虞美人草(7)夏目漱石

 今日は、夏目漱石の「虞美人草」その7を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 漱石が100年前の京都と、東京行きの夜行列車を雅に描いた、ということもこの文学の魅力のように思います。観光客として見る世界、というのがたびたび描かれています。「甲野こうのさんと宗近むねちか君は、三春行楽さんしゅんこうらくの興尽きて東に帰る。孤堂こどう先生と小夜子さよこは、眠れる過去を振り起して東に行く。二個の別世界は八時発の夜汽車ではしなくも喰い違った。」
 また、若き学者の小野さんと結婚したい「可憐なる小夜子」が今回はじめて詳細に描き出されところも注目の場面でした。小野さんは「クレオパトラ」のごとき美女である「藤尾」の魅力に惑っているし、二人の女性から熱心に迫られていて、どうなるのか分からない……という状況です。贅沢な、絢爛な、すてきな小説だなあと思いながら読んでいます。
 全文は読まないけれども、どういう小説なのか知りたいという場合は、いつか虞美人草の第七章だけ読んでみると、漱石文学の魅力が見えてくるのでは、というように思いました。
 

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「虞美人草」の一から十九まで、全文を読む。(原稿用紙換算584枚)
夏目漱石『夢十夜』を全文読む。   『草枕』を読む。