今日は、谷崎潤一郎の「細雪」その47を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
東京にきている幸子あてに奥畑からの手紙がとどきます。妙子は大水のあった日にどうも、板倉と密かに会っていたから、災害時にも2人は一緒だったのではということを主張している手紙なのでした。
「僕とこいさんとの結婚問題についてもお願いしたいことがいろいろあるのですが、それは他日に譲るとして、今は板倉と云うものをこいさんから遠ざけることが先決問題です」
妙にださい感じの告発の手紙なのでした……。雪子は誰とお見合い結婚するのか、四女の妙子はどんな結婚をするのか、というこの2つが「細雪」全体で主題となっていることがらで、妙子のほうでは、板倉か奥畑かどちらかと結婚をするように思われます。幸子としては、妙子と板倉を結婚させるつもりはまったく無いようです。妙子と奥畑となら認める準備は出来ているところなのでした。本文こうです。
「彼は姉上のお留守中も毎日お宅にお邪魔しているようです」とあった文句が、分けても彼女を狼狽させた
東京での雪子の暮らしをしっかり観察して、雪子に良いお見合いをさせてやろうと思っていた幸子なんですが、関西に残してきた妙子が、みんなが留守である隙に、板倉と2人でどうも楽しんでいるらしい。これで幸子はついに関西へと帰る決意をしたのでした。
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当サイトでは『細雪 中巻一』を通し番号で『細雪 三十』と記載しています。『中巻三十五』は通し番号で『六十四』と表記しています。
「細雪」の上中下巻、全巻を読む。(原稿用紙換算1683枚)
谷崎潤一郎『卍』を全文読む。 『陰翳礼賛』を読む。
■登場人物
蒔岡4姉妹 鶴子(長女)・幸子(娘は悦ちゃん)・雪子(きやんちゃん)・妙子(こいさん)