犬 島崎藤村

 今日は、島崎藤村の「犬」を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 島崎藤村といえば、社会的な問題を描きだした「破戒」の作者で、偉大な文学者だと思うのです。さいしょの作品として「若菜集」という瑞々しく耽美的な詩集も書いていてとにかくかっこいいし、さまざまな魅力を持つ作家なんですけど、この随筆的作品を読むと、ナルキッソスのかいまみた犬と男女の世界のようで、なんだかおもしろかったです。本文こうです。
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 私には人に愛せらるゝ性質があつた、人の心を引くに足るだけの容貌もあつた。自分で言ふもなものではあるが、私はよく手入れをした髪と、たかい筋の通つた鼻と、浅黒くはあるがしかしきめこまか光沢つやのある皮膚とを持つて居た。のみならず、いかにせば斯の容貌を用ふべきかといふことをも知つて居た。私には又、若々しさがあつた。力があつた。quomark end - 犬 島崎藤村
 

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