今日は、生田春月訳の「ハイネ詩集」を配信します。縦書き表示で読めますよ。
ハインリヒ・ハイネは1850年ごろに晩年を生き、1900年前後にもよく読まれたドイツ出身の詩人です。ハイネは、異国へと移り住んだ詩人で、母語と異なるフランスで生きながら詩作を続けました。
「わたし逹の魂は何処へ行くのだらう? / 消えた火は何処へ行つたのだらう? / 吹きやんだ風は何処へ行つたのだらう?」というハイネの問いかけが印象に残りました。
ハイネはこの詩集にあまたの恋愛を描きだしているんですけど「キテイ」という詩はそれらを凝縮したような詩でした。軽率な恋愛で不幸を自ら招いておきながら、とくに反省はしない男という、その鈍感な性格の表現が、おもしろかったです。
現実のハイネは豊かな恋愛をしてきたはずなんですが、詩を見てゆくと、片思いの詩や行き詰まった恋の描写が、多いと思います。ハイネのとほうにくれた男の感覚が、なんだが好きなんです。
わたしも昔はたくさんの美しい子や
たくさんのいゝ友逹を愛してゐた——
今彼等は何処へ行つたらう? 風は鳴り
泡は立ち波はさか巻く
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