算盤が恋を語る話 江戸川乱歩

 今日は、江戸川乱歩の「算盤が恋を語る話」を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 この小説は、なんだか引き込まれる展開をする作品に、思いました。モテない男が、モテないがゆえにどんどん意味不明な方向へと突き進んでゆくという、やらかし小説でした。独自の言葉をとにかく使おうとした男の物語でした。
 

縦書き文庫の装画

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(総ページ数/約10頁 ロード時間/約5秒)
 

※以下は物語の結末を含みます。クリックで表示されます。

 会計士の主人公はえんえん暗号を使ってどこかにどうにかして繋がろうとして……。けっきょくは自分で作りあげた暗号の落とし穴にはまってしまって呆然とする、モテない男の顛末が描きだされていました。
 こんなに徹底的にモテない男の心理を、江戸川乱歩は細部までよく描き出せるもんだと、眼を見張る結末の、謎の小説でした。暗号が通じてなんとも心地良くなるという別の展開だったら、どういうことがあり得たんだろうかと思いました。暗号的な表現と言えば、そういえば源氏物語の主人公の、ほんとうの名前とかは、ほぼまったく明記されず、ほとんど暗号のように別の言葉が使われた……ように思います。