森の神 夢野久作

 今日は、夢野久作の「森の神」を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 これは十秒で読める掌編小説なんですけれども……こんなに短くても、やっぱり夢野久作の不気味さと迫力があるように思いました。旅人……。ぼくは古くからある自然信仰の神道に興味があって、関連書籍を読んでみたいと思うことが多いんですけど、夢野久作の奇妙な自然観は、他に類をみない独特さがあると思います。神社にねずみの石像が祀ってあるような、ギョッとする感じがあっておもしろいんです。
 

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(総ページ数/約1頁 ロード時間/約3秒)
 

笑われた子 横光利一

 今日は、横光利一の「笑われた子」を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 横光利一の長編文学を読み終えるのにいちど挫折したことがあるのですが、この短編小説はおもしろかったです。横光利一らしい、ぐるぐると物語が転がってゆくところがあって、なんだかユーモラスな主人公に、寡黙な母というのがおもしろかったです。
  

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(総ページ数/約10頁 ロード時間/約3秒)
 

塵 夢野久作

 今日は、夢野久作の「ちり」を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 夢野久作と言えば『ドグラ・マグラ』という、こわい小説を書いた長編作家だという印象が強いんですけど、奇妙な童話や詩も書いています。こんかいの掌編に「塵は都会の哀詩である」と記されているように、暗い詩の趣がありました。不思議に不気味な、なんだかおもしろい短編でした。
 

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(総ページ数/約10頁 ロード時間/約3秒)
 

夏目漱石 吾輩は猫である

 今日は、夏目漱石の「吾輩は猫である」を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 今日2020年2月22日はネコの日らしいので、猫の小説を紹介してみます。ぼくはこの長編小説を10回にわけて10日間くらいでいちおう読み終えたのですが、これは漱石の処女作で、かなり冗長な場面がくり返されるため、読み終えるのがむつかしい本だと思いました。
 はじめて漱石作品を読むときは「吾輩は猫である」は当時発表されたのと同じ方法で、短編小説として1章のみだけを読むというのもお勧めします。ストーリーは特にない小説なので、1章と9章を読めば、かなりこの小説の魅力は堪能できる、ような気もします。これは漱石がいちばんはじめに、かなり長い期間を通して記した長編小説で、漱石の前期と中期の創作にかんして年表を作ってみたんですが、こうなっています。
zunisuruto souseki - 夏目漱石 吾輩は猫である
 「吾輩は猫である」には、漱石ののちの作品の萌芽といえるような魅力的なシーンが多数あって、漱石作品の「三四郎」や「それから」が好きな人は全文読んでみると、いろんな発見があると思います。芸術論や文化論などの会話がさまざまに記されていて、どこかを抜粋して読んでもおもしろいんです。
 猫には垣根が無い、家の内と外の区別を持たない。そこから人々の考え方に耳をすまして透視して見てゆくのが、こんかいの主人公なんです。
 

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一燈 太宰治

 今日は、太宰治の「一燈」を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 今回は、貧者の一灯のことが題名になっている掌編小説です。現代で有名な人のたいていは、貧者ではない、と思うんですが、近代文学の魅力には、貧しさを偽りなく描き出せた人が居る、というところにもあるように思いました。
 過去を美化するのは記憶力に問題があるからだ、とかいう格言を述べた人が居るらしいんですが、近代というのがどういう時代だったか知識が乏しい自分には、どうもこの時代が興味深く感じました。
 最後の一文を読んでいて、どうも太宰治は時代を掴んでいるというか、その先の数十年間の未来に於ける異変のことが、なんだかしっかり見えているように、思えました。

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おかしいまちがい 小川未明

 今日は、小川未明の「おかしいまちがい」を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 近代文学の特徴のひとつに、貧乏の描写が現代より色濃い、というのがあると思います。こんな記述があります。
quomark03 - おかしいまちがい 小川未明
   よるてらえんしたにガタガタとさむさにふるえながら、たこともあります。quomark end - おかしいまちがい 小川未明
 
 旅をして、危険な貧乏におちいる男が書かれています。本文と関係ないんですけど漱石はイギリスに留学して、そこでなんだかおかしくなってしまったらしく、その留学を終えてからすぐに処女作を書きはじめたという実話があるらしいのですけど、旅をすると、違う世界が見えるだけじゃなくって、ちがう自分というのが現れてくるんじゃなかろうか、と思いました。
 

0000 - おかしいまちがい 小川未明

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