今日は、谷崎潤一郎の「細雪」その23を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
ずいぶん準備をしてきて、関西から東京に引っ越した、姉の鶴子と三女雪子なんですけど、この日のことを記した手紙がとどいたんです。
しっかり計画したはずなのに、どうも家を借りることが急に取り消しになってしまって、種田さんの家にお邪魔になりつつ、大急ぎで別の家を借りることになった。このあたりの展開はどうにも1945年前後の大戦のあらゆる不都合が押しよせている時代性が、物語に反映されているのだと思いながら読みました。「知らぬ土地へ来て、名古屋側の親戚の、而も目上の人の家に厄介になっているのでは、どんなにか窮屈なことであろう。そこへ持って来て病人が出来、医者を呼んだりするのでは尚更である。」三女の雪子の部屋がまだ無い状態だったりします。雪子からの手紙はまだとどかない。雪子を愉しませようと、幸子や悦子は、歌と絵を添えた手紙を書き送るのでした。次回に続きます。
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「細雪」の上中下巻、全巻を読む。(原稿用紙換算1683枚)
谷崎潤一郎『卍』を全文読む。 『陰翳礼賛』を読む。
■登場人物
蒔岡4姉妹 鶴子(長女)・幸子(娘は悦ちゃん)・雪子(きやんちゃん)・妙子(こいさん)