今日は、石川三四郎の「百姓日記」を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
これはヨーロッパで単身、農業を営んだ、石川三四郎の農地開拓の記録です。ちょうど100年ほど前の大正15年の農作について記しています。とにかくあらゆる野菜や果実を育てようと奮闘し、フランスの町中の「人々が来て、私の畠を、農事試験場の様だと評した」と記しています。6年ほどで、トマトやイチゴやメロンや、人参や茄子や林檎を育てたのですが、なぜか米と落花生は失敗に終わったんだそうです。これはフランス独特の温暖な気候が影響しているのでしょうか。
石川氏はもともとは農法の素人で、素人が短い期間で林檎を育てるのは難しいし、そもそもリンゴは実がなるまで8年くらいかかって小型な種類なら5年くらいかかるはずだと思うのですが、これもやっぱり温暖だったら成功したのでしょうか。石川さんは、農業を営むフランスのおばあさんと交流をしていろいろ学んで、おばあさんのことをこう絶賛しています。「生きた婆さんの直覚的判断は、生きた自然とぴつたり一致して共に真実の創造的芸術が行はれる」
後半は日記調で、1年間の天候と農作の変転について記していました。「一月の酷寒、二月のしけ、三月の風、四月の細雨、五月の朝露、六月の善い収穫、七月の好い麦打ち、八月の三度の雨、それはソロモン王の位よりも尊い」という記載が印象に残りました。
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追記 豊かな風土と習俗の中でなら、農作は石川三四郎のようにみごとに成功するのでは、と思いました。