細雪(12) 谷崎潤一郎

 今日は、谷崎潤一郎の「細雪」その12を公開します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 谷崎潤一郎は伏線や展開の反復がとくべつに上手い作家だと思うんですけど、今回は主人公の雪子が、病弱そうに見えてしまうのでそのことが向こうのお見合いする家族にとって心配に思えてしまうという、問いがあったんです。
 ところがじっさいには雪子はたんに奥ゆかしい性格であるだけで、いたって健康なんです。それを証明するために、ちゃんとお医者さんで健康診断をしておこうという方針になります。
 雪子は美しい容姿をしているので、ちょっとシミがあると妙にみんなが気になってしまうようです。雪子本人もちょっとだけ気になっている。この物語の序盤で出てきた、ビタミン注射のこともまた語られます。
 お見合い相手の女性の、細かなところを見る男たちなんですが、では逆に男のほうに、なにか隠された問題があるのでは……という展開になるようです。
 次回に続きます。
 

0000 - 細雪(12) 谷崎潤一郎

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「細雪」の上中下巻、全巻を読む。(原稿用紙換算1683枚)
谷崎潤一郎『卍』を全文読む。 『陰翳礼賛』を読む。

■登場人物
蒔岡4姉妹 鶴子(長女)・幸子(娘は悦ちゃん)・雪子(きやんちゃん)・妙子(こいさん)

追記  雪子は繊細なようでいて、芯の強い、あまり動じない人間のように思われます。作者の谷崎こそが当時の戦争の惨禍に動じず、伝統を新たにする生きかたを貫いた作家のように、思います。