陰翳礼讃 谷崎潤一郎

 今日は、谷崎潤一郎の「陰翳礼讃」を公開します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 谷崎潤一郎が、日本の美について記しています。電気や電灯が使われるようになった時代に、どういう生活の美があったかというのを書いています。江戸時代の和算のように、日本独自のモノが開発されていたなら……という想定がおもしろかったです。この随筆は昭和八年の一九三三年から翌年にかけて掲載された作品なのですが、その二十年後には哲学者のミシェルフーコーによってフランスに広く紹介された本なんです。
 豆腐の味噌汁と、白ごはんという、ごくありきたりなものであっても、谷崎潤一郎が描くとこれがすこぶる美しいんです。
 谷崎潤一郎は光と反射と質感、そして和室の空気感について詳細に述べるんです。暗闇でどうしてものが光るのか……。本文こうです。

   時とすると、たった今まで眠ったような鈍い反射をしていた梨地の金が、側面へ廻ると、燃え上るように耀やいているのを発見して、こんなに暗い所でどうしてこれだけの光線を集めることが出来たのかと、不思議に思う。それで私には昔の人が黄金を佛の像に塗ったり、貴人の起居する部屋の四壁へ張ったりした意味が、始めて頷けるのである。

 また文学についても記していて、作中で谷崎潤一郎は、漱石文学への思いを描きだしています。
 くわしくは本文をごらんください。

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銀河鉄道の夜 宮沢賢治

 今日は、宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」を公開します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 宮沢賢治は農学校の先生で、子どもたちにものを教える専門家だった。その人生がそのまま童話創作に活かされているように思いました。賢治は農業や植物だけでは無く、鉱物と宇宙にたいへんな関心を持っていて、これを研究をしていた。その先生としての講義から、物語が始まります。
 むかしいちど岩手の宮沢賢治記念館に行ったことがあるんですけれども先生としての宮沢賢治は、どのような研究をしていたのか目に見える、充実した施設でした。自然界が人類におおきな影響を与えていた近代、その時代の作家は、今よりも自然界がはっきりと見えている。
 賢治の研究は学問というだけでなく趣味的なところがあって、鉱物や自然界の美しさを良く見ていて、このようにすてきな物語に結実したのだろうと思いました。

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破戒 島崎藤村

 今日は、島崎藤村の「破戒」を公開します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 この小説は、文章は優しい言葉で記されていて読みやすいのですが、内容が難しく、登場人物も多いですので、wikipediaの文学解説と同時に読み進めてみてください。ぼくは藤村の「若菜集」が好きで、その作者がドストエフスキーのような群像小説を書いたということで、読んでみたいと思っていました。
 四年前に、ある選書リストにマーティン・ルーサー・キングの著書『黒人はなぜ待てないか』という書籍と同時にこの、藤村の『破戒』のことが紹介されていて、それでこの小説を読みはじめました。難読書ですので一気に読み終えることはできないかと思いますが、ぼくは一日に一章読むことにして、二十日間かけて読んでみました。
 古い話しなんですけど、後半でアメリカに渡り移民として生きる可能性について少し記されていたり、主人公丑松の、父とは異なる思想を持った猪子先生への思いの描写があったり、新しい時代にも通底している普遍的な描写がさまざまにありました。「坊っちゃん」や「こころ」を書いた夏目漱石も、この「破戒」を高く評価していて、近代の代表的な文学であるように思います。
 島崎藤村はこの本を自費出版で出している。僕が印象に残ったのは、主人公の丑松が古里でつくってもらった、竹の皮につつまれたおにぎりの描写なんですけど、近代の魅力は、貧しさにも豊かさにも深く関わった作家がいるところではないだろうか、と思いました。
 

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山羊の歌 中原中也

 今日は、中原中也の「山羊の歌」を公開します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 やはり、序盤の詩、「春の日の夕暮れ」と「サーカス」がなんど読んでも衝撃的です。
 修羅街輓歌の「序歌」が忘れがたいです。
 詩集の最後のことばが好きなんです。こうやって長い作品を終わらせるのかと、思いました。

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夢十夜 夏目漱石

 今日は、夏目漱石の「夢十夜」を公開します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 
 ぼくは数年前にこれを読んだのですが、十個の独立した夢が描かれていてそれぞれにちがう作者が描いたんじゃないかというくらい雰囲気が異なっていて、どれかひとつだけを読んでみてもじゅうぶん楽しめるんです。第一夜ととくに最終夜の第十夜が印象に残ります。
 

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