今日は、中谷宇吉郎の「長崎留学」を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
ぼくは、武家社会と維新のことについてうといんですけど、いつか知ってみたいと思っていて、ちょうどこの蘭学と維新の随筆を見つけて読んでみました。「覗かせてくれるという一番大切な点」という中谷宇吉郎の指摘が、ものすごく印象に残りました。たとえば映画を見ていて観客の自分たちは、ギャングやマフィアに感情移入して、その生き方を垣間見るんですけど……ほんのちょっとだけ、カケラだけでも理解してみるというのがなんだか、重大なような気がするんです。
蘭学者は西洋の医学と文化を、つたない言語能力で垣間見た。このちょっとだけ『覗けるようになっている状況』というのがじつは、未知との遭遇としての価値があるように思いました。
まだすこししか理解できていない、自分たちの不能が目に見えている、という条件のほうがかえって学びが深まる可能性が高い、ように思いました。
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