細雪(59)谷崎潤一郎

 今日は、谷崎潤一郎の「細雪」その59を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 カタリナはヨーロッパに旅だって、そこで仕事と婚約者を見つけるということを述べていました。
 幸子や雪子や妙子たちは、頑固親父が営む鮨屋に入り、美食を堪能するのですが、陰翳礼賛を記した谷崎潤一郎が、美味い鮨のことを書くと、ここまで雅な筆致になるのかと、驚く描写に思いました。この数百年で、飢餓が日本中でもっとも苛烈だった戦中戦後すぐに、こういう禁忌の美食を描きだすところが粋なのでは、というように思う章でした。
 1930年代であっても西洋人が日本で鮨を食った、ということを記すのも、妙に印象に残る記載に思いました。
 

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当サイトでは『細雪 中巻一』を通し番号で『細雪 三十』と記載しています。『中巻三十五』は通し番号で『六十四』と表記しています。
「細雪」の上中下巻、全巻を読む。(原稿用紙換算1683枚)
谷崎潤一郎『卍』を全文読む。 『陰翳礼賛』を読む。
  
■登場人物
蒔岡4姉妹 鶴子(長女)・幸子(娘は悦ちゃん)・雪子(きやんちゃん)・妙子(こいさん)