防寒戸 中谷宇吉郎

 今日は、中谷宇吉郎の「防寒戸」を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 これは戦後になってから、古い時代の北海道の家作りのことを回想した随筆です。科学者の中谷宇吉郎と建築家オー君の2人で防寒戸をしっかり備えた家を設計したのでした。「簡単に言えば、保温の原理を物理的に忠実に守ったというだけに過ぎない」のですが、じっさいに作って暮らしてみると、厳冬の寒さを防げるということでかなりの人気になって、いろいろな見学者が、中谷宇吉郎の家を見に来ることになった。建築家O君はこれでしっかり儲けて出世して「住宅会社の活躍と相まって、みるみるうちに、千八百軒建った」そうです。
 いま読んでみると想定外なのは、寒冷地では雨戸は凍りついてしまって厳しいのだけれども、ふすまのようにじつに簡単なモノでも、2重にするだけで防寒にかなりの効果がある、という科学者の指摘が面白かったです。
 これは現代でもじゅうぶん参考になる話しで、パスワードは2重にしたほうが良いとか、魅力的だけれども怪しい情報は、いったん寝かせてから二段階で再確認してみたほうが良いとか、いうように思いました。
 

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追記  今回は科学の話しと言うよりも、技術の話しだなと思いました。そういえば、論理哲学者のウィトゲンシュタインも技術に長けていて、自分で家を設計して建てたりしていたのでした。