泥濘 梶井基次郎

 今日は、梶井基次郎の「泥濘」を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
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 何をする気にもならない自分はよくぼんやり鏡や薔薇の描いてある陶器の水差しに見入っていた。心の休み場所——とは感じないまでも何か心の休まっている瞬間をそこに見出いだすことがあった。以前自分はよく野原などでこんな気持を経験したことがある。quomark end - 泥濘 梶井基次郎
 
この箇所が、コーネルの箱の美術を連想させるように思いました。石鹸の挿話が2回あるんです。これが絵画的というのか、奇妙な存在感を示していました。仕送りのお金をやっと手に入れて、町をゆく「自分」の心情と同時に、美しい情景が描写されてゆきます。ついうっかり間違って買ってしまった石鹸を見ていると、母の記憶と声が再生されます。月光と石鹸……。
 

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