今日は、宮本百合子の「愛」を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
これは戦後の1948年のごく短いエッセーで、愛について記したものです。wikipediaには「1927年から1930年にかけて」長年同棲した親友の女性とともに「当時のソ連に滞在。民間女性初のモスクワ遊学だった。モスクワ大学の聴講生となり」ロシア文学を研究した、というように書いていました。愛憎のありさまについて記している掌編です。本文こうです。
愛という言葉をもったとき、人間の悲劇ははじまりました。人類愛という声がやかましく叫ばれるときほど、飢えや寒さや人情の刻薄がひどく、階級の対立は鋭く、非条理は横行します。
わたしは、愛を愛します。ですから、このドロドロのなかに溺れている人間の愛をすくい出したいと思います。
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