あとの祭り 山之口貘

 今日は、山之口貘の「あとの祭り」を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 井戸端会議というと、会社でも学校でもよく生じることだと思うんですが、これは本物の井戸端での近所づきあいからはじまる、自分の生活を描きだした私小説です。狭い家の中で女房子どもが暮らしている中ではなかなか原稿が書けず、子どもたちを寝かしつけてからやっと夜に創作の仕事を始められる。ヘトヘトになって眠ると、ある日「ぼく」は突然、起こされてしまう。どうも泥棒が入ったようなんです。どうも深夜にどしん、という音が聞こえた。また夫がうなされて足をばたつかせたのかと思ったら、それがどうも泥棒の足音だったようです……。
 

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追記  漱石の「門」を想起させる話しでした。漱石は奇妙な泥棒の挿話を書いたんですが、じつはじっさいに漱石は明治38年の春ごろに、ほんとに泥棒に入られて服をいろいろ盗まれたことがあったんだそうです。