ゲーテ詩集(73)

 今日は「ゲーテ詩集」その73を配信します。縦書き表示で読めますよ。 
 ゲーテといえばギリシャ神話を幻想的に描きだした詩が印象深いと思うんですが、今回は、菜根譚や論語のような、人生訓的な教えが説かれた作品でした。中盤から神話の要素も記されつつ、慈悲と善良さをもつ「気高い心の人間」であれと、読者に語りかける詩でした。
 

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ゲーテ詩集はあと10回ほどありますが、月に1回ほどのペースで読みつづけようかと思います。

哀しき父 葛西善藏

 今日は、葛西善藏の「哀しき父」を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 自らを「哀しき父」と呼ぶ文学者の、孤独な物語でした。本文こうです。
quomark03 - 哀しき父 葛西善藏
  彼の子供は四つになつてゐるのである。そして遠い彼の郷里に、彼の年よつたひとりの母にまもられて成長して居るquomark end - 哀しき父 葛西善藏
 
 父と子は、金魚売りのいる路地でのんびり暮らしていたのですが……「彼等の哀しき離散の日」からさき、父であるはずの彼は孤独に一人で生きることになります。それから「彼は金魚を見ることを恐れ」るようになるのでした。母と妻は、実家の故郷で子育てをしていて、父に手紙を書き送ります。子は洋服がほしくてしかたない。手紙で父に、新しい服をねだるのでした。父は、このまえ送ったマントや玩具や絵本のあとに、子どもの洋服を買って送ることになった。
 中盤で、貧困や伝染病による暗い世相が描写されます。母と妻と子から離れて、病がひしめく街の中で金を稼いで、妻子を養わねばならない詩人の物語でした。父である彼は、死の気配を実感しつつ、詩作を続けてゆくのでした。
 

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この三つのことば 宮本百合子

 今日は、宮本百合子の「この三つのことば わたしたちは・平和を・欲している」を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 ニューヨークで女性会議が行われ、和服を着た女たちが米国を旅したところを記載し、平和を希求する言葉を記した作品でした。戦後の願いが記された随筆でした。
  

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細雪(57)谷崎潤一郎

 今日は、谷崎潤一郎の「細雪」その57を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 四女の妙子が、おさく師匠の追善供養で、舞を踊っている、そこに彼女の婚約者の板倉が、しきりに写真を撮っているという展開でした。
 四女で未婚ということで、20代前半なのかと勝手に思い込んでいたんですが、妙子は29歳で「もう芸者ならば老妓と云ってもよい年頃」だと記されていました。戦時中の追善の舞であっても、読んでいると、雅で美しい催しであったように思われます。また幸子がしきりに心配していたように、金持ちボンボンの不倫男奥畑はやはり、妙子と板倉の親睦の邪魔をするので、ありました。カメラで婚約者の舞を撮影していた板倉だったのですが、奥畑啓坊が難癖をつけてくる場面がありました。
 幸子は雪子と話しをしていて、妙子は自由に生きすぎて「あたし等は迷惑してる」「あんな板倉みたいなもんと」結婚の約束をしてしまって、という愚痴を言うんです。
「あたしと雪子ちゃんとで、何とか思い直すように代る代る云うて見るより外、方法ないねん」と、幸子と雪子は語りあいました。次回に続きます。
 

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(総ページ数/約20頁 ロード時間/約3秒)
当サイトでは『細雪 中巻一』を通し番号で『細雪 三十』と記載しています。『中巻三十五』は通し番号で『六十四』と表記しています。
「細雪」の上中下巻、全巻を読む。(原稿用紙換算1683枚)
谷崎潤一郎『卍』を全文読む。 『陰翳礼賛』を読む。
  
■登場人物
蒔岡4姉妹 鶴子(長女)・幸子(娘は悦ちゃん)・雪子(きやんちゃん)・妙子(こいさん)
 

梟娘の話 岡本綺堂

 今日は、岡本綺堂の「梟娘の話」を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 江戸時代に水戸の藩主が、貧困層のための病院である「施薬院」をつくって、病の治療をすることになった。みな喜んで、その診察を受けたのですが……あるお金持ちの美しい娘が、日光を浴びると苦しむ病に困っていたところ、この施薬院で病状を診ることになった。ところが夜は病院が閉じているので、どうしても日光にあたることになってしまう。お役人は仕事を完遂するために、この日光に苦しむ「梟娘」をどうしても施薬院で看る必要があった。
「目を閉じていれば昼でも移動できるのではないか」ということで、目隠しをして医院を訪れることになった。
 

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(総ページ数/約10頁 ロード時間/約5秒)
 
 ネタバレ注意なので、近日中に読み終える予定の方はご注意ください。生まれてはじめて日光のなかを歩く少女、というのが町中の噂になって、見物人が溢れかえって、少女を驚かせてしまった。
 病院にたどりつく前に、娘は家に帰りたいと言いだしてしまった。見物人や関係者は彼女を止めようと、掴みかかってしまうのですが、彼女は上手くすり抜けてしまった。けれども目隠しをしてのはじめての行動なので、お城の堀の中へと飛びこんでしまって、行方不明となってしまった。水練の者が外堀の水の底をさぐってもなにも出てこなかった。
 この事件のあとに、暴風雨があって「外堀から黒雲くろくもをまき起して、金色こんじきうろこをかゞやかしながら天上に昇つた怪物のあることを、多数の人が目撃した。」どうも龍が昇天したか「かの梟娘が蛇体に変じた」のでは、と町中で囁かれたのでした。

暖地の冬から山国の春へ 岸田國士

 今日は、岸田國士の「暖地の冬から山国の春へ」を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 劇作家の岸田國士が、季節の移ろいを描くとともに、小田原に住むための家捜しのことや、いまの住み家のすぐそばにある缶詰工場の騒音と臭気に困っていることなどを記した、静かな随筆です。ゴーリキーの「どん底」の舞台劇を作るためにこれを研究しており、貧困や厳冬について思いを巡らしている岸田國士の、初春への思いが記載されていました。

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