海のほとり 芥川龍之介

 今日は、芥川龍之介の「海のほとり」を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 この小説は、芥川龍之介にしては珍しく、短編小説として完結しているのに、続編の短編「続海のほとり」という作品がある、連作小説になっています。
 夏の終わりごろの砂浜で……

※以下は物語の結末を含みます。クリックで表示されます。

 何かが起きそうで、何も起きなかったということが4回ほど記される、事件性の無い、芥川龍之介の純文学でした。鮒が夢の中で呼びかけてくる……。夏の終わりの海辺で遊ぶ2人の少女との関わりのこと。結婚するはずだった男のことを、海のほとりで悼む女……。最後に友人が「遥かなティペラリー」という勇ましい歌を歌うのに、何も起きない。

 見えない異変と、大正時代の終わりごろの空虚さ。この2つが繰り返し描かれているように思いました。
 

縦書き文庫の装画

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(総ページ数/約10頁 ロード時間/約5秒)

追記 この本は、1回目に読んだ時は何がなんだかよく分からない、尻切れトンボな作品に思えたんですが、もう一度はじめから最後まで通して読んでみたら、なんだか奥深い、いかにも純文学らしい純文学小説に、思いました。