ川左岸には古本屋が並んでいて多くの本好きが訪れているそうです。
古今の珍書と読書狂のことをあまたに記していて、本を読むことよりも、珍しい本を買い集めることに熱中した男の話が書かれています。文化的な価値は無い誤植本を高値で蒐集し、複製が困難で写経が重大だった時代に、同じ本を探し出しては買い取ってすぐにそれを廃棄し、珍書の価値を高めてみたりという、常軌を逸したマニアについて書いていました。これが極まると、本泥棒になるのだ、という実例の記載になんだか笑いました。
やっぱり本が貴重だった数百年前と今とでは、紙の書物に対する熱狂の度合いがちがうのでは、というように思いました。
大英博物館にもルーブル美術館にも実は盗品が展示されているという辰野隆の指摘もあり、興味を引かれました。
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