細雪(57)谷崎潤一郎

 今日は、谷崎潤一郎の「細雪」その57を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 四女の妙子が、おさく師匠の追善供養で、舞を踊っている、そこに彼女の婚約者の板倉が、しきりに写真を撮っているという展開でした。
 四女で未婚ということで、20代前半なのかと勝手に思い込んでいたんですが、妙子は29歳で「もう芸者ならば老妓と云ってもよい年頃」だと記されていました。戦時中の追善の舞であっても、読んでいると、雅で美しい催しであったように思われます。また幸子がしきりに心配していたように、金持ちボンボンの不倫男奥畑はやはり、妙子と板倉の親睦の邪魔をするので、ありました。カメラで婚約者の舞を撮影していた板倉だったのですが、奥畑啓坊が難癖をつけてくる場面がありました。
 幸子は雪子と話しをしていて、妙子は自由に生きすぎて「あたし等は迷惑してる」「あんな板倉みたいなもんと」結婚の約束をしてしまって、という愚痴を言うんです。
「あたしと雪子ちゃんとで、何とか思い直すように代る代る云うて見るより外、方法ないねん」と、幸子と雪子は語りあいました。次回に続きます。
 

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当サイトでは『細雪 中巻一』を通し番号で『細雪 三十』と記載しています。『中巻三十五』は通し番号で『六十四』と表記しています。
「細雪」の上中下巻、全巻を読む。(原稿用紙換算1683枚)
谷崎潤一郎『卍』を全文読む。 『陰翳礼賛』を読む。
  
■登場人物
蒔岡4姉妹 鶴子(長女)・幸子(娘は悦ちゃん)・雪子(きやんちゃん)・妙子(こいさん)