今日は、夏目漱石の「野分」その(12)を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
漱石の随筆を読んでいてもっとも印象に残ったのは、子規との親交についての記載だったのですけれども、この『野分』という不思議な題名の物語終盤になって、子規と漱石の関係性を彷彿とさせるような、高柳君と中野君の描写がありました。
漱石が小説をはじめて書いて託したのが、子規が生前もっとも重大視していた文芸誌で、子規の弟子がこの原稿を受けとっていった。そこから漱石文学のすべてが始まった。「猫……」「坊っちゃん」「草枕」と書いて創作の中盤にさしかかって、漱石の原点がこの物語に書き記された、というように思いました。ここから「三四郎」「それから」「門」が始まってゆく、そういう熱い予感のする最終回でした。
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※「野分」全文をはじめから最後まで通読する(大容量で重いです)
追記
次回から谷崎の本を読んでみようと思います。