淫者山へ乗りこむ 坂口安吾

 今日は、坂口安吾の「淫者山へ乗りこむ」を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 これは……恋人同士や夫婦間の中で生じる問題について描いているんですが、ところどころ、考えたこともないことが書いてあって驚くんです。ちょっとぼくには説明できない内容で、全文を読んでもらうと分かるのですが、坂口安吾の記す、罪の概念が印象に残るんですけど、そこで「走りすぎた」という記述をするんです。この言葉が、すごい使われ方をしている。言葉は現実から外れて走りすぎることがあるはずで、作家がこの問題を物語を押し進めながら検討しています。後半の静謐な心理描写も迫力がありました。
  

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きのこ会議 夢野久作

 今日は、夢野久作の「きのこ会議」を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 夢野久作は近代文学の中でもっとも不気味な作品を残した、恐ろしい作家だと思うんですけれども、いくつか童話を書いているんです。そこではよく、勧善懲悪や、悪が滅びる物語が描かれていて、これもけっこうギョッとするんです。ところでキノコについてwikipediaで調べていて、おしゃかさまがどうもキノコを食べて食中毒を起こした、という逸話を発見しました。そういえば仏教関連の本で、キノコについての記載が奇妙だなあと感じたことがあって、不思議に思ったことがあったんですけど、こういう説話があったのは知らなかったです。
 

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金が出ずに、なしの産まれた話 小川未明

 今日は、小川未明の「金が出ずに、なしの産まれた話」を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 これは小川未明の童話で、採掘のはなしと、梨のはなしなんですけど、「梨」って辞書でしらべると不思議なことが書いてあって面白かったんですけど、小川未明はこの辞書よりももっと不思議な、梨にまつわる体験をしていて、こういう物語を書いたのでは……と空想しました。
 

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帆の世界 室生犀星

 今日は、室生犀星の「帆の世界」を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 この本を読んでいて連想したのは、西洋絵画における裸婦像のことです。室生犀星は、日常に於ける偶然のおどろき、これに夢中になってしまった男の思念を記していて、すごい説得力に思いました。主人公はただなんとなくピアノを弾いているだけの暮らしをしている、ちょっと謎めいた男なのですが、ある倒錯した習癖がある。その秘密に気がついた満子と刑事が、主人公に問いかけ……つづきは本文をご覧ください。
   

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蠅 海野十三

 今日は、海野十三の「蠅」を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 ぼくは子供のころ、SF小説か随筆だけをずっと読んでたんですけど、大人になってから近代文学を読みはじめました。そこで発見した作家の中で、日本SFの開祖みたいな海野十三がなんだか面白いと、思うんです。現代SFと読み比べてもまったく見劣りしないレトロSFだと思います。百年くらい前によくまあこんな近未来的なことを考えられたもんだと、感心します。ごくごく小さなロボットって、現代では全長2ミリくらいのロボットがあるわけなんですけど、発明できたのはつい最近のことだと思うんですけど、そういう現代開発が行われているような新しい技術について、百年前に生きた海野十三が空想しています。レトロでちょっと不気味なんですけど、空想をずいぶん具体的に描いているので、読んでいて面白いです。
 

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トンカトントンカッタカッタ 今野大力

 今日は、今野大力の「トンカトントンカッタカッタ」を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 題名を見て、太宰治の「トカトントン」を真似たのだろうか? と思って初出を見ると、「トンカトントンカッタカッタ」のほうが数十年以上まえに記されていました。太宰治はサンプリングのプロだから、今野大力の作品も読んでいて着想を得たのかも、しんない、と思いました。ふつう、真似まねる、まねぶというと、上意下達であって、上から下へゆきそうなもんですが、どうも芸術ではそうじゃないところが多いと思いました。むしろ下意上達みたいなところが芸術にはありそうに、おもいました。(太宰治が今野大力の本作を知らない可能性も充分あるんですが)
 終盤に古参の老いた女工が素描されます。今野大力は心理描写を排し様相によって人間を描きだしていて、この外面の描写がかえって危うい労働をして生きる人々の心持ちを表出しているように思いました。
 

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